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ギガンテスのスター  作者: シュウ
51/252

コンプレッサー

唐突(とうとつ)な、仲間の死に驚(おどろ)いたグレートラビッツ達が、

ようやく我(われ)に返ったのは、

腰のショートソードを鞘(さや)から抜き放(はな)ったロックが、

5メートル程の距離まで走り寄った頃(ころ)であった。


「「「「「キィィィィイ!」」」」」

ロックの接近(せっきん)に気付(きづ)いたグレートラビッツ達は、

すぐさま迎撃態勢(げいげきたいせい)に移(うつ)ろうとするが、

完全に隙(すき)を突(つ)かれた為(ため)に、

組織(そしき)立った動きを取る事は適(かな)わず、

バラバラにロックに向かって来るのみであった。


「はあっ!」「せいっ!」

ロックは、まず先行(せんこう)していた2匹を、

すれ違(ちが)いざまに切り伏(ふ)せると、

自分たちの敵(かな)わぬ相手と見て取ったのか、

逃亡(とうぼう)の体勢(たいせい)に入った3匹に向けて、指を向けた。

『ブリッツ!』×3

ロックに後ろを見せていた

3匹のグレートラビッツの後頭部(こうとうぶ)が弾(はじ)けて、

ドウッ!と地面に倒(たお)れ込(こ)んだ。


「流石(さすが)っすね!ロック先輩」

ロックの攻撃の邪魔(じゃま)にならない様(よう)に、

後方で控(ひか)えていたウィルが、

戦闘の終了を見て取って近づいて来た。


「ウィルの魔法だって、大したもんだよ」


「いやいや、自分なんてマダマダっす!」


「ハハハ、そう謙遜(けんそん)するなよ、

今、準備(じゅんび)をするから獲物(えもの)の血抜きを、

お願いしても良いか?」

ロックは、土魔法で土を盛り上げて作業台を作ると、

その上に、獲物を並べていって首を切り落として行った。


「お安い御用(ごよう)っす!」

ウィルは、水魔法を使って、

グレートラビッツの血流(けつりゅう)に干渉(かんしょう)すると、

切り落とされた首から、体外へと排出(はいしゅつ)させて行く


「サンキュウ」

ロックは、ウィルが処理(しょり)を終えたものから、

次々にアイテムボックスへと収納(しゅうのう)して行く、

後は、特別製(とくべつせい)のアイテムボックスの中で、

肉が最高級品に変わるのを待つのみである


「ロック先輩の、『ロックバレット』って変わってるっすね、

自分は、飛んで行く岩球(いわだま)が全然(ぜんぜん)見えなかったっすよ」

作業を終えたウィルが、そう話し掛けた。


「ああ、あれは『ロックバレット』を改良(かいりょう)して造った

俺のオリジナル魔法の『ブリッツ』っていうんだよ、

この岩弾(いわだま)を高速で飛ばしているんだ。」

そう言って、掌(てのひら)を上にして突き出したロックの手には、

直径1センチ、長さ3センチ程で、なだらかな円錐形(えんすいけい)をした

岩の弾が乗せられていた。


「マジで、これっすか?

こんなに小さくて軽いのに、あんな威力(いりょく)が出るんっすか?」

ウィルは、ロックの掌(てのひら)から、

岩弾を抱(かか)え上げながら尋(たず)ねた。


「ああ、小さくて軽いもんでも、

力を乗せて飛ばせば、それなりの威力になるんだよ、

造り出す岩球が小さい分、

『ロックバレット』と比(くら)べても魔力の節約(せつやく)になるしな、

いいか、あそこに大きな石があるだろ、

あれに、それと同じ岩弾を投げるから見てろよ」

ロックは、ウィルが抱(かか)えている岩弾と同じ物を2つ造ると、

まずは、軽く投げてみる、

すると、岩弾は石の表面に当たると砕(くだ)けて散(ち)った。

「次は、投擲(とうてき)スキルを使って、

この岩弾に力と横回転を与(あた)えて投げてみるぞ・・・ハッ!」

ロックが、気合と共に放(はな)つと、

パン!と乾(かわ)いた音を発(た)てて、

岩弾と共に、石の表面が穿(うが)たれて砕け散った。


「おおっ!凄(すご)いっすね、

横回転を与えるのには、どんな意味があるんっすか?」


「ああ、俺も詳(くわ)しい事は分からないんだけど、

そうすると、途中(とちゅう)で曲がらないで、

真(ま)っ直(す)ぐ飛んでくらしいんだよ」


「へ~、そうなんすか、

俺の水魔法にも、何か応用(おうよう)が出来るっすかね?」


「『ウォーターショット』とかの精度(せいど)が上がるんじゃないか?」


「でも、『ウォーターショット』じゃ、威力が弱いっすからね」


「それなんだけどさ、

『変形』×2、『硬化(こうか)』×2っと、

これって、何か分かるか?」

ロックは、土魔法で造った物をウィルに見せる


「水鉄砲(みずでっぽう)っすか?

それも、同じ物が2つっすね」


「ああ、だが厳密(げんみつ)には、

ちょっと違うんだよ、

ほら、先っちょを見てみな」


「ああ、先に開いてる穴の大きさが、

少し違うっすね」


「そうだ、じゃあ両方に水を入れてみてくれるか」


「了解っす!

『ウォーター』×2っと、オッケ~っす!」


「おう、サンキュ、

じゃあ、順番に水を飛ばして見せるから、

良く見てるんだぞ、

最初は穴が大きい方で・・・よっ!

次は、穴が小さい方だ・・・よっ!

どうだ?何か分かったか?」


「穴が小さい方が、強く遠くに飛ぶっすね」


「そうだ、穴が小さい水鉄砲の方が、

筒(つつ)の中の水に掛(か)かる圧力(あつりょく)が大きいから、

強い水流が生まれたんだ、

どうだ?俺がウィルに言いたい事が分かったか?」


「つまり、『ウォーターショット』でも、

強い力で押し出す様にすれば、威力が出るって事っすか?」


「そうだ、俺はウィルの水魔法の腕前(うでまえ)なら、

『ウォーターショット』で、鉄が切れるんじゃないかと思うぞ」


「マジっすか!?」

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