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ギガンテスのスター  作者: シュウ
41/252

仲間

『おや、そこに居るのはウィルかい?

うん?もしかしてとなりられるのは、

お客さんなのかね~』

水妖精王がたずねて来た。


「そうっす、自分はウィルっす、水精霊王様

そして、自分の隣にいらっしゃるのが、

人族のロック先輩っす。」

「始めまして、水精霊王様

俺は、ヒデブの街で冒険者をしているロックと申します。

宜しくお願いします。」


『おやおや、人族が、

ここをおとずれるとはめずしいね、

およそ、1000年振りには、なるだろうね~、

良く、洞窟どうくつの入り口の結界けっかいを越えられたもんさね』


「そうっすよね、自分もそれが不思議だったんすよ」

「結界ですか?

俺、普通に土魔法で岩に穴を開けて入って来ましたけど」


『土魔法でだって?

そう簡単には、やぶれる結界じゃ無いんだけどね~

うん?お前さん、もしかして越界人えっかいびとかえ?』


「えっ!?マジっすか水妖精王様!?」

「その越界人っていうのは、何なんでしょうか?」


『1000年前に、この地をおとずれた人族もそうだったんだが、

越界人っていうのは、体ごととか、たましいのみとか、

色んなパターンは、あるものの、

簡単かんたんに言えば、他の世界から、

こちらの世界へと越えて来た者の事さね』


「そうなんですか、

でも、何で水妖精王様は、

俺が、その越界人だと思ったんですか?」


『それは、越界人の中に、

まれに結界がかない者が現われるからさね、

世界間を越えるという事は、体や魂に、

ものすご負荷ふかかるんだよ、

だから、他の世界から来た者の中には、

自然と、最高の『結界破り』が見に付く者が居るのさ』


「そりゃ、凄いっすね!」

「スキルとしての『結界破り』とかも、

あるのではないのですか?」


『そりゃ、あるにはあるが、

ここの結界を破れる程の、上級スキルを見に付けるには、

そなたの年齢じゃ短すぎるのさね』


(こりゃ、下手へた誤魔化ごまかすよりは、

素直すなおに話した方が良いかな・・・)

「水精霊王様が、ご推察すいさつの通りに、

俺は越界人ですね、向こうの世界で命を落としたら、

こっちで生まれ変わりました。」


「えっ!?マジなんすかロック先輩!?」


『やはり、そうなのかえ、

何か警戒けいかいをしている様だが、そう気にする事は無いぞぇ、

基本的に、妖精族は人類には不干渉ふかんしょうだからねぇ、

私らに知られたところで、それが他にれる事は、

まず無いと考えて良いぞぇ、

お前も分かってるだろうねぇ、ウィル』


「たりまえっすよ~、自分がロック先輩に迷惑掛めいわくかけるなんて、

マジありえないっす!」

「そうなんですか、それをお聞きして安心しました。

人類は、異端者いたんしゃに対してきびしいですからね、

越界人なんてバレたら、一生牢獄いっしょうろうごく投獄とうごくされかねませんからね」


『そうさね~、人類はこわがりが多いからねぇ、

自分らとちがう者には、本能的ほんのうてき恐怖きょうふおぼえるのさ』


「そうなんでしょうね」

「何でなんすかね~、人類皆兄弟っすよね」


『それで、ロックとやら、

そなたは、この地に何の用があっておもむいたのかえ?』


「はい、ここをおとずれたのは、

水脈すいみゃく辿たどっていて偶然ぐうぜん訪れたのですが、

用向ようむきとすれば、薬草を探してりました。」


『そうかぇ、では、

ここの薬草を自由に採取さいしゅしても良いから、

この場所の事は秘密にしておいて、おくれでないかねぇ』


「はい、俺の方は、

それで助かりますが、

水妖精王様の、お力ならば、

俺を強制的きょうせいてきだまらせる事も、

出来るのでは無いでしょうか?」


『どうかねぇ、越界人には特別な力を持つ者が多いからねぇ、

そなたを見た目で判断すると、

痛い目を見るのは、私かも知れないしねぇ、

余計よけい危険きけんおかすよりかは、

仲良くして置いた方が良いと思ってねぇ』


「でも、俺が誰かに話してしまうかも、

とは考え無いんですか?」


『それに関しては、然程さほど心配はしていないねぇ、

そなたが、素直に越界人と認めた事からも、

正直な者だと分かるからね、

話さないと約束したら、そなたは話さないだろうねぇ』


「そうっすよね、自分もロック先輩はい人だと思うっす」

「ハハハ、俺は、それ程、

善人ぜんにんというわけではありませんが、

その、ご期待きたい裏切うらぎらない様にします。」


『では、おたがいの友好のあかしとして、

そのウィルを、一緒に連れて行っておくれでないかぇ?

こう見えて、人族よりは水魔法が使えるから、

冒険者の相棒あいぼうとしては優秀ゆうしゅうだと思うぞぇ、

もともと、ウチの一族では、

若い妖精に、外の世界というものを知らしめるための、

旅をさせるから丁度ちょうど良いのさね』


「マジっすか!?水妖精王様

ロック先輩しゃ~っす!自分、仕事するっすよ!」

「はあ、

まあ、俺は一人で行動してるんで、

それは、構いませんが、

ウィルが良いっていうなら、一緒に行くとしようか」


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