競艇アカンのかな…
2010年から売り上げが伸び続けている競艇。うなぎ登りである。
なので、競艇選手や競艇業界の人に対して全く文句は無い。
競馬好きな僕から見ても競艇の人達はよく頑張ってると思う。
問題はファンサイドだ。
昨日、歯医者の待合室で待ってたら、後からグラサンをかけて、ポケットに手を突っ込んだ見た目チンピラのおっさんが入って来た。
受付の女性に大きい声で
「歯ぁ痛なってん!歯ぁ。今右だけで噛んでるねん!助けてくれや!」
デカい声の奴にロクな奴おらんな。
あと、人は見た目やな。
そう思ってると、おっさんは向かいの椅子に座り、スマホから大音量で競艇チャンネルを流し始めた。女性アナウンサーが
三国第2レースは6号艇が1番人気。続いて1.4号艇が人気となっております。
うるさいなぁと思いながらも、あえて話しかけて見た。僕もヒマだったのだ。
「競艇やるんですか?」
「おう?そうやで。競艇見てるねん!」
「競艇って1号艇が強いんですよね?6号艇1番人気の三国2レース荒れるんちゃいますか?」
「ここは6来るやろ」
別の場所のレースが始まるのか、モーター音がうるさくなった。僕はおっさんに近付いた。
おっさんは意外にも映像を見せてくれた。スタート位置を決める所で、4号艇が外に出された。僕はおっさんに
「これ、4号艇ミスりましたね。外にやられとる」
「おう!けどな、桐生は1流の選手やから何とかしよるで」
「…ここ歯医者やし音下げた方が良くないですか?」
「モーター音聞かな競艇ちゃうやんけ」
「そうっすか。おっちゃん何番から買ってるん?」
「今日は電話投票がな、調子悪くてな、買えてないねん。4から行きたかってんけどな」
「4スタートの位置取りミスったから買えんで良かったじゃないですか」
レースが始まった。1ー4ー3で決まった。
「おっちゃん4の選手上手いなぁ!スタートミスから2着持って来たやん」
「桐生は1流やからね」
そう言うと、おっちゃんはスマホを切った。
「三国2R観ないんですか?」
「もう、今日は買えんからいいわ。家で結果観てくれや」
「6来るか観ましょうよ」
「もう今日は勘弁してくれや」
なぜか俺が「観たい」と言う変な展開になったが、待合室は静かになった。
僕は名前を呼ばれて部屋に入った。
ちなみに5月22日の三国2Rは4ー2ー3で荒れた。
客層は競馬の方が良いんちゃうかな。
競馬のおっさんはラジオにイヤホン差して聞くし。
静かに聞いてる時点で競馬の勝ちやね。




