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ギガンテスのスター  作者: シュウ
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奇跡の村

「どうじゃ皆の者、

ロックの投擲とうてきスキルは、大したもんじゃろう!」

「大したもんじゃろう!」

何故なぜか、岩球を投げたロックより、

姫様たちが自慢そうにしている。


「す、凄いなんてもんじゃ無いですよ姫様、

ロックなら、一人でも攻城こうじょう戦が出来ますって!」

「そうそう、態々(わざわざ)重たいバリスタとか、

引っ張って行く必要無いよな。」

「まさか、これ程の威力いりょくがあるとは・・・」

「こんなの、もう投擲スキルの範疇はんちゅうには収まらんだろ。」


「どうじゃ、これでもロックは騎士団に入れんのか?」

「入れんのか?」


「これ程の力量があれば、もしや・・・

いや、しかし入団規定は絶対だし・・・」

「頭の固い、ウチの上層部じゃ難しいだろうな。」

「ああ、是非ぜひともウチに欲しい戦力だけどね・・・」

「ロック君に、冒険者になって活躍してもらうしか、

無いんじゃないか?」


「「「それだ!」」」


なんなのじゃ?」

「のじゃ?」


「姫様、ウチの騎士団へ入るには、

戦闘スキルや魔法の他に、

冒険者として何らかの実績じっせきしめす方法もあるんですよ、

ロック君の実力なら、間違いなく冒険者として大成しますので、

それからなら、ウチに入れると思います。」


「なる程のう、その様な手があるのか、

良しロックよ、

そなたは、これから冒険者となり結果を出し、

必ずや、我が国の騎士団員と成るのじゃぞ!」

「成るのじゃぞ!」


「はい、ミーア様やミール様の、

ご期待に沿える様に頑張ります。」


「うむ、そのさいは分かる様に、

これを持参するのじゃぞ。」

「するのじゃぞ。」

2人から名前が刺繍ししゅうされたハンカチを手渡された。


「はっ、必ずお持ちする様にいたします。」


「うむ、苦しゅうないのじゃ。」

「のじゃ。」


「じゃ、私は、この辺で失礼させていただきますが、

そう言えば、皆さんは何故なぜこんな裏道うらみちを使われていたのですか?」


「ああ、そう言えば、それがあったわね、

私たちが、あの道を使った理由はね、

最近、王都の冒険者ギルドで活躍する若者たちが、

急増しているのだけれど、

その子たちが育った村が、この辺にあるらしくて、

姫様たちが、そのうわさを聞きつけて興味きょうみを持たれたので、

視察をする事になったのよ、

村の名前は分からないのだけれど、この辺にある事は分かっているから、

取りえず現地で聞き込む事になったというわけ

ロック君、近くに住んで居るって言っていたわよね?

その村の事を、何か知らないかしら。」

女騎士のジャンヌが、そう質問して来た。


「ああ、それだったら、

ウチのホワタ村だと思いますよ。」


「えっ?ロック君が住んでる村の事なの?」


「ええ、最近、村から出て冒険者に成った

みんなが活躍しているって聞いてるから、

間違い無いと思います。」


「まあ、それは丁度ちょうど良かったわ!

じゃあ、ホワタ村までの案内を、

お願い出来るかしら?」


「ええ、お安い御用ですよ、

村長の父に成り代わって、

皆さんのご来訪らいほう歓迎かんげいいたします。」


「うむ、ロックよ、頼むのじゃ!」

「頼むのじゃ!」

「助かるぜロック。」

よろしくな。」

「ロック君、お願いするわね。」


「姫様方、私たちはロック君に村の場所をたずねてから、

盗賊共を近くの街で引き渡してから合流致します。」

「ジャンヌ、お前たちやロック君が居れば大丈夫だとは思うが、

姫様方を宜しく頼むぞ。」


「うむ、気を付けるのじゃぞ。」

「のじゃぞ。」

「ええ、姫様たちの事は任せて。」

護衛の騎士のうち二人は、

縛り上げた盗賊共を、街の兵士へと引き渡す為に分かれた。


「それでは村へと、ご案内致しますので、

付いて来て下さいね。」

ロックが歩き出しながらうながしたのを見て、

ジャンヌが尋ねる。


「ロック君、一緒に馬車に乗って行かないの?」


「ええ、体力作りの一環いっかんで、

馬や馬車は使わない様にしているんですよ、

こう見えても、馬に負けないぐらいの速さで、

そこそこの距離を走れますから、

遅れない様に付いて来て下さいね。」


「そういえば、全速力で走っていた馬車に、

追い着いて来ていたわね・・・」


「ええ、短い距離なら、

馬より速く走れます。」


「ロック君の村の若者たちって、

みんな、ロック君みたいにすごいの?」

ジャンヌが、恐る恐るという感じに聞いて来た。


「いえ、みんなは、

他の村の若者と比べれば身体能力が高いですけど、

私ほどでは、ありませんね、

私の場合は、きたえれば鍛えただけ、

身体能力が向上し続けるスキルを持っていますので、

村でも特別高い身体能力を持っています。」


「良かった・・・

皆が皆、ロック君みたいだったら、

自信を無くすところだったわ。」

ジャンヌが、ホッとした様に言った。

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