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僕と彼の異世界征服活動記  作者: らる鳥


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 著名な武人、剣聖スフォルト。

 著名な軍人、大将軍バハル・ゴルザー、近衛騎士長デューグ・シェイロ。

 偵察の結果、どれも脅威に値せず。


 魔術は存在するが、扱うには資質が必要。

 現在では優れた資質を持つ魔術師が減少している為、やはり脅威に値せず。


 魔物が存在し、過去には魔物を統べる王、魔王も存在した。

 魔王は八百年前、異世界より来た勇者と聖神教の巫女、聖女の手で封印。

 王都周辺の魔物は弱く、人里を離れる程に強い魔物が出現する様になる。

 要調査項目に勇者、聖女、魔王、魔物を指定。


 聖神教はこの世界、ミズガルズオムを生み出したとされる神、光の聖神を崇める宗教。

 人間種族の間でのみ信仰され、排他的で他の宗教を弾圧している。

 また魔王が討伐された際、聖神は人間にのみ加護を与えたと説く。

 人間以外の種族や、異教徒を奴隷として扱う事を認め、推奨している。


 ミルクトセイラ国、グランドリア大陸の中央部では三大国家の一つに数えられる強国。

 他の二国はルードリム聖教国とフォウン帝国。

 共に聖神教を国教とする。

 


「異世界の勇者、ね」

 ありがちな単語が出て来た事に、僕は思わず苦笑い浮かべる。

 何でも勇者は魔王を倒す為にこの世界を訪れ、光の剣で魔王と戦い、傷を負わせて弱らせた。

 しかしそれでも魔王を殺し切る事は叶わずに、光の杖を持った聖女が魔王を封印したそうだ。


 光の剣に、光の杖か。

 光の杖(ひかりのつえ)って読むと攻撃力がなくて弱そうなイメージだが、光の杖(リボルケイン)と読むと途端に絶望感が漂い始める。

 ……まぁさて置き、光の剣は魔王討伐後、勇者と共に失われて、光の杖は聖神教の宝として厳重に保管されているのだとか。


 少し、怖い気もする。

 仮に光の杖が実在したとして、それが神の力の宿った遺物や太古の秘宝だった場合、ヒーローになれてしまうアイテムかも知れない。

 ヒーローが出てくる可能性は、出来得る限り潰すべきだ。

 何とか奪う、或いは破壊する手も考えて置こう。

 尤もどんなに可能性を潰しても、次元や世界を渡る系のヒーローなんてとんでもないのがサラッと出て来るので、完全に安心は出来ないのだけれども。


 だが、そう、世界を渡る現象は、僕等以外にも起きていたらしい。

 情報入手作戦を指揮していたカラミティ・クィーンは、今は静かに傍に控えてる。



 ミルクトセイラ国に、僕等の脅威となりそうな存在が居ない事は、まず確実だ。

 名の知れた武人やら偵察ユニットを使っての観察、計測もしたが、脅威となる値は出なかった。

 そもそも僕等の脅威になれる様な存在が居たら、竜、ロゴスに国境地帯を好きにさせていただろうか?


 竜であるロゴスとは友好的な関係を結べた。

 ロゴス基地の支部長に任命したカミツキガメリウスも引き合わせたが、彼はあの竜、ロゴスに気に入られたらしい。

 何でも外見が竜に似てるからとの事だったけれども、……カミツキガメってそんなに竜に似てるかな?

 まぁ人間よりは似てるか。


 兎に角、今の所、憂いはない。

 そろそろ、もう少し大きく動くべき頃合いだ。


 このミルクトセイラ国を落とす事自体は、そんなに難しくはなかった。

 否、寧ろ容易いと言って良い。

 シノビオウルやホオジロ、機人グラールを送り込めば、彼等は簡単に城を陥落させるだろう。

 王族に逃げ延びられると厄介だと思えば、カラミティ・クィーンが出向けば取り逃がしも防げる。


 しかし難しいのはその後の支配だ。

 支配をセットにしなければ、征服とは言わない。

 単なる破壊に終わってしまう。


 少人数で城を破壊して王族を殺し尽したとして、果たして残された民が僕等に従うだろうか?

 恐らく答えは否である。

 ミルクトセイラは大国になるらしいので、各地の貴族や都市の軍が個別に抵抗すれば、虱潰しにするのは面倒だ。

 何せ僕等は強いが、数が少ない。

 だから破壊は容易く、支配は難しかった。


 それに都市の軍を虱潰しに潰した所で、民が逃げ出し流出すれば、支配を行う意味は薄れる。

 この国から得る物も得れず、飢えと暴力と死が蔓延するだけだ。

 例えは悪いが、魔物の群れに国が滅ぼされたのと大差のない結果に終わってしまう。



 だからこの国を纏めている頭を力で潰す事は、あまりに効率が悪い。

 そもそも僕等は、支配したこの国の管理に、ひたすらに時間を割く心算もなかった。

 改革は行うし、利益もこの国から得る心算だが、体制の維持には別の誰かを使う。

 羊の群れの統率は、賢い羊か牧羊犬にやらせるべきだ。

 僕等は羊の数を増やしながら毛を刈り、偶にその肉を喰らうだけで良い。


 故にこの国の支配機構を、そっくりそのまま奪い取る事が理想だろう。

 つまりは王と言う存在をそのままに、彼に僕等に頭を下げさせる。


 ミルクトセイラの王の名前は、……なんだっけ?

 ちょっと思い出せないけれど、まぁ別に良いか。

 場合によってはその子供か、または家臣の誰かに挿げ替えさせるかも知れない相手だ。

 大事なのは王と言う存在であって、それが誰であるのかは、僕等には関係がない。

 使える、忠実であるとわかってから名を知れば、それで充分である。



 なので次に行うべきは、秘密結社スコルの名を知らしめ、王の心を圧し折る準備だった。

 あぁいやその前に人手の増加、新たな怪人の作成も、そろそろ行う心算だけれども。



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