表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギガンテスのスター  作者: シュウ
2/252

覚醒(かくせい)

「やあ!こんにちは皆さん、

俺の名前はロック、

ザドス王国の片田舎にある、

ホワタ村ってとこに住んで居る、

ワンパクざかり5歳のナイスガイさ!

俺は、今、モーレツに戸惑とまどっている、

それは、何故なぜかと言うと、

俺の村では、男の子も、女の子も満5歳をむかえると、

近くの街にある教会へ行って、

『神の祝福の』ってヤツを受けるんだ、

儀式は特別難しいものじゃ無くて、

祭壇に祭られている『神観石かみみのいし』っていう石を、

神父さんが持って来るから、

それに触れるだけ、なんだけどね、

それで、俺も5歳の誕生日を迎えたから、

『神の祝福の儀』を受けに来たという訳なんだけど、

俺が、『神観石』に手を触れた瞬間に、

地球の日本っていう国で生まれ育ったっていう、

前世の記憶が蘇ったんだ!」


「ちょっとロック!

さっきから、何をブツブツと言っているの、

静かにして、ちゃんと神父様のお話を聞きなさい!」


「は~い、ママ。」


「それでは、ロック君を、

ご覧になった神様の、お言葉をお伝えします。」


「「「お願いします。」」」

俺と、パパとママは、神父様にお願いした。


「ロック君が持っているスキルは、

身体能力向上、投擲とうてき、アイテムボックス、

適正魔法は土魔法ですな、

向いてる職種としましては、農夫と出てります。」


(え~と、これって良いの?悪いの?

アイテムボックスとかって、結構良さそうな気がするんだけど・・・)


「「そうですか・・・」」

両親は、心持ちガッカリ感をかもし出している様だ。


(パパとママの様子から見ると、

どうも、イマイチらしいな・・・)


「ご両親とも、ロック君の向いてる職種が、

冒険者では無かったからとは言え、

気落ちする事は無いですぞ、

これは、あくまで適性を見ているだけなのですから、

きたえ方によっては、立派な冒険者となれるでしょう。」


「しかし、神父様、

俺は、戦闘系のスキルを持たずに大成した冒険者など、

聞いた事がありません。」

「そうですわ、

この人は大剣を、そして私は弓矢のスキルを持っていたからこそ、

ここまで、生き長らえて来られたと言えます。」


「確かに、冒険者として大成たいせいするのは難しいかも知れませんが、

この国には、優秀な冒険者が沢山居たくさんおります。

その様な方々とパーティーを組むようにすれば、

戦闘スキルが無くとも、冒険者としてやって行けるでしょう。」


「ううっ、俺たちの息子がオブザーバーか・・・」

「でも、農夫よりはザドラーらしいですわ、あなた。」


(ううっ、肩身かたみせまいぜ・・・)


ザドラーと言うのは、ザドス王国の民らしい人物じんぶつと言う意味で、

何故なぜ、ロックの両親が、こんなに落ち込んでいるかと言えば、

ここザドス王国は現在、他国の人々からは『冒険者の国』と呼ばれていて、

ひと昔前には『傭兵王国』として、その名をせていたのであった。


しかし、昨今さっこん、国同士の結び付きが強くなり、

ここ数十年は、いくさらしい戦も起きなくなったので、

傭兵としての需要じゅよう激減げきげんしてしまったのだ、

このままでは、国家としての存亡そんぼうあやぶまれると考えた

ザドス王国の国王イカヅチは、

傭兵王国としてのザドスに終止符しゅうしふを打ち、

新たに、冒険者を育てる国造りを始めたのである、

そして、生まれも育ちもザドス王国である、

ロックの両親は、生粋きっすいのザドラー同士で結婚したのであった。


当然、ザドス国民の親たちは、

自分の子供を、立派な冒険者にする事を望み、

また子供たちの多くも、冒険者にあこがれをいだいている。


「しかし、何でロックは、

俺の大剣や、お前の弓矢を受け継がなかったんだろうな?」


「そうですわね。」

この世界では、両親が戦闘スキルを持っている場合、

そのどちらかのスキルが、子供へと受け継がれるのが一般的であった。


(もしや、ママが浮気を!?)


「恐らく、隔世遺伝かくせいいでんでしょうな、

極稀ごくまれになんですが、

ご先祖様が持っていたスキルが発現はつげんする事があると、

聞いた事があります。」


(何だ、そう言う事か・・・)


俺は、ガッカリ感満載かんまんさいの両親に連れられて、

申し訳ない気持ちのまま、

村への帰途に付いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ