駅前にホームレスがおるで!
1996年、小3の時。友達から
「駅前にホームレスのおっさんがおるで!箱に『お金恵んでください。困ってます!』って書いてるで!」
「お金入れたん?」
「10円入れた。おぅって手振ってくれたわ」
1996年当時の大阪では、ホームレスと言ったら長居公園か天王寺動物園のイメージだった。
天王寺動物園では毎日ホームレス達のカラオケ大会が開かれてた。
さらにそこには、詩人のホームレスもいて、達筆な字で
地球で寝る!
と書かれた物が300円で売られていた。
感動して買いそうになったが、300円もするのかと諦めた。当時小3である。
今は長居、天王寺ともにホームレスはいない。
話し戻って、1996年地元の駅前。
見に行くと、段ボールを地面に敷いたおっさんがいた。服装も汚くて浮浪者そのものだ。変な帽子もかぶってる。
友達の言った通り、『お金恵んでください。困ってます!』と側面に書かれた段ボールもあった。
あの段ボールに金を投げたら良いのか。そこにはすでに30円入ってた。
僕は7円投げた。ラッキーセブンって事だ。
おっさんは笑顔で「おぅ」と言ってくれた。しかし、手は振ってくれなかった…
手を振るのは10円からなんかな?
若干ヘコんだ。
3日後の全校集会で校長が
「駅前のホームレスに近付いてはいけません!お金もあげてはいけません。今、警察の人と協力して、引っ越して貰おうと頼んでます」
しばらくすると、おっさんはいなくなった。
天王寺か長居公園に行ったんだろうか?
あ〜いう人の住む場所は、どこかに固めるべきなんだと学んだ小3の夏。
1人だけ別の所に住むと追い出される。




