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心に鍵をかけて。  作者: 氷州aug_
1.蒼鉛
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虎雨まいと一つ目の鍵

虎雨(とらがめ)まいは、同級生の風花(かざはな)ちほとイロンモールで買い物をしている。


「ちほ〜、まだ〜?」

「まだです。ほら見てください。このオーバーシャツとこのカーディガン、どっちの方が私に似合いますか?」

「どっちでも良いって〜…。ちほはいつも長いんだよ〜、私一回外出るから。」

信じられないことに、ちほは二着の間ですでに20分考え続けている。モールは混雑しているものの、周りの音は程よく図書館のような雰囲気で、ちょうど良い温度のエアコンが効いていて快適だ。ひとまずは廊下を歩くことにした。

ドンッ

後ろから走ってきた、長身中肉の、ロングコートを着たおじさんにぶつかられた。普通に痛いし、しかもあたりぎわに何かを握らされたので困ってしまう。

「いたっ…。これは…鍵?」

大きさは人差し指の先から第二関節くらいまでで、銀のチェーンを通されている。鍵自体はビスマスのような色味で、ずっと見ていたくなるような独特の美しさを持っている。おじさんは何処かに行ってしまったので、とりあえず戻ってちほに相談することにした。

「ちほ〜、服選びに勤しんでるところ申し訳ないんだけどさ、これ何の鍵かわかる? さっきおじさんとぶつかった時に気づいたら握ってたんだけど。」

「うーん… わかりません。綺麗な鍵ですね。とりあえずインフォメーションセンターに届けてみたらどうでしょう?」

至極真っ当な意見だが、この鍵は何か手放したくない 手放してはいけない そう心が訴えかけてくるような気がして、思わずポケットにしまってしまった。ちほの服選びは結局もう30分かかった。


夜。まいは相変わらず脳のリソースを鍵にさいていた。何の鍵なのか、何でできているのか、おじさんはなぜ握らせたのか。考えてもわからないのだが、一つ変化があった。その鍵を、付属のチェーンを用いて身につけていないと、頭がとてつもなく痛くなるようになったことだ。しかしその理由も当然わからないので、今日は寝ることにした。

次回は二個目ですよ〜

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