表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

主人公になってやる

俺が睡眠から抜けた時刻はわからない

何故かって?

それは、俺が覚醒しているにも関わらず瞼を閉じ、延々と「寝たフリ」を続けているからだ

何故かって?

それは、俺が寝ていると言う事で面倒見が良い幼馴染みに起こしに来てくれるのを待っている為だ

やがて、数分か数十分かわからないが、流石に寝たフリも拉致があかないので(まなこ)を開けた

ベッドから降りて、冷えたフローリングの床を歩き、窓の遮光カーテンを開く

「うぐっ……!」

無意味に目元に手を当てている訳ではない。俺の『吸血鬼の眼(ブラッディーアイ)』は太陽光に弱いから瞳を守らなければならないのだ

視界が復活して来たところでベッドの上に置いてある目覚まし時計(アラーム設定はしてない)を見やる

……。

…………。

「遅刻だああああああああああああああ!!」

いけない。幼馴染みを待ちすぎて寝たフリに時間を取られた

急いで着替えた



鞄を持ってリビングに飛びこむ

ふと視界に入った食パンを口でくわえて、リビングを飛び出る

ローファーに足を突っ込んで、玄関のドアを開け放つ

鍵をかけて、登校開始だ

主人公は遅刻寸前に食パンをくわえながら道路を走る

そして、曲がり角を曲がったところで美少女と激突する——!

その美少女は主人公のクラスにやって来る転校生——!

さて、ここでどうすれば良いかを考えよう

簡単な事だ

「よひおおふのまはひはふぉふぉまわふぇふぁいい!(より多くの曲がり角を曲がれば良い!)」

遅刻寸前だが、構わない

「ひゅひんほうひわふふぉへはあう!(主人公には務めがある!)」

食パンをくわえつつ、疾走する

と、ここでアクシデントが発生した

通常こういうシチュエーションで襲って来るアクシデントは非日常的なものだが、今回俺を襲って来たのは、単純明解なもの

食パンがへろへろしてきたのだ

トースターで焼く時間がなかったためこの食パンはソフトな状態だった

おまけに10枚切りタイプの食パンだったため一枚は薄い

クソッ……ここで主人公補正が聞けば俺の食パンは口にくわえた段階で既にトースト済みだったはずなのに……!

どうする、俺!?

このままだと食パンが落下するのは時間の問題

だが、食べてから曲がり角を曲がったところに美少女が居たらなんか締まらない!

俺は逡巡し、答えを出した

(うおおおおおおおおおおお!!)

心の中で叫びつつ、曲がり角を駆け抜けた——

ガンッ

「おうふっ!」

俺は曲がってすぐのところにあった『それ』に激突して思わず食パンを落とした

そこにあったそれは、乗用車だ

「ったく……!曲がり角の曲がって5mは駐停車禁止区域だって教習所で習わなかったのか!?免許を駐車場に返してこいよ!」

悪態をつく

結局衝突したのは美少女ではなかった。おまけに食パンも失った

「食べておけば良かったか……」

と、いけない

遅刻寸前なのを忘れていた

「ホントはボンネットをボコボコにしてやっても良いが、今日のところは勘弁してやるぜ」

俺はその場を立ち去り、最短ルートで学校へ向かった

走っていれば、もしかしたら異能力者の戦闘や、謎の機関と美少女の戦闘が見れるかも知れない。と思いつつ、全力疾走



結局、そんなことはなかった



通り過ぎる黒い車のナンバープレートを記憶しつつ登校し、下駄箱で上履きに履き替える

当然だが、何か手紙やトラップが仕掛けられている事を想定して、周りに人が居ない事を確認してからロッカーを開け、上履きを取り出す

幸い、遅刻寸前のため周りに人はおらず、素早く開ける事ができた

上履きを取り出し、中にトラップが仕掛けられている可能性もあるからチェックして、それから履く

すぐに駆けだす

当然、廊下は走る

なぜなら廊下の角で美少女とぶつかる可能性もあるからだ

ズルッ

「ったあああああああああ!?」

俺、転倒

痛む体でのたうち回りつつ周辺の敵を捜す

すると、廊下が濡れていた事に気付いた

この廊下は窓が遠いため、一度水をこぼすと長期間残り続ける

しかも、先生がモップで拭くのだが、その後乾拭きをしないため結果的には水が伸びているような状態になる

「いってえ……!」

肘や腰を強打したので痛むが、立ち上がり、教室へと向かう



「遅れた!」

俺は教室のドアを開け放ちながら叫んだ

既にショートホームルームは始まっていて、こちらを見やる人々の視線を感じながら席に着いた

「おい…遅刻理由は?」

担任の教師が遅刻の理由を問うて来る

俺は一瞥しつつ答える

「ここまで来るのに多くの罠があって移動が困難でした」

「なにいってるんだ……?とにかく、遅刻は遅刻だからな」

どうせショートホームルームは単位には入らないのである。サボったって構わない




さて、退屈なショートホームルームは終わり、一限目の授業は体育だ

更衣室でジャージに着替えて、グラウンドに出る

強い南風が俺の髪をなびかせる

「フッ、やはり選ばれし俺には風が吹く」

理屈はわからないが、主人公の髪は風になびく

あ、風が止まった

「おーい!授業始めるぞー!」

ジャージを着た体育教師がやって来て、ホイッスルで生徒を集める

俺も近づき話を聞く

この教師は、校庭にでている生徒は既に準備運動をしているものだと考えているため、先生が言って準備運動をやる事はない

「よし、今日はサッカーだ」


教師が言ってから5分後、俺はグラウンドに立っていた

ポジションは誰にも言われた訳ではないが最前線、フォワード

現在、ボールは蹴り合われていて、俺の方向へと飛んで来た

主人公はここで未知の力に覚醒して、ボールを蹴った瞬間にめちゃくちゃ強いシュートを撃てる——

「見せてやる、俺の主人公補正を!!でええええええい!」

俺は右足を大きく後ろに引き、膝から前に出して鞭の要領で加速させた足でボールを蹴る

——はずだった

スカッ

俺の右足は空を蹴り、ボールはコートからでて相手のキックイン




主人公補正それは主人公のみに与えられるもの

主人公以外には与えられないが、主人公なら貰える


主人公を目指す



はじめましての方も居ますでしょうから名乗りましょう

永久院悠軌と申します

この作品は一応ノンフィクションです

中途半端なエンドには様々な理由があります


一応、前書きに書いてあります通り、僕の黒歴史を書いた訳ですが…

これを機に、僕の連載の方の作品も読んで頂けると嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ