(8) 謎最強フード参上っ!!
「なんでこんなところにリッチが居んのよ!」
「落ち着けリリア!」
「知らないわよ!あんたが行こうって言ったんだから責任取りなさいよ」
「んなこと言っててもしょうがねぇだろ
お前の魔術で何とかならねえのかよ」
「リッチには聖攻撃しか効かないわよ」
「くそっ!セルフィアは何やってんだ!!」
オオオオっ
「くそっこいつら無限に湧いてくるぞ」
「リッチ本体を攻撃しないとホネの方ばっか叩いても意味ないわよ!」
「んなことわかってるよっ!」
「そうだ...ニヤっ
俺はセルフィアを呼んでくる!
リリアはここで足止めを頼む!」
「え?は?なんで!私を裏切るの!!!?」
「時間が惜しい!頼んだっ!」
「へへっ 《速度上昇》!!
俺は聖剣使いの勇者だからな...
リリアをここで失うのは痛いが〈魔術師〉ならほかにいくらでもいんだろw
そいつを勇者ってことにしておけば問題ないだろう...くくくww
んなことより、リオネルの奴は何してんだよ
こーゆー時に囮になってこそだろ!くそ!あんな役立たず...」
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「くっ、もう無理だ...」
リッチ「ニンゲンハ愚カダナ サア、オマエモワタシト一緒二......」
「誰が骨になってまでも操られるか...
こうなれば仕方ない...ダンジョンごとぶっ壊してやる!」
「《自爆》!!」
「ナニヲスル!」
「もう遅い!!さらばだ......」
―――はあ、ここであたしの人生も終わりか...
短かったな...
勇者だからって少し傲りすぎたかな...
いやいや、何言ってんの、勇者なんだから強くあらないと
父さん......ごめん... ―――
ぴかあああああ
「ク、クソぉぉぉぉぉ!」
―――はあ、あたし、なに泣いてんだろ
そっか...死ぬのが怖いのか...ははっうける
勇者のあたしが裏切られて自爆ね... ―――
「《聖雨》!!リリアさん!」
「...はっ!セルフィアっ!」
リッチ「グワあああああ」
「よし、やったわ!リリアさん!無事だった?」
「うわーー泣セルフィアあぁ、怖かっだぁーありがどー泣」
「無事ならよかったわ ところでリリアさん、もうソレ解除して大丈夫よ」
「う、う、うううう!!」
「どうしたのそんな顔真っ青にして......もしかしてソレ...」
「うわーーん!どーやって解除すんのこれ!!」
「リリアあなた解除の仕方もわからず使ったの?」
「だって、だって...
そんなことよりセルフィア!ダンジョンから早く離れて!」
「そしたらリリアさんはどうするの!それにまだ、リオく...リオネルさんが!」
「私はどうしようもないから!それにあの荷物持ちと聖女のあんた、どっちが大事かよく考えなさい!!」
......
「私やっぱりリリアさんのことは置いて行けない!!」
「何か手はあんのっ!!?」
「ううっ...!!」
「どうすんのーー!!」
はあ、仕方ないな...
観戦はこのくらいにして助けてやるか...
「『匿名のローブ』装備!《転移》!」
しゅううん
「えっ!だれ!?いいからここから離れなさい!もうすぐあたしは大爆発しちゃうの!」
「《強制解除》」
「え?自爆スキルが...収まった......?
でも一度発動したら解除は...」
―――《強制解除》
スキル自体はB級だが癖が強いスキルで使い方によってはS級相当ともいえる
名の通り相手が発動中またはチャージ中のスキルや魔術を解除できるわけだが
条件が相手への接触、さらに解除対象の残りMP量を上回っている必要がある
中距離戦になる対〈魔術師〉戦には全く役に立たないってわけだ
リリアが自爆スキルで大幅にMPを消費してくれていて助かった
「あんた誰...」
「俺は...ん...俺は......」
やべっ名前考えてなかった...
そうだな...
「ヴィクタ...そう、俺の名はヴィクターだ
ではさらば」
「あ、ちょ、待ちなさ...」
「ありがこうございました!!」
「あ、あ、ありがと...」
あのロリガキが照れながらお礼言ってくれたぜww
そういや...ロリっつても同い年なのか...
それにしてもヴィクターって...なんとも厨二らしい...
まあ、失われた古代言語での意味だから誰もわからないか...
さてさて、引き続き
セルフィアたちの様子を観察するか...
A級スキル《憑依》
自分よりレベルの低いヒト以外の生き物と感覚を共有できる
同時に2体までが限界だし、操ることも難しいのが弱い点だ
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へたっ
「よかった、ああ、安心したら腰が...
ありがとう、セルフィア」
「私もMPがほとんど残ってないわ、油断しないで」
「もー、セルフィアは真面目だなあ
さっきリッチは倒したんでしょ」
ザッザッザッ
「しっ!なんか来るわよ」
グルルルル
「し、シルバーウルフ!!」
「しかも群れじゃないの!どうするのセルフィアっ!
私たちほとんどMPが...!」
「リリアさん!ちょっと落ち着きなさい、
私が残りのMP全部使って相手の目くらましをするから、リリアだけでも逃げて!」
「でもそしたらセルフィアが......」
「ほかにどうしろってんの!!」
「セルフィア...
ごめんっ...!」
カランっ
「これは...?この色......
セルフィアっ!!MP回復薬よ!!」
しゅっ
ぱしっ、ポンっ
(二人)ごくごくっ
シャイイン
「《閃光》!」
「《闇球》!」
シュウウウウ
ぱらぱら...
「な、何とか追い返したわね...」
「なんでこんなところにS級モンスターが...」
「それにリッチもS級でしょ、
さっきまで敵はあんなに雑魚かったのにこんなに急に強くなるものなの...?」
「それよりリリアさん!そのMP回復薬はどうしたの!
MP回復薬って確か少し前に宮廷魔術師たちが開発に成功したとかでまだ市場には出回っていないはずなのに...それにあんな一瞬で最大まで回復するものなの...?」
「どうしたのって、あそこに落ちて...」
(二人)「「はっ!ヴィクター!!!」」
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ふっふっふっふっふっ......
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〈リリア〉-勇者-
・レベル 310
・種族 ヒト
・天職 魔導士
・武器 魔力増強杖(S級)
・スキル 闇球、自爆、...etc...