こんな願いが叶っていいのか!!
「あー…遠くに行きたい」
俺、遠野燈は黄昏ていた。
なぜかというと、生きていても特に何も面白いことは起きないし、やったらやった分だけ何かが返ってくるわけでもないし。
…と、言うのがまあ建前ってやつで実際のところはちょっと良いかなーって思っていた子に告白して振られたからだ。
「まあ、そんなもんだよなぁ…そう考えると世の恋人たちはすごいよな…やることやって、互いに信じあってるんだもんなあ…大抵は、だけどさ」
今日はクリスマスイブ。
多くの人が大切な人たちとなんかいろいろ語り合っているのだろう。
「せめてもの救いはもう冬休みだってことか…いっそのこと学校崩壊か…いや、もうマジでどっか行きたいな…一人で生きてみたい」
学校の屋上で風を感じながら、遠くにうっすらと見えている山を眺める。
ぼーっとしていると、ある異変に気付いた。
「…?なんか揺れてね?…ていうかグラウンド光ってる!? おかしくね⁉︎」
学校全体がに広がる魔法陣のようなもの。
それが光っている。
「いや待て本気でそんなことあっちゃいかんだろうに!!」
と、急いで逃げ出そうとした瞬間。
学校の中にいた数十人が消えたのだった。