表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギガンテスのスター  作者: シュウ
51/252

コンプレッサー

唐突とうとつな、仲間の死におどろいたグレートラビッツ達が、

ようやくわれに返ったのは、

腰のショートソードをさやから抜きはなったロックが、

5メートル程の距離まで走り寄ったころであった。


「「「「「キィィィィイ!」」」」」

ロックの接近せっきん気付きづいたグレートラビッツ達は、

すぐさま迎撃態勢げいげきたいせいうつろうとするが、

完全にすきかれたために、

組織そしき立った動きを取る事はかなわず、

バラバラにロックに向かって来るのみであった。


「はあっ!」「せいっ!」

ロックは、まず先行せんこうしていた2匹を、

すれちがいざまに切りせると、

自分たちのかなわぬ相手と見て取ったのか、

逃亡とうぼう体勢たいせいに入った3匹に向けて、指を向けた。

『ブリッツ!』×3

ロックに後ろを見せていた

3匹のグレートラビッツの後頭部こうとうぶはじけて、

ドウッ!と地面にたおんだ。


流石さすがっすね!ロック先輩」

ロックの攻撃の邪魔じゃまにならないように、

後方でひかえていたウィルが、

戦闘の終了を見て取って近づいて来た。


「ウィルの魔法だって、大したもんだよ」


「いやいや、自分なんてマダマダっす!」


「ハハハ、そう謙遜けんそんするなよ、

今、準備じゅんびをするから獲物えものの血抜きを、

お願いしても良いか?」

ロックは、土魔法で土を盛り上げて作業台を作ると、

その上に、獲物を並べていって首を切り落として行った。


「お安い御用ごようっす!」

ウィルは、水魔法を使って、

グレートラビッツの血流けつりゅう干渉かんしょうすると、

切り落とされた首から、体外へと排出はいしゅつさせて行く


「サンキュウ」

ロックは、ウィルが処理しょりを終えたものから、

次々にアイテムボックスへと収納しゅうのうして行く、

後は、特別製とくべつせいのアイテムボックスの中で、

肉が最高級品に変わるのを待つのみである


「ロック先輩の、『ロックバレット』って変わってるっすね、

自分は、飛んで行く岩球いわだま全然ぜんぜん見えなかったっすよ」

作業を終えたウィルが、そう話し掛けた。


「ああ、あれは『ロックバレット』を改良かいりょうして造った

俺のオリジナル魔法の『ブリッツ』っていうんだよ、

この岩弾いわだまを高速で飛ばしているんだ。」

そう言って、てのひらを上にして突き出したロックの手には、

直径1センチ、長さ3センチ程で、なだらかな円錐形えんすいけいをした

岩の弾が乗せられていた。


「マジで、これっすか?

こんなに小さくて軽いのに、あんな威力いりょくが出るんっすか?」

ウィルは、ロックのてのひらから、

岩弾をかかえ上げながらたずねた。


「ああ、小さくて軽いもんでも、

力を乗せて飛ばせば、それなりの威力になるんだよ、

造り出す岩球が小さい分、

『ロックバレット』とくらべても魔力の節約せつやくになるしな、

いいか、あそこに大きな石があるだろ、

あれに、それと同じ岩弾を投げるから見てろよ」

ロックは、ウィルがかかえている岩弾と同じ物を2つ造ると、

まずは、軽く投げてみる、

すると、岩弾は石の表面に当たるとくだけてった。

「次は、投擲とうてきスキルを使って、

この岩弾に力と横回転をあたえて投げてみるぞ・・・ハッ!」

ロックが、気合と共にはなつと、

パン!とかわいた音をてて、

岩弾と共に、石の表面が穿うがたれて砕け散った。


「おおっ!すごいっすね、

横回転を与えるのには、どんな意味があるんっすか?」


「ああ、俺もくわしい事は分からないんだけど、

そうすると、途中とちゅうで曲がらないで、

ぐ飛んでくらしいんだよ」


「へ~、そうなんすか、

俺の水魔法にも、何か応用おうようが出来るっすかね?」


「『ウォーターショット』とかの精度せいどが上がるんじゃないか?」


「でも、『ウォーターショット』じゃ、威力が弱いっすからね」


「それなんだけどさ、

『変形』×2、『硬化こうか』×2っと、

これって、何か分かるか?」

ロックは、土魔法で造った物をウィルに見せる


水鉄砲みずでっぽうっすか?

それも、同じ物が2つっすね」


「ああ、だが厳密げんみつには、

ちょっと違うんだよ、

ほら、先っちょを見てみな」


「ああ、先に開いてる穴の大きさが、

少し違うっすね」


「そうだ、じゃあ両方に水を入れてみてくれるか」


「了解っす!

『ウォーター』×2っと、オッケ~っす!」


「おう、サンキュ、

じゃあ、順番に水を飛ばして見せるから、

良く見てるんだぞ、

最初は穴が大きい方で・・・よっ!

次は、穴が小さい方だ・・・よっ!

どうだ?何か分かったか?」


「穴が小さい方が、強く遠くに飛ぶっすね」


「そうだ、穴が小さい水鉄砲の方が、

つつの中の水にかる圧力あつりょくが大きいから、

強い水流が生まれたんだ、

どうだ?俺がウィルに言いたい事が分かったか?」


「つまり、『ウォーターショット』でも、

強い力で押し出す様にすれば、威力が出るって事っすか?」


「そうだ、俺はウィルの水魔法の腕前うでまえなら、

『ウォーターショット』で、鉄が切れるんじゃないかと思うぞ」


「マジっすか!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ