第2話 再会
その高校の3つのコースというのは、特進、進学、普通の3つのコースだ。
俺はその中の普通コースなわけだが…
そう、それは入学式の事だった。
俺が確認した。特進のクラスに、あの名前がある事を。
あの懐かしい、そして俺が傷つけてしまった人の名前があった。
葉月 里奈
入学式が終わり、いくつかの説明を受けた所、各クラスでの自己紹介があった。
高校は正直不安だったけど、金剛亮って言う友人も出来たし、そこそこの高校生活を送れそうだ。
そんな事を考えていた下校中の事だった。
「んだぁ!?お前何様やぁ!?」
「君の気持ちも分からなくもない。現に彼女の容姿は校内でもトップクラスだ。だけど君はそれで彼女に振り向いてもらおうと考えているのかい?」
「あぁ!?あんま調子乗ってるとなぁ!?」
「ふーん、そんな事言っちゃうんだ?どうする?」
「…あ、あの…その…そういう人はちょっと…」
「…チッ、ムカツク奴や」
「…大丈夫?余計な事しないほうが良かったかい?」
「いいえ、あの…お名前は…」
「別に、それじゃあね」
「あ、ありがとうございます。」
何だったんだ?って…
「…」
顔近っ。
ちょ、あの…
「…だれ?」
「…はは」
ん?
待てよ…
この顔は…葉月?
「どこかで会いましたっけ?」
「…ええと…」
どうしよう。言うべきか。言わないほうがいいかな。いやー。
「…名前は?」
「…そっちこそ」
「…葉月里奈。で、君の名前は?」
「…」
「……まあいいよ。それじゃあね、またどこかで会うかもね。」
~~
葉月…里奈…
何故…
俺の事を忘れたのか?何故忘れたんだ?意味が分からない。
こんな時に大野がいればなぁ…