4話 腹黒美少女と下校イベント(脅し)
「というか、お前は俺に一度素を見られても、猫を被り続けると思っていたんだが」
「いやもうバレてしまったものは仕方ないでしょう。それにあの完璧美少女を演じるのは結構疲れるんですから」
「そういうものか」
「そういうものですよ」
「さて、本題に入りましょう。単刀直入に言います。とりあえずスマホのロックを開けて、それを私に渡してください」
「嫌だよ。というかなぜ?」
「LIN○やInstag○amといった多数の人間に情報を発信できるアプリで、貴方が私の秘密をばらしていないか確認するためです」
「はぁー。そんなことするかよ。俺にどんなメリットがあるんだ?」
「た、確かに。でも一応です。念には念をってやつですよ」
再度俺は大きくため息をつき、仕方なく御堂にスマホを渡す。
そうして、御堂は俺のスマホのそういったアプリを確認するも・・・
「LIN○の友達、全然いないですね。Instag○amもやっていないみたいだし。陰キャ、さすがです」
「それ褒めてるの?貶してるの?」
「もちろん貶してます」
そう言いながらさらに御堂はLIN○のメッセージを確認する。といっても確認するのは中浜のものだけでよい。理由は・・・まぁ、言うのは淋しいから察してくれ。
俺と中浜のチャットを見た御堂が少し顔を赤めて硬直していた。
「なに?どうしたんだ?そんな恥ずかしいものでも見たのか?」
え?何?俺もしかして図らずも変な画像とかアップロードしてた?何それチョー恥ずかしいんですけど。
ーーーー2日前
中浜 女神様今日もすげー可愛かったなぁ。俺もお近 づきになりたい
俺 そうか
ーーーー5日前
中浜 今日女神様が横通ったんだけど、そんときにめ っちゃいい香りした!やっぱ女神通り越して天使だわ
俺 そうかもな
それ以前にも同じような女神様こと御堂小春に関してのチャットが書かれていた。そう言えば、忘れてたけど、コイツ御堂のファンクラブ副会長やってたんだっけ?
これを見た御堂が顔を赤くしてプルプルと震わせ、嬉しそうに少しはにかんでいた。
「・・・嬉しそうだな」
「えっ!?そ、そんなことないです!」
「嘘つけよ」
俺はそう言って御堂から素早く自分のスマホを取り上げ、御堂の顔を写真にとる。
カシャっ
「なにしてるんですか?盗撮ですか?警察に通報しますよ?」
「なに人のスマホ勝手に覗いてるんですか?個人情報奪おうとしているんですか?警察に通報しますよ?」
俺は声のトーンを一つあげてそう言ってみる。
「真似しないでください!」
「ごめんて。それよりほら、これ」
俺はさっき撮った御堂の顔写真を本人に見せる。
「わわわ、私こんな顔を……」
そこには御堂の幸せそうな顔が写っていた。御堂は自分の顔を手で覆って恥ずかしそうにさらに顔を紅潮させる。
「な、言っただろ。お前ははにかんでる顔が一番似合うな!」
「う、うるさいです!」
そう言ってまた彼女は俺のスマホを取り上げて確認する。
「と・に・か・く!特に怪しそうなものはないですね。貴方は友達も少ないし、Instag○amもやってないですし」
「そうだろ。んじゃ返してくれ」
「そうですね。では」
御堂は俺にスマホを返そうとして・・・
「これ……は……」
腹黒美少女の目に止まったのは、中浜が勝手に入れた美少女アプリだった。