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✧【特別章】暖かい家 ― 心で感じるぬくもり✧

昨夜は遅くまで勉強した。今回はクラウディア先生に言い返さず、自分を抑えて議論を大きくしなかった。母は愚かな子を育てたわけではない。これは小さな勝利だ。


起きようとしたが、体が動かない。これは金縛りだろうか。毛布の上を見ると、犬のファティガが私の脚の上に寝ていて、隣には猫のエステラが丸くなっている。


「どいて!動けないよ!」と、もがきながら叫ぶ。


ファティガはゆっくりと立ち上がり伸びをした。エステラは無関心そうに首だけ動かしている。少なくともこれで座れるようになった。


彼らを指さして言う。


「ファティガ、寒いのはわかるけど、もう子犬じゃない。エステラ、あなたは太りすぎだ。次に言うことを聞かないなら、肉屋のオヤツは買ってあげないからな。わかった?」


返事はない。話せたとしても、無視されるだろう。


スマホの充電器を外して電源を入れる。画面は近所の子たちと口論した時に割れたままだ。時間を見ると午前10時。今日も労働ストライキがあるようだ。


伸びをして浴室へ向かう。タンクに水を汲み、電気給湯器をつける。水が温まるまで30分はかかる。家全体が断熱されていないため、室内も外と変わらない寒さだ。


深いため息をつき、クローゼットを開けて服を選ぶ。


お気に入りのバンド「ラタ・ブランカ」のシャツを見つけた。かなり使い込んでいるが、家の中なら十分だ。暖かいタイツも取り出し、発明者に感謝したくなる。


下着の引き出しを開けて――


「またか…」と首をかきながらため息をつく。


ソーテン(ソフトブラジャー)が合わなくなっている。半年しか経っていないのに。


「仕方ない。少しきつくても、もう少しの間は我慢しよう」と自分に言い聞かせる。


お湯を準備して、マテを二杯入れる(マテをふたついれる)。母は午前3時に仕事へ出るので、朝食用に「ドン・サトゥル」のお菓子も用意してくれている。


ソーシャルメディアを開き、中古売買グループを見たが、浮気を暴露する投稿ばかりだ。今週だけで9件目らしい。


フィードをスクロールしていくと、最初は「サッカークラブの話」、次に「猫とキーボード」の投稿、政治ネタ、そして新しい投稿が出てきた。


「飛行機みたいなワニ」というミームを見て、「面白い!」といいねを押す。


ニュース欄に切り替えると、「フローレス駅で事故、2人とボリビア人1人が死亡」というタイトルが目に入り、続けて「政党Xの汚職疑惑」など暗い内容が続く。


「だからみんなニュースを見たがらないんだ。全部ネガティブすぎる」


スマホを閉じ、再び浴室へ向かう。


給湯器の電源を切り、服を脱ぐ。寒さで手がかじかむ。換気口から冷気が吹き込み、背中に冷たさが刺さる。


「寒いっ!」と思わず声をあげる。


服を脱ぎ終えたらシャワーをつける。温かい水が全身を包み込み、必要なぬくもりだ。スポンジに泡をつけ、肩から胸へと優しく洗う。鏡にかかる蒸気が首筋を和らげる。胸に泡が当たり、手が止まる。


—やさしく洗う。最近、胸がだいぶ成長した気がする。まだ大きくはないけれど、ブラジャーが合わなくなるのが分かる。ため息。


体全体を丁寧に洗い流す。母と私が唯一こだわっているのは髪のケアだ。母の髪質を受け継いでうれしい。柔らかくてつやつやだが、安いブランドでは満足できない。


温かいお湯が流れ続ける中、太ももやお尻に残る水滴が体をなぞるように流れていく。その感触に、ほんのりした安らぎを覚える。


「はぁ…至福…」と思わず口に出す。


「人生の小さな幸せ」


水の残量を確認しつつ、体を急ぐ。シャワーを止めると、冷気が肌に刺さるように戻ってきた。


「ハックシュン!」「クシュン!」と2回くしゃみをしながら、体をタオルで包み、素早く拭く。水滴が背中を流れ落ちていく。


濡れたまま急いで部屋に戻り、ドライヤーをつける。


準備しておいた下着の引き出しを開け、青地に白いストライプのパンツを手に取る。特別新しいものではないが、肌触りが良く安心できる。太ももに滑り込む感触がほんのり冷たく、背中の暖かさと対照的だ。その一瞬に意識を集中する。


ゆっくりと履き終える。


ドライヤーの温風が首筋と髪を包み込む。外の寒さと室内の暖かさが混ざり合い、気持ちが落ち着く。わずかな間でも、この時間は宝物だと感じる。


髪が乾いた後、少しベッドに体を預ける。家事のことや、再販売用の商品を仕入れに行くことを考える。今回もゴミ袋を使って試してみよう。前回はうまくいったし、そのうち小さな清掃用品店を開けるかもしれない。


特別にワクワクする仕事ではないかもしれないが、母と私を養い、時々自分を甘やかす余裕もあれば、それだけで最高の仕事になると思う。

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