ビーチバレー
みなさん、それぞれ自分の思いたいように想像をしてください。
しかし、決して鼻血で画面を濡らさないでくださいw
ボクはビーチバレーをするうえで、更に大変な事に気がついた。
いや、逆に何故今まで気がつかなかったんだと言われればその程度だが、ボクはとりあえずなるべくソウナやアキを見ずにボールを取る事となってしまった。
それはなぜか?
「ハッ!」
「お兄ちゃん!」
ソウナがアタックを打ってきた。ボクはその事を確認せずにただボールだけを見ていてボールを高く上にあげる。
そう、ビーチバレーをやる上で、特にソウナがアタックを打つ時が危険だ。
ソウナの……その……。キリや白夜、そしてレナほどではないが豊満な部分が揺れるのだ。
その事に気がついたのはボクがアタックを打ってからだった。
アタックを打つ時は必ずジャンプをしなければいけない。
つまり、ジャンプをしなければいけないと言うことは……む、胸も揺れるわけで……。
ユウがボクへと最後のパスをつなぐ。ボクはそのボールをアタックしようか迷ったが、アタックをしなければ速く終わらせることもできない、と言う事でボクはジャンプをする。
『おおおぉぉぉ!』
周りからは歓声に近い、何かが混じった声でボクを……いや、ボクの一部分を見ていた。
だからボクは顔を真っ赤に染めて、ついあの部分を片手で隠してしまって、ボールをアタックするも威力の低い物となってしまった。
「も~らいっ!」
そこをブロックしに来ていたアキがアタックする形となってビートボールであるスイカがボク等の陣地の地面へと落ちてしまった。
「花も恥じらう乙女最高!」「いいぞぉ、もっとやれ!」「揉みしだきたい!!」「あたしのペットにしたぁい!」「可愛い~!」
誰かギャラリーを黙らせてくれないだろうか。
いや、今すぐにでも〈フローズン・クリスタル〉を使えば、ここら一帯を凍らせて氷土にすることができるのだが、さすがに彼らを殺すようなマネ事はできないだろう。
「あ、あの、ボク棄権したいんですけど……」
「……ダメ、人がいない」
ちなみにこの会話は三回目だったりする。一回目にマナがいる事を言ったのだが、マナは怒ってしまった。
「り、リクちゃんはウチに死ねって言うの!?」
とか何とか言って、今ではカメラも隣に置いてイスの上に三角座りしている。
どこか気が触った事を言ったのだろうか。ボクはマナに変わって欲しいとしか言わなかったのに。
ちなみに、他の人はこう聞こえた。
「り、リクちゃんはウチに死ねって言うの!? (ギャラリーの人気物と、まったくギャラリーに無視され続けるこの差。リクちゃんはウチにこの気持ちを更に味わえと!?)」
ただ、若干ギャラリーの中に、猛烈にマナとユウだけに反応している人はいた。むしろそのギャラリーは白夜とかを無視していた。
二回目は、白夜が変わればいいのではと言ったが、白夜は……。
「……さっきやった。……それに審判という重い責務を全うしている」
いや、意味わからないし。審判だったらボクが変わるし、さっきやったからってもう一度やればいいではないか。
つまり、ボクと変わってくれるような人はいなかった。
「酷いです、みんな……。ならせめて! せめて周りに居る人達を解散させてもらいませんか!?」
「……わかった」
「ですよね。白夜さんが承諾するわけ……へ?」
ボクは今白夜が言った言葉を疑った。
あの白夜だ。ボクを困らせるようなことばかりをするに違いないと思っていたのに、何故承諾したのだろうか?
それとも、さすがに白夜もやり過ぎたと思ったのだろうか?
ボクは、母さんと違って白夜は言ってみれば話が通じる人だと思――。
「……みんな。……リクちゃんが困ってる。……遠くから見守ってあげて」
『わかった(よ)(わ)!!』
「白夜さぁぁぁぁぁん!?!?」
確かに今まで群がっていたギャラリーはいなくなった。
だけど物凄く遠い所から。もしくは海の家にあるレストランからボクを観察するような人が先程よりも増えているような気がしてならなかった。
「そういう意味じゃないです!! ボク達を見てくる人達に見てこないでって言ってって意味なんですけど!?」
「……じゃあそう言ってくれなきゃ。……今からじゃ遅い」
「遅くさせたの誰ですか!?」
「……私」
「胸張って言うことじゃないですよ!?」
「……さぁ、再開。……アキから」
ボールがアキに投げて渡される。
「よっしっ。ちょっと遠く言ったし、魔力をそれなりに込めても大丈夫だよね!」
「そうね。これだったら更に魔力を込められるわ」
アキもソウナもかなりやる気だ。
得点は23対23と、ソウナ達がマッチを握っている。これを決められるともうボク達の負けが目と鼻の先だ。
ちなみにボク達の点数の23点はボクが決めた点数4点と、ユウが決めた点数19点の合計点だ。
「そういえば白夜さん。負けても罰ゲームとかって無いですよね?」
「……ちっ」
「舌うち!? え!? 何があるんですか!?」
「……アキ、早く打って」
「なかった事にするつもりでしょ!? 無理ですよ!? え、ちょ、ホントに何があるんですか!?」
これはいよいよ負けてられなくなってきた。
ギャラリーがボク達よりかなり離れたし、遠くに言ったから少しは魔力を使っても分からないはずだ。
「そ~れっ!」
アキがボールを振るアタックで撃つ。ボールは変な回転をして、まるでドリルのように進むボール。先程よりも強いそのボールをまずユウが魔力をうまい具合に使って上へとあげる。
「ユウ、決めて!」
「オッケーお兄ちゃん!」
ボクは高く上がったボールを丁度よい高さへとあげる。
ユウはそのボールに追いつくようにして高くジャンプする。
「やっば」
「アキさん、頼むわ。私はさすがにとれないもの。ユウちゃんの本気」
それはそうだろう。ユウはボク達の中で一番実力が合って、その成果もあるのだから。
そのユウは、綺麗なアタックフォームを完成させて――。
「えいっ!」
――手をボールからちょっと離れたところで振るった。
「ユウ!?」
ボールは地面へとそのまま落ち、ソウナ達の得点となってしまった。
「あ、あはははっ。か、空振りしちゃった?」
ユウがかなり動揺しながら……。いや、ユウがかなり余所見をしながら謝ってきた。
絶対にワザとだ!?
逆にユウがあの状態から外すとは全くと言っていいほど思えない。
つまり、ボクは四面楚歌の状態ってこと!?
味方だと思っていたユウを睨みつける。
「だ、だって~。お兄ちゃんが罰ゲーム受けてみないと面白い反応が返ってこなさそうだし?」
「何!? 罰ゲームって一体何なの!?」
これは絶対に負けられない! 今まで適当でやってきたかもしれないけど、訳の分からない罰ゲームがある以上、絶対に負けるわけにはいかない!
(ルナ! 魔力操作をお願い! 絶対に負けない!)
『り、リク? 先程お主自身が……』
(いいの! 訳の分からない罰ゲームなんか……聞かされてもいない罰ゲームなんて絶対に受けるわけにはいかないんだから!!)
『り、りくがやっきになっています……。おてつだいしたほうが……』
『う、うむ。わかった!』
動揺するルナに確認がしっかりと取れ、そしてすぐに体中に魔力がめぐってくる。
これですぐに反応ができるし力強いボールを打つこともできる。
「ディス。頼むわよ?」
どうやらソウナも本気なようだ。内にいる神様の力を借りるのだろう。
これはいよいよ負ける事が出来ない。
「じゃあ、行っくよ!」
アキがボールを高く上げる。
そして、この戦いの最後の火蓋が切って落とされるのであった――。
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