パーティーの今後
「私も御領主様が仰る様に、
黙って英雄認定を受けた方が良いと思うわよ」
「モモカの意見に私も賛成だな」
「そうですね、国王様を怒らせて良い事なんて一つもありませんよね」
「ロックさまが死刑になったらファニーやだな~」
「やっぱり、みんなもドボルさんと同じ意見か・・・」
「まあ、ロック先輩の安全を考えれば、そうなるっすよね」
ドボルへの報告を終えたロックとウィルは、ドボルの元にハニタロウを残し、
その足で冒険者ギルドの臨時出張所に詰めていた
ギルド職員のモモカの元をクエスト完了報告の為に訪れて、
先行していたアンジェラらとの合流を果たした。
「いや~しかし、ロック君達の実力なら何時かは大物になると思っていたけど、
まさか、こんなにも早く『英雄』にまで上り詰めるとはね~
流石に予測が付かなかったわ」
「パーティーで一緒に行動していた私らとすれば、
それ程、不思議では無いんだがな」
「そうですね、ロック様とウィル君の実力なら相応しいと思います。」
「2人とも、もの凄く強いもんね~」
「でも、まだザドス国王様が英雄認定を各国の国王様に打診したってだけで、
認定が認められるかは分からないんですよね?」
「まさかの却下ってのも、ありえるんっすか?」
「まず認められるでしょうね、
マッスル王国のライ国王陛下は、ザドス国王陛下イカヅチ様の実の御父上だし、
アルビナ王国、コウガ王国、ラメール国の各国王様方も身内みたいなものらしいから、
それに、残ったルクシア共和国だって商業王国って呼ばれるぐらいなんだから、
下手に反対なんかして商売相手の各国を怒らせたりはしないでしょ?
ほぼ確実に、ロック君達の英雄認定は全会一致で可決されると思うわよ」
「ロックが英雄に認定されたとなると、
多分、国からの褒賞として貴族位が与えられるんじゃないか?」
「うわ~!もし、そうなれたら、
いよいよ、ロック様が御念願だった騎士にも成れるかも知れませんね!」
「ロック様、えらくなってもファニー達の事を忘れないでね~」
「ほぼ確実に、認定されるってマジすか!?
でも、もし本当に、そうなったとしたら、
同じパーティーの仲間として後方支援に当たって居てくれた
アンジェラさん達へのご褒美もお願いしなきゃならないですね」
「当然の報酬っすね」
「その辺は大丈夫だと思うわよ、
アンジェラ達は今回、ロック君のパーティーメンバーとして、
冒険者ギルドのクエストで活動していたんだし、
国は元より、冒険者ギルドからも金一封ぐらいのご褒美は出ると思うわ」
「そうかい?もし、私達にも褒美が出たら、
ロックも騎士に成って、冒険者を引退となるだろう事だし、
今まで溜めた金と合わせて、私も何か商売でも始めるかね?」
「冒険者を辞めたアンジェラさんって、ちょっと想像が付きませんが、
もし、そうなったら私達と一緒に王都に帰りませんか?」
「ファニーも、アンジェラさんと一緒がいいな~」
「まだ、俺が英雄に成るって決まった訳じゃ無いのに、
みんな、随分と気が早い話をしてるな、
今後の事なんて、本当に決まってから考えても良いと思うぞ」
「自分は、どこまでもロック先輩に付いて行くっす!」




