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prologue
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孤独。
『あなた、どうしたの...?』
私はその意味を知っていた。
人は一度味わったモノは、なかなか忘れられないから。
『可哀想に、この雨でずぶ濡れじゃない...』
それだからこそ愛しく思える"モノ"が、私の目の前にいる。
『もしかして...帰る場所がないの?』
"ヒト"ではなく、"モノ"。
後でそれがここにいてはならない生物だと気がついたのだが...。
『だったら、私の家に来ない?』
私は既に、化物をも愛せるヒトになっていた...。