電球とLEDの法則
「それで、あの『闇の魔素』を色濃く含んだ
やたらと強い魔力は何だったんだい?」
ダンジョン攻略の状況を一通り聞き終えたアンジェラが、
ロックに尋ねる
「ああ、あれだったらコレとコレの所為ですね」
ロックが、アイテムボックスから『ダンジョンコア』と『魔王の角』を取り出し、
皆へと見せながら、そう告げた。
「話の流れからして、その大きな黒い宝石みたいのがダンジョンコアなんだろうけど、
もう一つの魔獣の角みたいのは何なんだい?」
「これは、魔王の角なんですよ、
ハニタロウが素材として売れるって言ってたん回収して来たんです。」
「冒険者は素材を持ち帰ってナンボっすからね!」
「多分、高く売れると思うハニ!」
「それが、魔王の角だって!?
私も長い事、冒険者をやってるけど実物を見たのは初めてだね、
ハニタロウが言う様に、多分とんでもない値段で売れると思うよ」
「アンジェラさんも御存じ何ですか?」
「ハニタロウの意見を聞いて大正解っす!」
「僕の見立てに間違いは無いハニ」
「ああ、確か『完全回復薬』の原料になる筈だよ」
「それって、万能薬とは別物なんですか?」
「EDの回復にも効果があるとかっすかね?」
「きっとビンビンになるハニ!」
「如何なる状態異常も回復するとことか、
身体の負傷などによる欠損部分の復旧が出来るとことかの、
効能については、ほぼ同じなんだけど、
万能薬が、専用の保管庫とかアイテムボックスなんかに入れとかないと、
大体1年ぐらいで効果がガタ落ちするのに対して、
完全回復薬は10年以上も品質が変わらないらしいよ」
「へ~、そりゃ凄いですね」
「儲け話のスメルがプンプンするっす!」
「他の薬品に、粉末にした角を混ぜても保存期間が延びるってのを思い出したハニ!」
「ああ、アイテムボックスのスキルを持ってるヤツなんて、
冒険者の中でも、ほんの一握りだけだからね、
高価な万能薬の、さらに倍以上の値段がするけど、
いざって時に品質が落ちていて命取りなんて事にならないように、
完全回復薬を一つ保険で持ち歩く冒険者は多いみたいだよ」
「万能薬を毎年買い替えるって考えれば、
完全回復薬を買った方が得って考えるのかも知れませんね」
「持ってても必ず使うとは限らないもんっすからね」
「長い目で見れば得になるハニ」
「ああ、使わないで済むに越した事は無いもんだからね、
数倍程度の値段で10年以上の安心が買えるとなれば、
みんな、そっちを買い求めるって訳さ・・・」
「なる程、納得が行く話です。」
「自分も同感っす!」
「高い買い物なんだから長持ちした方が良いに決まってるハニ」




