3何でなの?
すごい音がしたとき、僕は無傷。僕の前にあるのは、大型トラック。ではなく、七瀬くんだった。七瀬くんは立っていたけれどすごく血だらけ。
七瀬くんはこっちを振り向いて笑った。血だらけなのに。そのあと七瀬くんは座り込んだ。
「あれ?なにこれ」
七瀬くんは何もなかったように、血を眺めてる。
「何これ。じゃないです。僕が轢かれそうになったとき、自分から飛び込んで来たんですよ」
僕は泣きそうなのをこらえてる説明する。周りにいた人が救急車とか警察を呼んでいる。
「へー。そうなんだー記憶にないなー」
七瀬くんは他人事のように言う。その後もちろん七瀬くんは病院に運ばれて、もちろん僕は警察に話を聞かれた。警察に話を聞かれたあと、七瀬くんのいる病院に行った。七瀬くんは、ベッドの上で寝っ転がっていた。
「あ、拓人くん!みてーミーラみたいー!」
たしかにたくさん包帯が巻かれている。けど…笑い事じゃない。
「何で自分から飛び込んだんですか?」
僕は聞いてみる。
「うーん、あんまり飛び込んだときの記憶覚えてないんだよね無意識?」
え?む、無意識?!なんで?無意識人を助けるってある?
まあ、七瀬くんならありそう。
「でも、僕なんか助けて意味あります?」
僕はとりあえず思ったことを言ってみる。
「……」
七瀬くんは何も言わない。やっぱり。僕はを必要としている人はいない。
「馬鹿なの?」
「え?」
七瀬くんから帰ってきた言葉が意外すぎる。
「…助けて意味がない人間はいない。俺は小さい頃からそう教えられていた」
「…そんなこと初めて言われた。」
僕が大切なんてほどんど言われない。なんか笑えてきた。
「あはは」
「なんでわらってるの?そんな変なこと言った?俺は真面目なことを言った気がするんだが」
「不思議ですね。なんか七瀬くんといると僕が僕じゃない気がします」
「?」
これがちゃんとした知り合い的なものなのだろうか。もう、泣きたいのか笑いたいのか分からない。なんでだろう。