異端者(ヘレティック)との戦闘前夜
※ボス戦前の茶番です。
僕にとってはグロくはないですが見る人たちにとっては刺激が強いかもしれないですね!
階段へと僕達は歩いてきた。
ここは最上階でこれより上は屋上のみだ。
先ほどの茶番があって以来この巨体とは話していない。
話すとめんどくさくなりそうだから話したくないのだ。
それにしても…敵のネクロマンサーの位置がわからない。
僕が階段でどちらに行こうか迷っていると大剣を持ったスケルトンが屋上に続く階段の方から歩いてきた。
スケルトンは僕達を確認すると。
残りの階段を利用して僕達に飛びかかってきた。
戦闘に身構える僕。
しかし巨体は僕の背中を引っ張る。
「貴方様っ!!そんな所にいたら真っ二つになりますよ!!」
僕は巨体の強い力によって後ろに2歩下がった。
その時だった。
着地と同時に振り折された剣は先ほど僕のいた場所の地面をえぐった。
あんな攻撃を受け止めていたら僕はひとたまりもない。
冷や汗とともに安堵の息がでる。
安心している暇はない、その攻撃をした主は僕の前にいるのだ。
次は、確実に僕達を攻撃してくるであろう。
しかし、スケルトンの体はもう動くことは無かった。
大剣と衝撃が筋肉のない骨だけの腕にダイレクトで伝わった。
地面をえぐる威力をもつそれを骨では耐えることは出来なかったのだ。
骨は手から崩れさりガチガチと音を立て頭蓋骨は巨体の足元に転がっていく。
恐れていた事が起きてしまう。
あの顎に巻き込まれたら…。
骨まで砕けてしまう…。
僕は全身が固まってしまい動けなかった。
「あ…が…逃げ…」
僕の心配は無用だったのか。
巨体は転がって来る頭蓋骨を足で優しく受け止めた。
もちろん顎の部分ではなく後頭部だ。
「ごめんね」
そう言うと巨体は自らの重さを頭蓋骨に乗せる。
メキメキと言う嫌な音が聞こえたあと。
バキッという音ともに足元にあった頭蓋骨が崩れる。
頭蓋骨を潰す巨体の顔はどこか悲しい顔をしていた。
僕はなぜ悲しそうな顔をするのか理由がわからなかった…。
「さて、一撃必殺の下僕を配置しているんです多分敵は上にいるでしょう」
そう言った巨体は階段をゆっくりと登る。
僕も巨体に合わせるようにしてゆっくりと登る。
息を切らしながら、膝を抑えながらゆっくりと。
半分まで登って折り返しの曲がり角まできた。
巨体は壁に持たれるとその場に腰を下ろした。
「ハァッ…ハァ…あそこが屋上の扉です…」
「ありがとう…ゆっくり休んで」
僕は巨体を置いて1人で階段を進んだ。
2段登ったところで巨体に腕を掴まれそのまま引っ張られる。
バランスを崩し倒れる体は巨体の体によって受け止められ怪我をすることは無かった。
ぽよん…。
あ、やわらかい。
「ごめん…」
不思議な気持ちになった。
「ナイス!肉ぶとん!」
巨体が親指を立て僕に笑顔を向けている。
この笑顔をみても悪い気はしないが階段を登る僕をなぜ引っ張ったのだろう?
「作戦会議をしましょう!」
階段から引っ張らたままの僕はまだ巨体の体に支えられていた。
「とりあえずこの体制をどうにかしてくれないかな?」
「作戦会議をしましょう!」
どうやら作戦会議をするまで離してくれないようだ。
僕は観念して作戦会議をすることにした。
解放してもらった僕は曲がり角に座る。
「作戦会議をします!」
「はい」
「私は戦いません!」
僕はまた無言で階段を上った。
作戦会議なんてひつようなかった。
最初からそうするつもりだった。
「まって♥」
またしても腕を掴まれ引っ張られる。
ぽよん…。
あ、やわらかい。
「じゃあ作戦を説明しますね!」
「作戦はわかりましたので離してくれない?」
「えーっとですね私は戦いませんが、一緒に行かない訳では無いですよ?」
ちょっと言っている意味がわからないや。
死にたいのかな?
「私が何のために人型なのかわかります?」
「…?」
謎の質問にきょとんとしてしまう。
「さっきのスケルトンを見ましたよね?」
スケルトン…?スケルトンならいっぱい見てきた…
「魔法使いのスケルトンの魔法はどうなりましたか?」
「失敗した!」
思い出した!魔法使いのスケルトンの事を魔法は使えなかった。
だからどうしたと言うのだろう?
「私は召喚される異端物としては珍しく声が使えるんですよ、そして魔法の真似事が出来るんです!」
おぉ!心強い!
「やったね!」
「でも私、魔法では無いので詠唱は無いのですが少し立ち止まらないと行けないんです。」
「なので私は前に出ずに後ろで貴方様の支援をしたいのです。」
支援とはなんだろう…?
疑問はあるが一刻も早く行かなければ和が危ない。
「わかった。僕が前にでて敵を引き付けるよ?だから早くこの体制をどうにかしてくれないかな?」
「ぎゅー」
何故かハグされた。
「くれぐれも死なないように…」
巨体は背中を押して倒れかけている僕を立たせてくれた。
屋上まで登り切った。
息切れする巨体と共に。
そして屋上への扉に手をかける…。
すぅぅぅぅぅぅいまんでしたぁぁぁぁぁ!
書いてる途中で楽しくなってですね…
茶番の方をさせて頂きました。
次回は真面目に戦闘します。