第5話 至って真面目。そして合理的。
「はぁー…ここ部室か?」
「そうだよ。たまたま見つけたんだ。ここにあった異星人研究部は廃部らしいし、ちょうど良かったじゃん。」
「そうだろうけどさぁ…」
「ま、細かいことはいいじゃないか。とりあえずは今を楽しもうよ。」
「…ところで、あと1人はどうするんだ?」
「…それが見つからないんだよね、何故か。」
当然だ。ってか葉月ってこんな天然だったっけ?
「…やっぱり、どこかで会ったっけ?」
「はぁ?何言ってんだ。俺らはこの前会ったばっかりだろ?」
「ふふ、だよね。」
「…じゃ、俺は帰るぞ」
「うん、じゃあね…」
ガチャ、パタン。
「どうしてだろう…」
「……どこかで…会ったかな?」
~~
翌日。
それは放課後の事だった。
「おい!お前ふざけんなよ!」
「何だクズ。お前の相手をしてる暇はない。じゃあなクズ。」
「…ふざけんなやぁ!!」
バキッ
「大丈夫?」
「…誰だ?」
「さあ、ね。」
「葉月さん何やってるんですか」
「ああ、蒼河君?それじゃあね」
「待て。」
「?」
「人助けのつもりか?言っておくが、お前らに礼は言わないぞ。」
「いいよ別に、そんなのいらないし。」
「…クズを殴るのは自分もクズだと言うのを理解できないのか?」
「生憎理解できないね。僕の脳みそは都合の悪いことはすぐに忘れちゃうみたいだ。」
「学年トップレベルの奴の脳みそがそんなんじゃねえ?」
「君、面白いね。そうだ、僕らの部活に入ってよ」
「断る、他を当たれ。」
あいつ性格悪いな。絶対友達いねーよ。
「いやあ、それじゃあね」
「また明日」