悪魔と神父とシスターと
「クロ、洗濯物おわった?」
太陽の光が降り注ぐ中、木の間に引いたロープにシーツをかけ、しわを伸ばしていた僕はシュリの声に振り返る。
「うん。僕はこれで終わり。ゼンそっちは?」
「こっちも終わりだ」
ゼンが洗濯物の間から顔を覗かせた。あの日から一カ月、僕とゼンは下僕のようにシュリのもとで仕事を手伝わされている。僕はすっかりこの教会での生活に慣れ、通りかかるシスターや神父に『今日も頑張ってるね、クロちゃん』と励ましの声を貰っては、手を振り返すと言った感じになっていたりする…そのたびにゼンが頭を抱えれ悲嘆に暮れているけれども。
「今日、クッキーを貰ったんだけど一緒に食べない?」
「食べるー」
「じゃあ、あっちで食べましょ。神父様が紅茶を入れてくれているの」
シュリが指さす方を見ると神父が簡素なテーブルの上にティーカップを並べているところだった。
「わぁーい、クッキー。ゼン早く来いよ」
「あぁ」
僕は神父のもとにウキウキと駆け寄り、テーブルの上に置いてあったクッキーのカゴを覗きこむ。いろんな形をした、甘い香りのクッキーが所狭しと詰め込まれていた。一つ摘まんで口に放り込む。
「おいしぃー、でもイモリの黒焼きがないのが残念」
「そんなものあるわけないでしょ」
シュリが僕の頭をはたく。どうもシュリたちはイモリの黒焼きを食べないらしい。おいしいのに。
頬を膨らませる僕をよそに、他のメンバーは席に着く。
「ほら、何してるの座りなさいよ」
「うん」
神父が席に着いた僕の前に紅茶を置いてくれる。
「クロ君、シュリ君のティアラを外すよい手立ては見つかりましたか?」
「ううん。まだみつかんない」
この一ヶ月間僕はシュリの仕事の手伝い以外はティアラを外す手立てをゼンと一緒に探しまくっていた。それでも外すいい手は見つかっていない。項垂れる僕の頭を神父が優しく撫でてくれる。
「いいんですよ。時間ならいっぱいあります。ゆっくり探してください」
「神父」
ジーンとしてしまう僕。でも、絶対見つけろってことなのね…
まあいいや、神父の言う通りゆっくり探していこう。そうしたら、いつかは見つかるだろう。紅茶を一口すすって、先ほど干したシーツを見るともなしに眺める。
白いシーツが風になびき、太陽の光を跳ね返す。僕は少し眩しげに眼を細め、ほくそ笑んだ。うん、見つかるまでのほんの少し、ここでの生活も悪くない。
これで一応完結です。初めて書いた作品なので、誤字・脱字・解りずらい表現が多々含まれていたと思いますが、読んでくださった方ありがとうございました。一人称は書きやすかったです。今度は、三人称書けたらいいな…(*^_^*)




