状況報告
「じゃあ、この部屋に入ってくれるかしら」
「失礼します。」
「しゃ~っす!」
ロックとウィルは、モモエに促されて、
冒険者ギルドの会議室に案内された。
「で、私に見せたい物って言うのは、なんなの?」
「はい、これなんですけど・・・」
ロックは、アイテムボックスから、
バフンキノコを取り出すと、会議室の机の上に乗せる、
僅かな間であったが、ロック特製の、
自動解体機能と品質向上機能付きのアイテムボックスに、
入れられていたので、ボタンボアが齧った跡は消えていた。
「えっ!?これって、
もしかして、バフンキノコなの?」
「このキノコの事を、ご存じでしたか、
流石、モモエさんですね」
「流石っす!」
「ええ、偶に高級レストランや上級貴族の方からの、
採取依頼が冒険者ギルドに出されますからね、
食べた事は無くても、形ぐらいなら知ってるわよ」
「そうなんですか」
「でも、これ程に見事な品質の物は、
なかなか見付からないから、
オークションに出したら、ロック君達は大儲け出来るわね」
「まあ、それ程、お金には困っていないんで、
これは、『ジゴクノカマ亭』の食堂で、
料理にして貰おうかと考えていますが」
「ゴチっす!ロック先輩、ゴチっす!」
「マジなの!?」
「ええ、マジです。」
「何て、もったいない・・・
でも、それを聞いたら、是が非にも食べに行かなくちゃね」
「ええ、ミューニャーさん達にも、
お声掛けをして、お出で下さい。」
「ありがとう、分かったわ、
でも、ホントに貴重な食材なのよ、
私達としては、食べられる機会を提供して貰えて嬉しいんだけど、
冒険者ギルドとしては、『売りに出して欲しかった。』というのが、
本音の所ね・・・」
「ええ、そこで、ここからの話が本題なんですが、
まずは、これらを見て頂けますか」
ロックは、アイテムボックスから、
最初に出した物と比べても、品質的に見て、
全く遜色無いバフンキノコを5つ取り出して、
最初の物と並べて置いた。
「え?え?え~っ!?
これって、全部バフンキノコなの!?」
「ええ、どうやら、街から近くの森で異常繁殖してるらしくて、
ボタンボア共が食い散らかしてました。」
「大発見じゃないの!
こうしちゃ居られないわ、街の冒険者のみんなに、
緊急採取依頼を出さなくちゃ!」
「ええ、ボタンボアに余り荒らされない内に、
確保した方が良いですね、
目印としましては、ボタンボアが地面を掘り返している場所が、
バフンキノコの埋まっている可能性が高いですね、
後は、バフンキノコに気を取られて、
他の魔獣に襲われない様に注意するぐらいかな」
「ええ、この街の冒険者は新人ばかりだから、
実力に応じて2~3パーティーで向かう様に指示して置くわ、
貴重な情報提供をしてくれて、ありがとうねロック君、ウィル君、
じゃあ、後は手配を急がなきゃならないから、
私は行くわね」
「分かりました。」
「しゃ~っす!」
モモエは、急いで会議室を飛び出そうとして、
ふと立ち止まると、ロック達に振り返って聞いて来た。
「でも、教えちゃっても良かったの?
ロック君達が独占出来たのに・・・」
「さっきも言ったじゃないですか、
それ程、お金には困っていないんで、
街の、みんなと利益を分け合おうかと思いまして」
「それは、とても良い心掛けね、
分かったわ、冒険者の皆には、
ロック君達からの情報提供のお蔭だから、
感謝する様にって宣伝しておくわね」
「ハハハ、ありがとう御座います。
俺達も、クエスト完了手続きと素材を納品したら帰ります。」
「分かったわ、お疲れ様ね」
「はい、お疲れ様です。」
「しゃ~っす!」
ロックとウィルは、グレートラビッツとボタンボアの肉に加えて、
バフンキノコを2個ギルドに納めると、
受付カウンターでクエスト完了の手続きをして貰った。
毛皮の方は、狩った際の傷や、血の汚れが付いていたので、
暫くの間、アイテムボックスの中で品質を向上させてから、
売りに出すか、マントなどに加工する事にしようと、
ウィルと話し合って決めていた。
「はい、今回のクエスト完了を確認しました。
それにより、ポイントが加算されましたので、
ギルドランクがE級に上がりました。おめでとう御座います。」
「えっ!?まだ俺って、E級に上がる程の、
ポイントが溜って無いですよね」
「ええ、クエスト完了のポイントに加えまして、
貴重な情報提供による、ギルドへの貢献が高く評価されまして、
ポイントが加算されたんですよ」
「へ~、そんなのも、あるんですね、
分かりました。ありがとう御座います。」
「はい、後は報酬の方ですが、
グレートラビッツが1匹5000ギルで2万ギル、
ボタンボアが1匹1万ギルで4万ギル、の合計6万ギルとなります。
あと、クエストとは別に納められた高級食材の方は、
王都で行われますオークションへの出品とさせて頂きますので、
その結果を待っての支払いとなります。」
「分かりました。お願いします。」




