ヤバいよヤバいよ~
「なる程な、そう言う事だったのか・・・」
「流石はロック様方ですね、
僅か一日で魔王のダンジョンを攻略するんですから!」
「朝起きたら、みんなが帰って来ててビックリしたよ~」
翌日となり、妻のミリアから教育的指導を受けていて、
ロック達の話が聞けなかった村長にしてロックの父マックと、
既に就寝していたカレンやファニー、
そして一部の村民を集めての第2回報告会が村の集会場で開かれていた。
昨夜、顔を合わせた時と比べて変わり果てる程に、
やつれた姿となった父マックに驚いたロックが、
母ミリアに何があったのかを尋ねたが、
「余計な元気が溢れているみたいだから搾り取ったのよ。」と、
妙にツヤツヤした顔で告げるのみであった。
「ダンジョンも時機に消えるという話だから、
取り敢えずは村の危機が去ったと考えても良い様だな」
「そうですね」
「よかったね~」
村長の安全宣言に村の者達もホッとした表情を浮かべて居た。
「でも最近、村の周辺に増えて来たっていう魔獣は、
あのダンジョンとは直接関係無いみたいだから、
その辺の警戒は必要だよ思うよ」
「そうっすね、魔獣が増えて来たのは、
多分、この辺の空気中の魔素が増えて来たからっすね」
「あのダンジョンも、いくらか魔素を吸収していたと思うハニから、
今後、もっと魔獣が増えてくる可能性も考えられるハニ」
「ああ、今のところ村の近辺では、
それ程強い魔獣が見掛けられた事が無いから、
俺達で討伐したり追い払ったりする事が可能だが、
強い魔獣が出て来たら、冒険者ギルドに依頼するっていうのも考えねばならんな」
「そう言えば、ここに来る時にハバラの街に寄ったんだけど、
近々、冒険者ギルドの支店が出来るって言ってたよ」
「今回の、ダンジョン攻略クエストに合わせて、
開店を前倒しにするって言ってたっすね」
「依頼を出すのに便利になるハニ」
「おお!そりゃ助かるな、大きな街まで何日も掛けて依頼に行き、
冒険者たちを連れて村に戻ったら、
既に壊滅してたなんて話も聞いた事があるからな」
「へ~、そんな怖い話があるんだ・・・
そう言えば、この辺って、どんな魔獣が出て来るの?」
「グレートラビッツあたりっすかね?」
「きっと、マッドボアとかだハニ!」
「いや、この辺の魔獣は他では見られない固有種が多くて、
主に『ウルフルーズ』とか『ユウコリンクス』や『マウンテンアッコ』だな」
「確かに聞いた事が無い魔獣ばかりだね、
その中で一番強い魔獣はどれなの?」
「断トツで『マウンテンアッコ』だな、
あの大きな掌でバシバシ叩かれたら人間なんて一溜りも無いからな、
もし局で見掛けたら視線に入らない様にして遣り過ごすのが、
この業界で生き残る手段だな」
「局とか業界とか、よく分からない言葉が出て来たけど、
その怖さは十分に理解出来たよ」
「業界最恐生物っすね」
「僕も、絶対に酒を与えてはいけないと聞いた事があるハニ」




