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ヒスティマ Ⅳ  作者: 長谷川 レン
第三章 聞き込み捜査
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レモンソースはお好きですか?

作者の私は麺類が好きですd(-▽-*



「な……なんだこの料理は!?」

「ホントに厨房にあった食材だけで作ったと言うのか!?」

「完敗……料理人として、完敗だよチクショー!」


 ただ単に普通の料理を作っただけなのにどうして目から涙が大量に出ているのか不思議でならなかった。

 おいしいと言って食べてくれるのはとても嬉しいけど、さすがに料理人の人達よりもおいしいという自信はこれっぽっちも無いのだが……。


「食材や厨房の使用料はゼロでよろしいですね?」

「あぁ……こんなうまいもん食わせられたんだ。約束は約束だッ」


 ホント、何でこうなったんだろう……。

 妃鈴が料理人に話しかけて、お金の出費をゼロになった事を確認していた。

 ボクが作ったのはレモンソースを使ったパスタ。夏だし、冷たい方がいいかなって思って冷やし麺を作ってそこにあれこれ工夫をしたわけだが……ホント、そんなに工夫してないから料理人達が泣くほどではないと思う。


「なぁ君。是非このパスタをこの店で売りたい! レシピを教えてくれないだろうか!?」


 ボクが料理している間は厨房に誰も入っていないのでどんな作り方をしたのかは誰もわからない。


「えぇっと、ボクなんかが作ったレシピでいいんですか? ボク、ちょっと料理を学んだ程度ですよ? 料理人さん達の方がもっと美味しいと思いますし……」

「いや、そんなことは無い。俺が今まで食べてきた中で一番うまいパスタだ。だから是非売らせてくれ! 一品売るごとに四割……いや、五割の仕送りをする! 頼む!」


 他の料理人達も両手を合わせて頼み込んでくる。


「あ、あの、別に仕送りなんていいです! レシピは教えますけど、こんなボクの作った料理が売れるかどうかわかりませんけど……」

「売れる! いや、売らせてみせる!!」


 料理人がぐいっと顔を近づけさせながら力説してくるのでボクはちょっと引き気味になって更に足を後ろへと下げる。


「わ、わかりました! わかりましたから落ち着いて」


 その後、料理人達にレシピを教えると、いろいろと驚いていたり、ほぉと感嘆するような声をあげていた人がいた。

 そんな事があり、ボクが料理人達にレモンソースの冷やしパスタのレシピを教えると、物凄く感謝された。



 ――後日、リク達がヘレスティアからライコウへと帰還した後、このレモンソースの冷やしパスタが国一番で売れ、他の国にもこのパスタの事が広った事はまた別の話……。



「やっと終わった……」


 ボクはやっと料理人達から解放されたと思って、食堂の他のメンバーがいる所へと戻ってくると、そこにはマナとアキ、そしてキリの三人だけしかいなかった。


「お疲れ様~。他のみんなは先に上行っちゃったよ~? 何やらやる事があるだそうで~」

「まったく、私も混ぜて欲しい所だよねっ。この【情報師】。このヘレスティアについてもそれなりに詳しくなったからいろいろと教えてあげるのに!」

「寝虚はもう寝る時間だとよ。妃鈴がお風呂へと連れて行った。雑賀は死んだ」


 大方、寝虚をお風呂に入れるのを雑賀がやろうとして、妃鈴が止めたのだろう。物理的に。暴力的にとも言う。

 じゃなければ、テーブルの下にノックダウンして倒れている雑賀のほかの理由が思いつかない。

 最近、妃鈴の雑賀に対する暴行の数が増えて来ている気がする。ただ、それと同時に雑賀の素行の悪さも増えて来ている気がするのが残念だ。


「えっと、アキさんがいるのに、ヘルはいないんですか?」

「ヘルちゃんならちょっと外に行くって言って出てっちゃったよ? 神様だし、大丈夫だとは思うけど……」


 アキが少し不安げに言うが、大丈夫だろう。まだ契約もしていない神様の力は計り知れない。一般人が勝てるとは到底思えないのだ。

 それに、ヘルには何か特殊な魔法が常日頃に発動している気がするのだ。あの文字の羅列が並んでいる瞳……それがあれば不意打ちでもヘルは避けれそうな気がする。


『あい……らず、分……が……のぅ……』

『そ……すね。わた……ときど……にお……ます』

『それよりさぁ。あたしリクのレモンソースパスタ食べたい!』


 ルナとシラの声があまりよく聞こえなかったがツキの声がしっかりと聞こえた。

 ルナとシラはボクに聞こえないように話したのだろうか? 一応ボクにも二人の会話が聞こえない事はある。例えば、ひそひそ話をされたら、先程のように言葉の端しか聞こえないのだ。


(ツキ。家に帰ったら食べさせてあげるからヘレスティアに居る間は静かにお願いね)

『え~。あたしここ一週間ぐらいリクの料理食べてないからお腹減ったぁ』


 どうしてそこでボクの料理限定なのかが気になるところだ。


「にしても、さすがリクの料理だな。やっぱ一番うめぇ」

「一度食べたら病みつきになるもんね~」


 キリやマナがうまいと言って食べてくれるから頬がほころぶ。やっぱり料理は楽しい。おいしいと言って食べてくれる人を見るとどうしようもなく嬉しくなる。


「リクちゃん、店開いたらどう? 私が新聞でオススメ料理店として載せるよ? 載せなくても有名になるけど」


 どうしてアキは断言しているのだろう。有名になる可能性なんて分からないではないか。まぁ何はともあれ……。


「ボクは料理店を開こうとは思いませんけどね。まだ将来の事は決めていませんが……」


 何かをやろうとは思ってはいるが、まだボク自身の将来像が思い浮かばないのだ。どこかで料理をしているような将来像は全くと言っていいほど思い浮かばない。まだボク自身は子供なのだろう。将来へとまだ向かわず、今だけを考えて生きているのだから。

 だけど……。


(今を考えなきゃ、生きていられない状況なのかな……)


 楽しいと思う所もある。だがそれ以上に大変で、命のやり取りにボクは全力をかけているかもしれない。


「リクちゃん! どうしたの? さっきっからボーとして」

「冷やしパスタがただのパスタになるぞ?」

「え? あ、ごめんなさい」


 ボクはフォークを持つと、自分用にと作った冷やしパスタを食べ始めた。

レモン独自の酸っぱさと冷たいパスタがミスマッチしてとてもおいしくできたと自分でも満足できていた。


(そういえば雁也さん、今頃どうしてるかな?)


 昨日の夜は帰ってこなくて、今日の夜も帰ってこないのかな。

 そう思って、ボクはヘレスティア二日目を終えたのだった。












 ……終えた、ハズだった……。

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