そうです。私が変な冒険者です。
「ドボルさん、ただ今戻りました。」
「ちゃ~っす!」
「ドボル、ただ今だハニ!」
魔王の卵を内包したダンジョン攻略の報告をするため、
ハバラの街へと戻ったロック一行は、まずは領主のドボルの館へと訪れた。
「お~う!英雄様御一行の御帰還って訳だな、
ロック、ウィル、ハニタロウ、本当に良くやってくれたな!」
「それなんですけど、まだ昨日の今日の事なのに、
俺達がダンジョンを攻略したって結果を知らせる飛龍便が、
ドボルさんの所に、大領主のホゲラムーチョ伯爵様から齎されたって聞いたんですが、
伯爵様は、どうやって知られたんでしょうね?」
ドボルの館へと向かう最中も、
街の住人達や冒険者らに『英雄様!』『英雄殿!』と声を掛けられながら来たロックが、
不思議そうな表情を浮かべながらドボルに尋ねる
「ああ、それか、
それも飛龍便に書いてあったんだが、
何でも今朝早く、各国の国王様の元へと魔族の代表を名乗る者から、
音声と映像を記録した魔導具が届けられたらしいんだ、
その魔導具には、ロック達がダンジョンコアや魔王の角を回収する姿が収められてて、
『見事、魔王の卵の破壊と、ダンジョン攻略を成し遂げた彼らは、
敵ながら天晴れ!』的なコメントが添えられていたそうだぞ」
「チョウナーンのヤツ、やりやがったな!」
「自称、事務系仕事向きって言うだけあって仕事が早いっすね」
「素早く立ち去ったと見せかけて、そんな映像を撮影していたんだハニ」
「うん?そりゃ、どういう事なんだ?」
「実は・・・」
ロック達は、ドボルに今回のダンジョン攻略の真実の姿を語り聞かせた。
「なる程な、ロック達は体よく、
そのチョウナーンとかいう魔族に、
魔王の卵を破壊してしまった責任を押し付けられたって訳か・・・」
「ええ、そうなんですよ、
そこでなんですけど、ドボルさんの方から伯爵様の方へとお話をして頂いて、
国王様に、俺達が魔王の卵を破壊したのは間違いだったって事を、
何とか伝えて頂く訳には行かないですかね?」
「そりゃ絶対に無理だな」
「えっ!?何でですか?」
「ロックも知ってると思うが、
我がザドス王国は、古くは傭兵王国として、
そして、現在は優秀な冒険者を多く輩出する国として、
その腕っぷしの強さを売りにして来た国なんだが、
何故か、勇者や英雄といったものに縁が無くてな、
その所為で、歴代の国王様方は肩身の狭い思いをして来たって訳だ、
そこに来て、今回のロック達の偉業が舞い込んで来たもんだから、
国王様は大喜びで、直ぐ様、各国の王へとロック達の英雄認定を打診したそうだぞ」
「え~っと、そうすると、
今更それが間違いだったって話になったとしたら・・・」
「直接ロック達が画策したって訳じゃ無いが、
最悪、面子を潰された事に腹を立てた王様の命令でコレもんだろうな」
ドボルが、自分の首に手を当ててチョンチョンと切るマネをする
「マジっすか!?」
「それは、最悪の結末っす!」
「アイ~ンのポーズだハニ」




