説明集会
「しかし、さっき村長殿との会話の中で、
ダンジョンを攻略したと言っていた様だが、それは本当なのか?
何かの理由でダンジョンの中に入れなかったとか、
まさかとは思うがロック達でも敵わない様な、
とんでもない強さの魔獣が現われたとかの間違いじゃ無いよな?」
「ええ、間違い無くダンジョンを攻略して来ましたよ、
勿論、こんなに早く攻略が出来たのには理由がありますが、
ここじゃ何ですから村に入ってから説明をさせて下さい。」
「自分らはダンジョン攻略者っす!」
「もの凄いオマケも付いてるハニ!」
「それもそうだね、少ないとはいえ村の周囲にも魔獣が居るからね、
村に入って、落ち着いたところで話を聞かせて貰うとするかね」
ロック達とアンジェラや村の人々は、門を通って村の中へと入ると、
門を守る者や、防護壁の上で魔獣などの警戒に当たる数名を残して、
村の集会場に集まる事とした。
「ウィルとハニタロウも灯りを付けて回ってくれるか?」
集会場へと入ったロックが、壁の何ヶ所かに付いている灯り用の魔導具に、
自らも魔力を注ぎながら、そう言った。
「了解っす!」
「オッケーだハニ!」
ロック達が手分けして魔力を注いで行くと、
集会場の中が魔導具の柔らかい灯りで満たされたので、
アンジェラや村の人々が順番に席へと着いて行った。
「皆さん席に着かれた様なので、
俺の方からダンジョンについての説明をさせて頂きます。」
皆が席に着いたのを見計らって、
一段高くなっている演壇に上がったロックが、そう発言をした。
「自分らは補足するっす。」
「ロックと違った視点からの説明も必要かも知れないハニ。」
ロックと共に演壇に上がったウィルとハニタロウが、そう続けた。
「それでは、俺達がダンジョンの入り口に着いたところからの話を、
順を追って説明しますが・・・」
ロックが、ダンジョンに到着してから、
その最下層へと至るまでの道程を順に説明して行き、
ウィルやハニタロウが、その説明の補足や、
違った視点から気が付いた事などを追加していった。
「なる程ね、そう言う事だったのかい・・・
確かに、ダンジョンを造った魔族側の協力があれば、
やたらと早く攻略が進んだのにも納得が出来るね」
アンジェラが、そんな事もあるのかと多少飽きれた表情で告げる
「ええ、まだ魔王の卵が幼かった所為もあって、
ダンジョンが地下20階層しか無かったってのも、ありますしね」
「自分らなら楽勝だったっす!」
「地下100階層でも行けたハニ!」




