バラバラな仲間たち
ジェニファーとソフィアと一緒に、スジンをクラブに誘う作戦を立てて、ソフィアに簡単な日本語のレッスンをして、使える何かを渡した後、俺のちっぽけな王国に帰る。ドアを開けると、いつも通り、整ったカオス。
「ただいま。」と、言うけど、静寂しか返ってこねえ。
このワンルーム、叔父貴が貸してくれた。志銘館に行くって知って、わざわざ俺に連絡してこの部屋を「親切に」提供してくれた。どうせ、この「好意」に利子つけて返せって思ってるんだろ。どんな状況か分かってたけど、一人暮らしには悪くねえ。たまに、叔父貴が現れて、この部屋に物置かせろって言う。たぶん、賃貸より倉庫として使ってたんだろ。全部グチャグチャだけど、制服洗ったり、飯作って体力回復する以外、片付ける気力ねえ。
靴脱いで、楽なTシャツとボロいズボンに着替えて、布団にドサッと倒れる。目をゴシゴシ擦って、スマホを手に取る。クラブのグループチャット覗く。案の定、メッセージがパンパン。ほぼジェニファーから。あいつ、止まらねえな。クラブのトイレの鏡の前でポーズキメた写真を山ほど上げてる。変顔、ウインク、インフルエンサーばりのキメ顔。心の中で笑う。(この鏡、外した方がいいんじゃね?)
スクロールしてくと、ジェニファーとソフィアのツーショット。めっちゃ輝いてる。笑顔が画面を照らす。ソフィア、短い髪が額にちょっとかかって、目に温かいキラメキ。ジェニファー、溢れるエネルギーで、雑誌の表紙みたい。なんか、感心しちまう。半笑いで、(絶対、口には出さねえ)って自分に言い聞かせる。あいつら、めっちゃ美人だな。まるで綺麗な夢にハマりそう。
「ん…俺の写真、撮ったかな?」と、眉を上げて、ブツブツ言いながらスクロール。
でも、ない。ジェニファーとソフィアの写真ばっかで、急に犬の画像がドッサリ。パグ、コーギー、ビーグル、プードル…ここまでなら犬種分かる。でかいやつ、なんの犬かサッパリ。眉ひそめて、わけ分かんねえ。
「俺、写真一枚もねえの?」と、眉もっと上げて言う。
グループに書き込む。俺の写真、撮ったか? ジェニファー、速攻で返信。「好きなものか可愛いものしか撮らねえよ。残念だけど、お前、どっちでもねえ。」続けて、四本脚のサメがスニーカー履いて、「LOL」って吹き出し付きの絵文字。
「ハッ!」と、スマホを布団にポイッて投げて、フンって鼻鳴らす。「好きでも可愛くもねえって思ってても、同じクラブのメンバーだろ! ちょっとくらい気遣えよ!」




