FILE:17 ごみステーション
そしてミニスコップで下園さんは、体育館の裏付近を掘り返していた。するとレンズが割れる音が少し響き渡り急いで監視カメラを取りだし校内のごみステーションに捨てに向かい始めたところで僕は、後ろから追いかけて後ろから背中を軽く叩いた。
「下園さんですよね? 今、宜しいでしょうか? お話ししたいことがありますので」
すると下園さんは、いきなりごみステーションに一直線で走っていく。
僕も追いかけていきなんとか腕を引っ張りながら捕まえた。すると下園さんは、悲鳴をあげながらこう言う。
「いきなり何するんですか? ちょっと、やめてください」
「止まるんだ! 殺人未遂野郎」
「何が殺人未遂なんですか? 私は何もしてませんよ」
僕は、下園さんにこう話す。
「嘘をつくのもたいがいにするんだな。今日はごみの日だから埋めていた監視カメラをごみステーションに捨てにいこうとしていたことくらいお見通しだ。 それにいくら足が遅いからって言ってもお腹や足を蹴ったりしてあざと軽い内出血まで作らせて何が面白いんだ」
すると悪そうな笑いをしながらこう言った。
「確かに足やお腹を何回か蹴ったり腕にもしたよ。だけど他の同じチームの人は走るの早くてもコイツが遅いせいで体育祭で優勝が出来ないって思うと無性に腹が立ってくるんだよ」
「人それぞれと言うことを忘れてるんじゃない。足が早い人も居れば遅い人だっている。それに体育祭はプロスポーツでもなんでもないんだ。ただの体育のお祭りだ。言ってみれば運動会の高校バージョンなだけで勝ち負け問わずに自分なりに頑張ることが出来ればそれで良いと思いますよ。 なのに足が遅いからと言ってあざが色んな箇所に出来るまで蹴ったりして君のしたことは、いじめを超えている。 もう少し発見が遅ければ彼女は死んでいた可能性が高いってあのあと病院に受診したら医師が話していたよ。 つまり殺人未遂の罪に問われる上に監視カメラのレンズをわざと壊したと言うことで器物破損の罪にも問われます。一つ聞きますがお腹を蹴ったりされるとどうなる可能性が高いかくらい女性なら分かりますよね。答えてください」
下園さんは、質問について答え始める。
「そりゃ、お腹の場所によっては出血しやすくなったり赤ちゃんが産めなくなる身体になったりする可能性が高くなると思いますが」
「その通りだ。 もしこれで彼女が将来君のせいで赤ちゃんが産めなくなったことが分かると君の罪は、増えることにもなる。仮に法律で裁かれなかったとしても君の罪は、増えることには変わりないことになる。しっかりこれから刑務所に行って反省してくるんだ。いいですね? 」
すると下園さんは、泣きながらこう言った。
「確かに体育祭とは言え酷すぎることをしてしまったな。本当にすいませんでした」
僕は、手錠をポケットから取りだし下園さんの左手に手錠をかけた。
「下園 弓美を8時1分頃、殺人未遂及び器物破損の罪で現行犯逮捕する」
こうして僕は、下園さんを現行犯逮捕し、校長室まで連れていき校長先生に説明をしてから下園さんは、刑務所に直行で送られて行った。
その後下園さんの罪は、殺人未遂の罪もあるため懲役は、7年と言い渡された。
僕は、朝日さんが事件翌日に病院に行き幸い通院で行けることが分かったのだが女性の気持ちになって考えてしまい将来彼女が赤ちゃんを産めない身体にならないかの不安があったため医師に聞いてみた。
「先生、朝日さんは、赤ちゃんを産めない身体にならないのでしょうか? 」
「必ず大丈夫とは、やはり蹴られて衝撃を受けている箇所も酷いため言えませんが、恐らく問題はないと思います」
そして僕は、学校に戻り保健室で休んでいた朝日さんにその事について勇気を出して話してみた。すると朝日さんは、少し恥ずかしそうにしながらこう答えた。
「確かに万が一赤ちゃんが産めない事がそのときに分かると悲しいし、すごく苦しむと思うけど、もし餅田くんが私の彼になってくれてずっと一緒にいてくれるのなら私はいつか幸せになれると思います」
「いきなり何を言ってるんですか? 僕が朝日さんの彼女になんて… 」
「そのときは、良かったら私の幸せのために私の彼になってくださいね♡ 」
こうして元気を少し取り戻してくれたのは、良かったのだが何処と無く告白をされてみたいで少し返事に困る僕なのであった。
「嬉しいけど、少し話がずれているような気がするのですが…」




