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ギガンテスのスター  作者: シュウ
221/252

形ある物は・・・

「それでは皆さん、失礼しますね」

チョウナーンが祭壇さいだんの上の台座だいざから、

魔王の卵を慎重しんちょうに下ろしながらロックらに別れを告げる


「ええ多分たぶん、もうお会いする機会きかいも無いと思いますけど、

チョウナーンさんも、どうぞお元気で、

弟さん達にもよろしくつたえて下さいね」

「失礼しやぁ~っす!」

「もう、ここへは戻ってくるんじゃ無いハニ」


「はい、弟たちにも、ちゃんと伝え・・・ハ、ハ、ハクション!」


「「「あ・・・」」」

ロック達の目の前で、チョウナーンがクシャミをした拍子ひょうしに、

しっかりとつかんでいた 

その両手から魔王の卵が、石造りの床へとすべり落ちて、

グシャリという音をててつぶれてしまったのであった。


「あの~、ソレって大丈夫だいじょうぶなんですか?

何か台湾のコンビニで売ってる、ヒヨコにけの卵で作った

ゆで卵みたいになってますけど・・・」

「映像化したら間違い無くモザイクが掛かるレベルのグロテスクさっすね」

つぶれた魔王の卵から出た『やみ魔素まそ』が、

またダンジョンコアへと戻ったハニ」


「グ」


「「「グ?」」」


「グワハハハハッ! 流石さすがは、この階層かいそうまで辿たどり着いた強者共つわものどもよ、

まさか、魔王様の御卵おたまごまで破壊はかいせしめるとはな!」


「突然、何言ってるんですか? チョウナーンさん」

あまりのショックで気がれたんじゃ無いんですかね?」

多分たぶん、僕達に責任せきにんを押し付けて逃げる心積こころづもりだハニ」


口惜くちおしいがわれの力では到底とうていの事、

その方らに太刀打たちうち出来ないゆえ、

しからば魔王様の御卵の最後の御姿おすがたを皆へと伝えるが、

それがしつとゆえ、これにて御免ごめん!」

チョウナーンは時代掛かった口調くちょうでロック達にそう告げると、

謎空間へと飛び込んで消え去ってしまった。


「あっ!? コラ待て!」

「あ~、逃げられちゃったっすね」

「見事なまでの逃げ足の速さだったハニ」


「くそ~、どうするかなコレ」

ロックの視線の先には、床の上にグロテスクな姿をさらしている、

魔王の卵のれのてがある


「ダンジョンが消えれば一緒に消滅しょうめつするんじゃないっすか?」

「上級魔族のツノは素材として高く取引されてるハニから、

魔王のツノは、もっと高く売れると思うハニ」


「へ~、そうなのか、

そんじゃ、ハニタロウの言う通りにツノだけでも回収して行くかな」

ロックは、そう言うと、なるべくグロテスクな部分を見ない様にしながら、

魔王のツノを回収してアイテムボックスへと収納しゅうのうした。


「何か、ダンジョンコアが最初より輝いてる気がしないっすか?」

「魔王の卵の『闇の魔素』を全部吸収したハニから、

力が増したんだハニ」


「そんじゃ、ダンジョンが活性化かっせいかしない内に、

こっちも回収しちゃった方が良いな」

ロックは、祭壇の上の台座からダンジョンコアを持ち上げると、

同じくアイテムボックスへと収納した。

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