再会
「あっ!」
胸焼けを解消する為に、
キャベヅン茶を、チビチビと飲んでいたロックが、
何の気なしに、食堂の入り口を見ていると、
見た事がある人物らが入って来た。
ロックの声に釣られて、
入り口を見た兄レックが、
「ああ、やっと帰って来たな」と言った。
(げっ!レック兄ィの仲間って、
あいつらなのか?)
ロックの考えを肯定するが如く、
その人物らが、レックを見付けてやってきた。
「おおレック、居てくれたか、
ちょっと、お願いが・・・げげっ!お前は!?」
その人物は、レックと同じ席に着いている、
ロックの顔を見ると驚きの声を上げる
「ロック、こいつらの事を知ってるのか?」
「うん、3バカだよね」
食堂の入り口から、入ってきたのは、
ロックに街で絡んで来て、
返り討ちに遭った3人組みであった。
「こぉら~!誰が3バカだ!
俺達には、ちゃんとした名前があるって言うんだよ!
俺は、ワレラだ!」
「俺は、サンバだ!」
「俺は、カーディスだ!」
「ワレラ、3バカ、デス?」
「「「3人一緒に、呼ぶんじゃねぇ!」」」
「お前ら、仲良しだな」
レックが、感心した様に言う
「誰が、仲良しだ!
おいレック、このルーキーは、
お前の知り合いなのか?」
「ああ、前に話した事がある、
俺の弟だよ」
「こいつが、レックの弟だって?
お前より大きいじゃねぇかよ」
「ああ、こいつは、
俺や、ルック兄ィよりデカいんだよ」
「背丈だけじゃ無くて、
態度もデカい弟だよな、
俺らが、先輩冒険者として指導してやろうかと思ったら、
生意気にも、歯向かって来やがったぞ」
「お前ら、ロックとやりあったのかよ?
ケンカは、相手を見て売れって言ってるだろ」
「こいつが、そんなに強いっていうのかよ?」
「ああ、ロックは、
ウチの兄弟で最強だぜ」
「兄弟で最強って、
もしかして、ラックさんなんかも含めてなのか?」
ロックの兄で、長男のラックは、
B級冒険者パーティー『暁の戦士』で、
そして、次男のリックは、
C級冒険者パーティー『ケモ耳守り隊』にて、
それぞれ、活躍していた。
ちなみに、新人冒険者はG級より始まって、
C級となると、一目置かれる様になる
「ああ、まだルーキーだから、
駆け引きなんかでは及ばないけど、
単純に戦闘力で言えば、兄貴達よりも上だな」
「そうか・・・ラックさん達より強いのか・・・
おい、お前!今日のところは大目に見てやるが、
もし今度、会った時には、
先輩を敬う事を忘れるんじゃねぇぞ!
それとレック、
『弟を、暫くパーティーに入れたい』とか言ってたが、
俺達は、俺達より強いルーキーを入れるのは、
お断りだ!」
「そうだそうだ!」
「こんな強いルーキーじゃ、
先輩風が吹かせられないだろ!」
「え~、お前ら良いって言ってたじゃん」
「ルーキーが、こんなに強いとは思わないだろ普通
じゃあ、俺達は鬱憤晴らしに飲みに出るから、
これで、失礼するぜ、じゃあな!」
「弟には、他を当たらせろよ」
「一昨日、お出で下さい」
3人組は、そう告げると、
食堂から、出て行ってしまった。
「う~ん、困ったな~、
あいつらとは、この街にルーキーで来た頃からの、
腐れ縁でパーティーを組んでるんだけど、
ハッキリ言って、俺が抜けたら危ないんだよなぁ」
「レック兄ィ、俺だったら、
ジョセフさんから、ソロでの狩りとかも教わってるから、
暫くは、一人でも大丈夫だよ、
徐々に実力を付けてから、
自分でパーティー仲間を探すよ」
「そうか?
まあ、ジョセフさんに教わったなら大丈夫だとは思うが、
余り無理なクエストは受けるんじゃないぞ」
「うん、簡単なものから、
コツコツとやってく様にするよ」
「そうか、何か困った事があったら、
俺に言うんだぞ」
「分かったよ、レック兄ィ」
ロックは、この宿に泊まれというレックに、
一緒の宿だと、ワレラ達と顔を合わせる事による、
トラブルが発生する恐れがあるから、
他を探すと告げると、宿を後にした。




