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ギガンテスのスター  作者: シュウ
222/252

枯尾花(かれおばな)

地上へと戻るために、地下20階層にあるボス部屋を出て、

しばらく歩いたところでロックが、ウィルとハニタロウに声を掛けた。

「そう言えば、来る時にあったトラップとか魔獣にわないな」


「そう言われると、そうっすね」

「ダンジョンコアを祭壇さいだんからはずしたからだハニ、

あれらのトラップや魔獣は、ダンジョンコアが『やみ魔素まそ』を使って、

造り出していたものだから消えたんだハニ」


「へ~、魔素を使って実体化させるなんて面白そうなシステムだよな、

普通の魔素でも造れる様に成れば『創造そうぞう魔法』とか出来そうだよな」


「それは何かすごそうっすね」

「それと似た様な魔法で『言葉魔法ワードマジック』とか言う魔法をつくった

大賢者と呼ばれる者が居たと聞いた事があるハニ」


「へ~、そんな凄い人が居たんだな」


「自分は初耳っす。」

「その人の弟子は、もっと凄いとかいう話だハニけど、

本当に実在じつざいするのかは眉唾物まゆつばものだハニ」


「そんな能力があったら王様とかに成れそうだもんな」


同感どうかんっす!」

「勇者とか英雄にも成れそうだハニ」


そんな事を話しながらダンジョンを戻って行くロック達であったが、

来る時とは違い、何の障害しょうがいも無くスイスイと進んだ所為せいで、

往路おうろでは7時間程掛かった道程みちのりが、

復路ふくろでは、上り坂にも関わらず2時間程でダンジョンの入り口まで戻る事が出来た。

「すっかり、日も暮れちまったな・・・どうする?

ここで夜明よあかしをして、明日の朝になったらホワタ村に戻るとするか?」


「自分らはみんな夜目やめくんだし、

とっとと村に戻った方が良いんじゃ無いっすか?」

「みんな心配してると思うハニから、

僕も、このまま戻った方が良いと思うハニ」


「そうか、ウィルとハニタロウがそう言うなら、

大してつかれてもいない事だし帰るとするか・・・」


了解りょうかいっす!」

凱旋がいせんだハニ!」




「うん? 大きな魔力を持った何かが、こっちに向かってくるな・・・」

ホワタ村の者らと共に、村をグルッと囲んでいる防護壁ぼうごへきの上で、

夜の警戒けいかいに当たっていたアンジェラがつぶやいた。


「どうかしたんですか?アンジェラさん」

アンジェラと共に、防護壁の上で警戒に当たっていた村の若者が問い掛ける


「急いで村長達を呼んで来てくれないか?

もし敵だとすると厄介やっかいそうな何かが村に向かってくるって伝えて欲しい」


「は、はい!分かりました!

急いで皆を呼んで来ます!」

若者は、アンジェラにそう返事を返すと、

防護壁から下りる階段を、転がり落ちる様にしながらけ下りて行った。


アンジェラは、そんな若者の姿を少しみを浮かべながら見送ると、

ふたたび表情を引き締めて、夜のとばりにつつまれた闇の先より感じる、

強大な魔力が近づいて来る方向を見ながら、

「こりゃ不味まずいね・・・

まだ私はった事は無いけど、

これが魔獣だとしたら間違い無くS級はあるだろうね・・・」




「どうしたんっすか?ロック先輩、

突然とつぜん、アイテムボックスからダンジョンコアなんか取り出して」

「僕も、魔王のつのを見てみたいハニ!」


「うん?もし、ダンジョン攻略者の俺達がもらえるなら、

何かに使えないかと思ってな・・・

ほれハニタロウ、これが魔王の角だぞ、もう一本あるからウィルも見てみるか?」

ロックは、ダンジョンコアを小脇こわきかかえながら、

アイテムボックスから取り出した魔王の角を、ハニタロウとウィルに手渡した。


流石さすがに魔王の角だけあって、角だけでも凄い魔力を持ってるっすね」

「だから、とても貴重きちょう素材そざいになるんだハニ」


「持ち帰って見せたら皆、吃驚びっくりするだろうな」

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