第3話 雷光の鎖
奇跡の1日2話更新
翌峰 雷斗様貴方の能力は・・・・・・
Mアビリティ:寿命を使うことで武器に電気を通すことができます
一目見たとき俺はものすごい使い道がある能力なんだと理解した。
そして続いてSアビリティを確認した後俺は戦い方を完全にマスターしたと言っても過言じゃないくらい次々と現れる敵を倒すビジョンが見えていて。
俺の前に何人もの跪く人々。そして命乞いをする敵の首元へ鎖を巻きつけ生殺与奪を握ること。
このデスゲームをやる前だったら絶対こんなことできなかった。そして俺は・・・・・・
「さぁ、殺し合い・・・・・・始めようか」
目の前に立つ鎖を持つ男。その男の右手に巻き付かれた鎖は一度外されていく。その代わりに凛は解放されたが、気を失っているため特に問題がないと考え彼は一度凛から鎖を外したのだろう。
「お前は静電気でピリッとした感覚味わったことあるか?」
「は?そんなの誰だってあるだろう」
いきなりなんなんだこいつは。
静電気の話なん・・・・・・て・・・・・・
「・・・・・・ハッ!な、なんだこれ・・・・・・ぐっ、体が・・・・・・」
俺の右足に繋がれた鎖からいきなり電流が流れ全身を走るような痛みが襲ってくる。
まさか、こいつの能力は・・・・・・
「まぁ言わなくてもわかるだろうが、電気を使う能力だ。その代わり寿命かなり使うからあまり使いたくないんだよなぁ」
痺れから体が思うように動かず、跪くような体制になるので精一杯な俺に見下すような言い方で彼はそう発しては俺の顎を思いっきり足で蹴り飛ばしてきて。
「・・・・・・ぐっ、ペッ!」
蹴り飛ばされたことで口内が切れ、口の中に苦い血の味が巡ってくる。
俺はそれを吐き出して目の前の男を睨みつけていく。
そして唾を吐き出し横を向いた瞬間を狙ったのか目の前の男は鎖を投げつけてきて、、、、、、
俺はなんとか横に飛び込むようにして避けていく。
鎖が飛んでくるスピードは早いが男は出入り口に立ち俺が逃げれないよう立ち位置を取っているせいか距離はありなんとか避けれることはできて。
ただ、右足が鎖で繋がれている以上自由に動くことはできず、いざとなれば鎖を引っ張られて無理やりあいつのところに連れて行かれてしまう。
それまでになんとかするしかない。
そうしないと・・・・・・死ぬ!
意を決した俺は拳銃を構えようとするも、さっきまで持っていたはずの拳銃が自分の手になくて。
周りを見渡すとさっきまで自分がいた場所にそれは落ちていて。
電流を浴びた影響で落としてしまったらしい。それに感覚も鈍っているせいか落としたことすら気づいておらず今気づいているくらいだ。
そんな愚かさに嘆く暇もなく、次々と目の前から鎖が飛んできて。
「コントロール・・・・・・よすぎだろお前」
かなりの正確さで俺のいる場所へ鎖を飛ばしてきており、なんとか避けていくも、さすがに毎回避けられるわけもなく俺の右腕に鎖があたれば、その場所に打撲するような痛みがあり。
「へっ、痛いだろ?別に電流を使わなくてもお前を痛めつけることくらいできるんだよ。お前如きに寿命を使いたくはないからな」
・・・・・・このままじゃまずい!
いずれ鎖が体中に当たって動けなくなってしまう。そうなる前に動くしかないのだが俺の右足には今鎖があって・・・・・・そうか、そのために・・・・・・
「・・・・・・そんな強い能力ならもう何人殺したんだ?」
「いいやまだだ。鎖を手に入れるのに少し時間がかかってな」
「・・・・・・へぇ、じゃあその鎖は能力で出現させたものじゃないんだな」
「そうやってお前は情報を得るつもりか?まぁ冥土の土産に持って帰ってもいいだろ。俺のSアビリティは鎖を自由自在に操ることができるだ。
鎖を自由自在に操ることができる?
だから俺の場所へ正確に鎖を飛ばしてくることができ、そして捕まえた相手を電流で流すというわけか。
「冥土の土産サンキューだよ、でもそんな話してるから俺はもう鎖を解けたぜ」
そう言って俺は右足がフリーになったことを見せていく。
「は?お前、どうやった・・・・・・?」
わからないもの無理はないだろう。
俺は話をするついでに俺の能力で鎖を切れるナイフを出現させたからな。まぁこの鎖相当硬かったから切れるレベルのナイフを出現させるために寿命を10時間使ったが。
「まぁいいか、お前がそこにいる限り出ることはできないからな。そして俺を突破するのは不可能だからだ」
実際鎖から解放されたはいいものの目の前の男が言う通り現状はそこまで解決できてはいなくて。
鎖は相当レンジの高い武器で攻撃力も高く、能力のせいで自由自在に使える相手。
それに対抗するにはこっちは銃を使うかそれとも・・・・・・え?
目の前の男を見ては次の手段を考えていると、その男の後ろに立つ女の姿が目に入って。
さっきまで気を失っていた凛が立っている。
そんな俺の驚いた顔を見たせいか男は慌てて後ろを振り向き、鎖を投げ飛ばした直後凛の指先から燃え上がる炎が一気に現れて
「・・・・・・っ!!!」
だが、男の鎖の動きも早く凛の体を軽々吹き飛ばして。
男めがけて狙った炎は吹き飛ばされた影響で方向が変わり、何故か俺のいる部屋の周りを覆うようにして炎がメラメラと燃え上がっていく。
そして、ゆっくりとだが確実に炎は強くなっていき、出入り口を塞ぐようにして。
鎖の男は慌てて出入り口から離れ、部屋の中には俺1人いる状態になってしまって。
だが逃げようにも出入り口には炎があり、部屋には窓はなくて。ここから脱出するには燃える覚悟で出入り口に走るしかなく。
たとえ逃げたとしても出入り口に鎖の男が待ち伏せしているせいでそれも実行は困難で。
これは俗に言う詰んだ。という状況で。
「ほら早く出てこいよ?そうしないと一酸化中毒で死ぬぞ?まぁ・・・・・・出てきた瞬間俺の鎖で終わりだがな」
どこか脅しのようなニヤニヤと顔を見なくてもわかるくらいニヤついた声で男はそう叫んでいく。
凛の発した炎は思ったよりも強く、時間なんてそこまで余裕がないことは誰が見ても明らかだろう。
この状況どうする
俺は何をしたらいい
どうしたら助かる
俺は・・・・・・ここで死ぬのか?
鎖で攻撃されることを覚悟で行くか?
いや、それをしても鎖で巻き付かれて電流で終わりだ。
ならここで火が消えるのを祈る?それは無理だ。この燃え上がる炎は簡単には消えない。
時間がない。俺が決断するまでのリミットはあと数分もないだろう。
なんとかするしかない。それはわかっているのがそれができなくて
時間が・・・・・・欲しい
そう俺が祈った瞬間世界は一瞬にして色を失いモノクロのような世界へと変わっていく。
モノクロのこの世界は俺は動くことができない。だが、目の前の男も凛も動かない。それに炎も動かない。
でも息はできる。
そんな時俺はふと意味の理解できなかったSアビリティの存在を思い出す。
Sアビリティ:貴方は止められた時の中でも思考できます
もしかしたらこれが止められた時の中だというのか。
そう理解した瞬間俺は恐ろしい事実を反射的に感じていく。
俺の寿命が1秒毎に300秒削っているということで。
俺がこの世界にいるたびにものすごい勢いで残りの寿命を削っていっていることがわかって。
この世界は1秒で寿命が300秒。
1分で300分つまり5時間使ってしまうということ。
10分もいれば50時間の約2日。
でもさっきの炎に囲われた部屋よりかは考える時間はある。
ここで死んだら残りの寿命なんて関係ない。
ここは俺が生き残る道を考え抜くしかない
「これでも喰らえ!!」
色のついた世界。普通に生活していたはずなのにどこか懐かしくも感じて。
俺は右手に鎖を持って部屋の出入り口へと駆け出して
残り寿命20:14:01:11
ちなみにモノクロの世界には約20分ほど滞在してました