宮仕(みやづか)えの辛さ
「俺達も冒険者ギルドからクエストとして受けてるんで、
ダンジョンの攻略は最後まで進めますけど、
このダンジョンって何階層まであるんですか?」
「余り多いと面倒っすよね」
「普通のダンジョンは50~100階層ぐらいはあるハニ」
「はい普通、魔王様の卵を内包したダンジョンとなると、
100階層ぐらいはザラなんですけど、
今回は魔王様の御卵が幼かった事もありまして、
全部で20階層となって居ります。」
「そのぐらいなら楽で良いか」
「丁度良い感じっすね」
「ダンジョンとしては破格な容易さハニ」
「このまま皆さんに攻略して頂けますと、
私共と致しましても大変助かります。」
「そう言えば、ヨンナーンさんみたいな階層の主って、
他の階層にも居るんですか?」
「普通は段々強くなるっすよね」
「最後のボスはギリギリ勝てるぐらいの強さの方が、
展開的に盛り上がるハニ!」
「はい、10階層、15階層、そして最後の20階層と、
あと3人の主が居ります。」
「どうやって担当する階層とか決めたんですか?
やっぱり段々強くして行くとかですか?」
「主の実力によっては戦闘もあるっすかね?」
「魔族には好戦的な者も多いハニ」
「いえ、強さは関係無く、単純に年齢の順番となって居りまして、
私が一番若かったので、一番浅い階層の主となりました。」
「そもそも、何でヨンナーンさんが派遣されたんですか?
お話した感じだと争い毎とか嫌いな様ですし、
そりゃ、俺達の攻撃を受けても死なない程に、
頑丈な体をしていらっしゃるけど、
ダンジョンの主ってタイプじゃ無いですよね?」
「確かに体は異常な程に頑丈だったっす」
「魔族は元々、体が頑丈な物が多いハニから、
ヨンナーンさんは普通の魔族だハニ」
「私、こう見えまして魔族の島の役所に勤めて居りまして、
今回は、他の階層の主共々に上司の命令で派遣されて参りました。」
「いやいや、こう見えましてって頭の角を除けば、
役所勤めの人のイメージにピッタリですよ・・・ってか、
魔族の島に役所があるんだ!?」
「何か問題が起きたら役人が派遣されるってのはテンプレっすね」
「お偉いさんの息子が問題を起こして、
その尻拭いに平の役人が派遣されるパターンだハニ」




