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ギガンテスのスター  作者: シュウ
11/252

メタモン

「ヤアッ!」

ロックの振るった剣が、

ドシュ!と音をてて、

オークの首を切り飛ばした。


「よ~し、近接戦闘も大丈夫みたいだな。」


「はい、ジョセフさん。」

ロックは、ジョセフの指示で、

現れた3匹のオークの内、

2匹を魔法で倒して、

1匹との近接戦闘にのぞんだのだ。


「じゃあ、次はゴブリン2匹と・・・何!?」


「ジョセフさん、どうしたんで・・・うっ!?」


「気付いたか?ロック。」


「はい、何か大きいのが来るみたいですね。」


「気配からすると、単体みたいだが、

一応、そこの木の陰に隠れて様子を見るとしよう。」


「はい。」


ロックとジョセフが、木の陰に隠れて、

気配の主が現われると思われる方向の森を見ていると、

身の丈3メートル以上はあると思われる、

銀色の体を持ったゴリラの様な魔獣が現われた。


「何でヤツが、こんな場所に居るんだ。」

ジョセフが声を殺しながらつぶやいた。


「ジョセフさん、あの魔獣をご存じなんですか?」

ロックも、同じく声を殺しながら、

ジョセフへたずねた。


「あいつが、メタルモンキーだよ。

あいつらはアルビナ王国の山間部に集団で生息しているから、

本来、ザドス王国に1匹で居るはずが無い魔獣なんだ。

何か強力な魔獣にでも追われて、

はぐれメタルモンキーになったのか?」


「あれが・・・」

メタルモンキーと言えば、

ジョセフが所属していた

A級冒険者パーティー『アイアン・エッジ』を、

解散へと追い込んだ魔獣だ。


「あいつには打撃も魔法も効かないから、

とっとと逃げるぞ。」


「分かりました。」


ロックとジョセフが、

気配を殺しながら撤退てったいしようとしたところ、

思わぬハプニングが2人を見舞った。


「「「ギギ~ッ!」」」


2人が撤退しようとした方向から、

3匹のゴブリンが現われたのだ。


「くそっ!こんな時に!」


「ウホッ!ウホッ!」


「ジョセフさん!

メタルモンキーにも気付かれてしまいました!」


鳴き声が聞こえたので、

ロックが、そちらの方を見ると、

メタルモンキーが、こちらの方を見ながら、

ドコドコと胸をたたいてドラミングしていた。


「ゴブリンを倒しながら、逃げるしか無いのか!?」


「ジョセフさん、俺に考えがあるので、

ゴブリンを、お願い出来ますか?」


「大丈夫なのか?ロック。」


「はい、試してみる価値はあると思います。」


「分かった。

ゴブリン共は、俺に任せろ!」


「お願いします!」


ロックは、メタルモンキーに向かって走りながら、

アイテムボックスから岩球いわだまを取り出した。

「よ~し、久し振りに、

父さんに禁止されていた全力投球を使うぜ!」


「ウホウホウホ!」

メタルモンキーは、

人間の子供が自分にダメージを与えられる訳が無いので、

余裕を持ってノッシノッシと歩いて来ていた。


大きく振りかぶったロックは、

メタルモンキーに向かって岩球を投擲とうてきした。

「行っけ~!」


シュ~ッと音をはっしながらロックモンキーへ向かった岩球は、

バカ~ン!と大きな音をてて、

その頭へと命中した。


「どうだ!?」


ロックの目には、

そのまま、仁王立におうだちしているメタルモンキーが入って来た。


「くそっ!駄目だめだったか・・・」


ロックがあきらめの声を上げた一瞬の後、

メタルモンキーが白目をいてズズ~ン!と、

倒れ込んだ。


「メタルモンキーを気絶させたのか!?

でかしたぞロック、今の内に逃げるぞ!」

ゴブリンを片付けたジョセフが、やって来て告げる。


「ちょっと試してみたいから待ってくれるかな、

『ロッククラッド!』」

ロックが土魔法の呪文を唱えると、

メタルモンキーの頭部が岩で覆われた。


「「・・・・・。」」


ロックとジョセフが様子を見ていると、

メタルモンキーがビクンビクンと痙攣けいれんし始めて、

10分程したらピタリと動かなくなった。


「死んだのかな?」


「アイテムボックスに入れてみたらどうだ?」


「そうか!『収納』」

アイテムボックスには、生き物は収納出来ないので、

死んでいるのか判断するのに使えると考えたのだ。


すると、メタルモンキーがシュッ!と消え去った。


「おお!無事に討伐とうばつしたみたいだな、

まさか、メタルモンキーを酸欠さんけつにして倒せるとは、

思いもしなかったな、

お前は、ホントに大したヤツだよ!ロック。」


「メタルモンキーと言えども生き物なんだから、

呼吸は普通にしていると思ったんだ。

もっとも、気絶していたから土魔法が使えただけであって、

動いている相手には使えないけどね・・・」


「気絶させたのもロックじゃないか、

俺は、メタルモンキーに攻撃が通ったのを始めて見たぜ。」


「父さんから、

普段は危ないから使わない様にって言われている、

全力投球を使ってやっとだからね、

どんだけ硬い体をしてるんだよホント・・・」


「ロック、メタルモンキーの素材って何なんだ?」


「ああ、そうか、

『解体』っと・・・えっ!?」


「どうしたんだロック?」


「これが出て来たんだ。」

ロックは、アイテムボックスから、

大きな金属のインゴットを取り出すと、

地面にズシン!と置いた。


「これは・・・

もしかしてアダマンタイトか!?」


「うん、アイテムボックスには、

そう表示されていたよ。」


「メタルモンキーの素材がアダマンタイトとはな、

それも、こんなに大きなインゴットなら、

どれだけの値が付くか分からんぞ。」


「じゃあ、僕たち金持ちになったんだね。」


「何を言ってるんだ?

メタルモンキーを倒したのはロックなんだから、

金持ちになるのはロックだけだろ。」


「ジョセフさんが背後はいごを守ってくれていたから、

メタルモンキーに集中出来たんだもん、

2人の戦果せんかで間違い無いでしょ?」


「ハハハ、お前は大したヤツだな、

その年で、もうもの道理どうりってヤツを理解していやがる、

確かに、一般的な冒険者パーティーなんかじゃ、

戦果は山分けが当たり前なんだが、

今回は、お前が全部取って良いぞ、

こう見えて、俺は元A級冒険者パーティーに居たから、

金には困っていないし、

俺が、メタルモンキーから、どうやって逃げるかを考えていた時に、

お前は、どうやって倒すかを考えていたんだからな。」


「でもそれじゃ・・・」


「じゃあ、こうしよう!

そのアダマンタイトは、

俺が、お前の将来に対しての先行投資をしたんだ、

将来、お前が大物になったら利子を付けて返してくれれば良いのさ。」


「分かりました!

絶対、損はさせませんよ!」

ロックは、ジョセフが自分に全部受け取らせる為に、

こう言っているのは分かっていたが、

えて指摘してきをせずに、受け取っておく事とした。

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