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ギガンテスのスター  作者: シュウ
208/252

相違点(そういてん)

ザドス王国でも一番北に位置する原野げんやへと向かう地方道ちほうどうなので、

都市部の道の様に整備がされておらず大小の石ころが混ざったデコボコ道を、

ウィルとハニタロウを両肩へと乗せたロックがもうスピードでけ抜けて行く、

普段はアンジェラらもともなって居るのでゴーレム馬車での移動となって居り、

それでも普通の馬車よりかは格段に速いのであるが、

ロックの走りは、それさえも大きく凌駕りょうがしていた。


流石さすがロック先輩っす! 通常の3倍は速いっす!」

「景色が流れる様だハニ!」


「この速度が出せるのもウィルが空気の抵抗を減らしてくれているからさ」

通常、この速度で走っていたら風切り音が五月蠅うるさくて、

会話など出来ないところであるが、

ウィルが水魔法で前方に展開てんかいしている流線型りゅうせんけい障壁しょうへきが、

空気の抵抗と、風の流れを穏やかに調整していた。


その速度は、少ないとは言え時折ときおり道の脇で獲物を待ち構えている魔獣が、

ロックらの気配を察知さっちしたと思ったら、アッと言う間に目の前を通過している状態で、

その姿は、さながらF1カーのレースをスタンドで観戦している客の様であった。


「おっ、ぼちぼち『最果さいはての原野げんや』が見えて来たぞ」

「この道の終点が、そのまま原野につながってるんっすね」

「その果てが見えない程広い原野だハニ」

普通の馬車で半日、ゴーレム馬車でも2時間はホワタ村から掛かる距離にある

『最果ての原野』に、ロック達は30分程で到着とうちゃくしてしまった。


「さ~て、お次はダンジョン探しになるんだが、

ショウセツさんの話だと、この原野の入り口から、

北東方向にしばらく進んだ辺りとか言ってたな・・・」

「取りえずは、そっちの方向に向かって進んで行けば、

自分らは目が良いので多分見つかると思うっす」

「ロックの豪運ごううんがあれば大丈夫だハニ!」


「そうだな、取り敢えずは北東方向に適当に向かって見るとするか」




「ロック先輩、アレじゃ無いっすか?」

「原野の真ん中に大きな岩山があるハニ!」

原野の入り口から北東の方向にしばらく歩いていると、

ウィル達が指差す方向に、原野にあるには不自然な程、

人工的に加工した様な形に見える大きな岩山があるのが見えた。


「恐らくアレで間違い無いだろうな、

良し!行って見るか」

「了解っす!」

「いよいよ、僕達のダンジョンへの挑戦が始まるハニ!」


ロック達が岩山へと近づいて行くと、

直方体の石を不格好ぶかっこうなピラミッドの様に積み上げてあるのが見えて来る、

目測もくそく大体だいたいのところ高さ6メートル、横幅15メートル程に見える、

そのナンチャッテ・ピラミッドの一番下には、人が一人通れる程の穴が開いていた。


「入り口っぽい穴の横に、何か字が掘ってあるみたいっよ」

「今より少し前の時代の文字に似てるハニ」


「ああ、冒険者ギルドで聞いた情報通りみたいだな、

今とは少し言い回しが違うんで読みづらいが、

読めないって程じゃ無いな、どれどれ・・・アレ?」


「どうしたんっすか? ロック先輩」

「何か問題でもあったハニ?」


「ああ、この岩に掘り込んである文言もんごんなんだが、

ギルドで聞いた話では、

『フミダイDEATHデスの洞窟

 腕に覚えのある者はレッツチャレンジ!

 お宝があるかもよ?』だったんだが、

ここに、実際に書いてあるのは、

『フミダイDEATHの洞窟

 お時間がある方は是非ぜひお寄り下さい

 粗品そしなをご用意してお待ち申し上げてります。』ってなってんだよ」


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