封印の解除
「では、私の言う通りに御記入をお願いしますね、
まずはロックさんからですね、『馬の耳に可燃物ロック』と・・・」
「馬が可哀想だろ!」
ロックが、チョウナーンが告げた通りに記入をすると、
祭壇の台座に埋め込まれているサイン色紙ほどの大きさの白い石が、
ピカ~と光を放ってから台座と同じ黒い色へと変わった。
「まずは第一の封印が解かれた様ですね、
次はウィルさんですね、
『水魔法の道は一日にして成らずじゃウィル』と御記入を・・・」
「なかなか深い言葉っすね」
ロックより魔導具のペンを受け取ったウィルが、
チョウナーンが告げたキーワードを隣の白い石に書き込むと、
同じ様に黒色へと変わる
「最後はハニタロウさんですね、
『朝蜘蛛は嫁に食わすなハニタロウ』と御記入して下さい」
「『朝蜘蛛は殺すな』と『秋茄子は嫁に食わすな』が、
混ざっちゃってるハニ!」
ハニタロウが石に記入をして3か所目が黒色へと変わったのを確認すると、
残りの3か所の白い石に、ハニタロウから魔導具のペンを受け取ったチョウナーンが、
『犬も歩けばゴブリンも歩く』
『論よりポン!』
『東京特許キュキャキュキュ』と書き込む、
すると残りの3か所の石も黒色へと変化した。
「あれ?魔族が書いても良いんですか?」
「ヨンナーンさんはダメって言ってたっすよね」
「そう言ってたハニ」
「はい、魔族のみでの記入は効果がありませんが、
ロックさんの様な人族と、ウィルさん達みたいな妖精族と一緒であれば、
同じパーティーと認識されるので大丈夫なんですよ」
「チョウナーンさんは名前を書いていない様でしたけど、
それでも大丈夫なんですか?」
「3か所とも一人で書いてたっすよね」
「何か適当な感じのキーワードだったハニ」
「はい実は、この白い石に何かしらを記入すれば解除となりますので、
ロックさん達には、私の頭に浮かんだ言葉を何となく記入して貰いました。」
「何となくで書かせるな!」
「おかしいと思ったんっすよ」
「通りでキーワードが適当だった訳だハニ」
チョウナーンが記入をした残り3か所の石が黒色へと変わると、
ダンジョンコアより黒い霞の様な物が出て来て、
隣へ並べてあった魔王の卵へと吸い込まれた。
「おお~!黒く輝いていたダンジョンコアが赤く変わったけど、
これで、魔王の卵が動かせる様になったんですか?」
「深い赤色でキレイな宝石だけど、何て種類の宝石っすかね?」
「多分、柘榴石(ガーネット)だと思うハニ」
土妖精だけあってハニタロウは宝石にも詳しい様であった。




