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ギガンテスのスター  作者: シュウ
211/252

ズバリ昇天(しょうてん)シリーズ

「これは、ご丁寧にドウモドウモ・・・じゃないっ!

え~と、え~と・・・少し待つのだ!」

魔族のヨンナーンは部屋の中央にある卓袱台ちゃぶだいの場所まで戻ると、

先程まで熱心に読んでいた本をペラペラとめくり、

「ふむふむ・・・なる程な」などとつぶやいた後に本をパタリと閉じて、

卓袱台やカーペットなどと共にアイテムボックスらしき謎空間なぞくうかんへと収納しゅうのうしてから、

ロック達の方へクルリと振り返った。


「待たせたな勇気ある者達よ!

良くぞ屈強くっきょうなるダンジョンの魔獣らをはいし、

この部屋まで辿たどり着いたな!」


「いや、割と楽勝でしたよ」

「ぬるゲーも良いとこっす」

手応てごたえが無かったハニ」


「むっ、そ、そうであったか?

だ、だが、ここから先は、そうは行かんぞ!

これより先に進むには、このヨンナーン様を倒さねばならぬからな!

ど~れ、この部屋まで無事に辿り着いた褒美ほうびに、

まずは、そなたから先に攻撃する事をゆるしてやろうではないか、

掛かって来るが良い!」


「そんじゃ遠慮無えんりょなく『ロックバレット!』」 「グハッ!」

「『ウォーターカッター』っす!」 「グフッ!」

「『アースアロー』だハニ!」 「ヒデブ!」


「う、ううっ・・・ゲホゲホゲホッ・・・

い、今、何かしたのか? 攻撃が軽すぎてまったく気付かなかったぞ!」


「あの~、一応聞きますけど痛く無いんですか?」

「血がドクドク流れてるっす」

「腕が変な方向に曲がってるハニ」


「痛く無いはずが、無いじゃないですか!

何、ホントに思いっきり攻撃してくれちゃったりしちゃったりしてくれてるんですか!」


「いや、ヨンナーンさんが自分で攻撃して来いって言ったんだし、

なぁ?」

「そうっすよね」

「僕も確かに聞いたハニ」


「私は、この本の第3部『ダンジョン編』の、

第3こう『小ボス部屋でのケース』にもとづいて発言しただけなんですよ!」

ヨンナーンは謎空間から、先程収納したらしき本を取り出すと、

表紙をロック達の方へと向けた。

その本の表紙には『超人気!なれる(かも)シリーズ

         魔族としての自分に自信が持てないアナタ必見!

         他種族とのケース別での会話 大全集だいぜんしゅう

         これを読めばアナタも一人前の魔族になれる!(かも)』と記されている


「そのハウツー本は参考さんこうにしない方が良いと思いますよ」

間違まちがい無くあらそい事になるっすよね」

「しかもてきに先制攻撃をゆるすハニ」


「そうなんですか? 私達の暮らす『魔族の島』では、

10年連続でベスト10に入ってるベストセラーなんですけどね」


「ヨンナーンさん達、魔族って島に住んでるんですか?」

「自分は初耳はつみみっす!」

「僕は大昔に勇者様御一行に追い出されたって聞いた事があるハニ」

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