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2話 目を開けると其処には……

遅くなりましたが続きです。

少しでも掲載スピードを上げれるように頑張ります!!

「……一体何の光だったんだ?黒東、お前は大丈夫か」

「ちゃんと生きてるよ。けど、まだ目が開けられないかなぁ」

「俺もだ。けど、ここは教室じゃなさそうだな」


まだ目が開けられないが、黒東の無事を確認でたので心の中で安堵する。


耳を澄ますと、他のクラスメイトの声が聞こえるので教室にいた生徒は無事だと思われる。


とりあえず、先程まで教室の椅子に座っていたのに、尻餅をついていることと、肌触りが教室の床とは違いゴツゴツしているので違う場所に移動していることが分かった。


(けど、意識を失っていた訳ではないのにどうやって瞬時に俺達を移動させたんだ?まるで魔法だな)


「なあなあ、累。凄いから早く目を開けろって!」


目を閉じたまま状況整理をしていると、俺より早く目を開けた黒東が俺の両肩を思い切り前後に揺さぶってくる。


「分かったから揺らすな、馬鹿!」

「ぶへっっ!!」


目眩がしそうだったので俺は、両手を前に出して抵抗する。


手の感触から黒東の顔面に直撃したようで、揺さぶりが停止する。


片手で目を擦るとそこには信じられない光景になっていた。


まず、俺達の周囲には大勢の鎧を纏った騎士達が並んでおり、床や壁はゴツゴツとした岩で出来ており、真下には何やら文字や模様が描かれている。


(もしかして、魔方陣?)


周囲をまじまじと見ていると黒東を含め他の生徒も周囲をキョロキョロしている。


すると騎士達が一斉に膝をつき体勢を低くし、中央に間を開き始めていき、その間から二人の人影が俺達の前に現れる。


一人は長身の金髪碧眼で上下白のいかにもな貴族衣裳を見に纏っている。襟元や胸元には金の刺繍が施され、左肩には青いマントがかけられている。


もう一人は肩位のゆるふわウェーブの栗色の髪をした少女。床に届いている長い白ベールに白のシスター衣裳で、男とは違い少女の方は豪華な刺繍がなくとても質素である。


「そこにいる少年少女達よ、よく聞いて欲しい。私はアルカディア王国の皇太子のセドリック・アルカディアでる。そして私の隣にいるのが―」

「巫女のルーチェ・フェリアです。異世界の皆様をこの地に召還させて頂きました」


二人の言葉に皆動揺を隠せずざわついている中、


「異世界召還ってアニメや漫画の定番だな。何かワクワクするな」

「……」


こそっと俺の耳元に囁く黒東に俺はため息をつきそうになるが、皇太子と名乗った男の前でため息がばれると不敬罪で捕らえられても嫌なのでぐっとこらえる。


そんな俺の心中を知らず黒東はとっても嬉しそうな顔を隠していないので、この中で一番神経が図太いのかもしれない。


「この国に災厄は訪れる時、異世界の方々が救済すると伝説があります。皆様はその適正を満たしているため我々の世界に召還されたのです」


「適正って、俺達ただの学生なんですが……」


恐る恐る手を上げながら発言したのは、生徒会副会長の小金井 勇だった。


小金井は成績優秀、剣道の腕は全国大会に出場する程の実力を持ち、その人柄の良さから二年生ながら生徒会副会長に抜擢されている。


普段昼休憩で昼飯を食べた後は、中の良い友人とサッカーやバスケで遊んでいると思ったが、どうやらまだ教室にいて召還に巻き込まれたようだった。


「この状況で発言するとは中々胆力があるな。どうやら君達の世界には魔法がなかったようだな。だが案ずることはない。君達の魔法適正は調べることが出来る」


小金井の発言にセドリック皇太子はきちんと答えると同時に、小金井の胆力に感心を持ったようだった。


セドリック皇太子はパチンと指を鳴らすと数人に騎士が大きな鏡を運んでくる。


「この鏡は皆様の魔法適正とステータスを確認する神鏡です。ステータスに関してですが、レベル1だと筋力、耐久、鋭敏、魔力、幸運の5種類あり、平均で10~15の数値だと思って下さい。」


「まずはそこの少年からだ。この神鏡の前に来るがいい」

「……はい」


ルーチェの説明の後、セドリック皇太子に指名された小金井は鏡の前に移動する。


「どうすればいいんですか?」

「怖がらなくても大丈夫ですよ。両手を神鏡にあててください」

「はい」


小金井の緊張をほぐすようにルーチェは柔らかな笑みを向ける。


笑みを向けられた小金井は頬を赤くしてはいたが、気持ちのいい程の大きな返事をした後に鏡の前に両手をあてると鏡が輝きだす。


鏡の前には―


小金井 勇

レベル1

魔法属性 光

筋力 20

耐久 18

鋭敏 17

魔力 20

幸運 19


という文字が写し出されると、騎士達から大きな歓声が上がり、小金井や俺達はビクッと驚いてしまう。


「皆静まれ!驚かしてすまない。高いステータスを持っていることにも驚きだが、光属性は希少な属性でね、騎士達もつい興奮してしまったようだな」

「はあ……」

「何だその覇気のない返事は、これから君達には強くなってもらわないと困るのだがね、未来の勇者殿」

「は、はい!気を付けます!」


セドリック皇太子から未来の勇者認定を受けた小金井を見て、女子達が小声でキャー、キャー言っている。


皇太子や巫女の前で大声を出さないように気を遣っているのだろう。


「いいな~、小金井のやつ。異世界でもチヤホヤされて」


黒東は口をすぼめながらぶつぶつと文句を言っているが、小金井とそこまで親しくない男子は俺を含めて一緒の心境だろう。


「俺が一番になってしまったが、皆は出席番号順に鏡へ来るといい。その方が隔たりがなくていいだろう」


さらっと仕切りだす小金井に俺と黒東は思わず、


「「マジかよ……」」


つい、ハモってしまった。

ちょこっとキャラクター紹介

黒東 文也(16歳)

誕生日 7月8日

身長 178㎝

体重 63kg

陸上部に所属(小学生の頃に足の早い子はモテるジンクスがあったから)

しかし、小金井に人気を持っていかれ彼女なし。

足の早さは学校一番で後一歩で全国を狙えるほどの実力の持ち主。

アニメや漫画は好き。

朝早く起きて録画したアニメを視聴し、登校途中にコンビニで立ち読みしてから朝練に参加している。

累とは小学生からの幼なじみで親友。


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