森での出来事
「ここハバラ村では、最近、
何か変わった事は起こってないんですか?」
「事件っすね!ロック先輩」
「ここでか?
ロックも知っての通り、ここは普通の田舎の村だからな~
変わった出来事なんて、そうそう起こら・・・あっ、
そう言えば、アレがあったか・・・」
「何か、思い当たる事があったんですか?」
「何っすか!何っすか!」
「ああ、大した事じゃねぇんだが、
変わった事って言えば、変わった事だな」
「聞かせて貰えますか?」
「しゃ~っす!」
「ああ、別に隠す事でも無いし構わんぜ、
つい先日の事なんだが、
この辺にゃ、大した魔獣も居ないもんだから、
少し大きな子供達が、小さな子供達を連れて、
近くの森まで、森イチゴを摘みに行ったんだよ、
その時に、偶々誰かがイタズラに木を切り倒した後を、
見付けたって言うんだ。」
「イタズラですか?
木材として切り出した訳じゃ無いんですか?」
「ヘイヘイホ~っす!」
「いや、材木として使えない様な細い木もあったし、
倒れた木は、そのままだったって事だぜ」
「じゃあ、使用目的じゃ無いですね・・・」
「謎っす!」
「何かロックが気になるなら、
明日、見に行ってみるか?」
「えっ?ドボルさんは仕事じゃ無いんですか?」
「明日は、午後から、畑の雑草取りだけだから、
午前中なら案内出来るぜ」
「じゃあ、ちょっと気になるから、
お願いしようかな」
「しゃ~っす!」
「おう、良いぜ!」
それから、当たり障りのない会話をしながら、
暫くの間、ヒデブの街では食べられない、
この村、特有のB級グルメを楽しんだ3人は、
いよいよ、メインである
『グレートラビッツの香草焼き』を注文した。
「お待ちどう様~!」
ロック達の注文を受けてから、少しの時間が経った後、
シェフのアンラックが抱えて来たトレイの上には、
ジュ~ジュ~と美味しそうな音を発てながら、
湯気を上げている料理が乗せられていた。
「おお~!こりゃ美味そうですね!」
「美味そうっす!」
「ああ、これがまた堪らなく美味いんだよ!」
「冷めると肉が硬くなりますから、
温かい内に、お召し上がり下さいませ、
それから、こちらのカリカリに焼いたパンに、
肉汁を吸わせてから、お召し上がりになられると、
より一層、お楽しみ頂けるかと思われます。」
「分かりました。」
「了解っす!」
「とっとと食おうぜ!」
「では、ごゆっくりと、お楽しみ下さいませ」
「「「いただきま~す!」」」
「う・ま・い・ぞ~!
もっとコッテリ系かと思ったら、
レモングラスみたいな香草の香りがしてサッパリしていて、
それがまた野趣溢れるグレートラビッツの肉にマッチしてて、
ちょ~美味いですね」
「美味いっす~!美味いっす~!」
「だろ!だろ!」
「この、カリカリに焼いたパンも、
肉汁を吸わせて、しんなりさせると絶妙な食感になりますね」
「少し硬めなんでアゴが疲れるけど、
止められない止まらないっす!」
「ハハハ、ウィルのアゴはヤワだな、
俺には、ちょうど良い硬さだぜ」
「この、コーンポタージュ・スープも美味しいですね」
「美味いっす!」
「コーン?
こりゃ、ウチの畑で採れるポップの実で作ったスープだぜ」
(ヤバイ、こっちではコーンて呼ばないのか、
ボロが出ないうちに、話を変えて誤魔化すかな)
「ああ、この辺ではポップって言うんですか、
俺の村では、コーンて呼んでたんですよ、
それからドボルさん、そろそろ食べ終わりますけど、
何かお薦めのデザートってありますか?」
「そうだな~、最近、俺がハマってるのは、
マッドパイソンの乳に、酸味を加えて固めた
『ミルキット』かな」
「へ~、それは美味しそうですね」
(チーズケーキみたいなもんかな・・・?)
「そろそろ、ウィルも食べ終わるみたいだし、
注文してみるか?」
「ええ、そうしましょう。
ウィルも、デザートまで入るか?」
「はい、全然オッケ~っす!」
「しかし、俺達の料理よりは小さめにして貰ってるとは言え、
よく、その小さな体に、あれだけの量が納まるよな」
「妖精界では『空間魔法使いのウィル』って呼ばれてるっす!」
「ハハハ、ホント空間魔法でも使ってるみたいだよな」
「デザートは、如何なさいますか?」
3人が、料理を食べ終えるのを見計らって、
アンラックが聞きに来た。
「ああ、俺は『ミルキット』っていうのを、お願いするけど、
ドボルさんも、ウィルも同じで良いかな?」
「ああ、俺は良いぜ」
「自分も、良いっす!」
「畏まりました。
では、『ミルキット』を3人前、お持ち致しますね」
「はい、お願いします。」
3人は、締めのデザートに舌鼓を打って、
大いに、その味と満腹感に満足をしてから、
明日の予定を確認して別れた。




