23話 腹黒美少女は約束を守る
【今日、私の買い物に付き合ってください】
御堂がそうメッセージで言ってきたのは席替えがあった日の翌日であった。
は・て・な
【なぜ?俺何も悪いことしてないよね?】
【席替えの前に言ったこと、覚えていますか】
そう言われて、過去のメッセージを振り返る。
————
【だろ。隣になったら俺が今日から1か月お前の晩飯作ってやるよ】-8:44
【御冗談を。〇キブリ入りの夕食は食べたくないので、その時はかわいそうな稲庭君に一週間くらいは私が作ってあげますよ】ー8:44
————
え?まさか・・・
【一週間晩飯作ってくれるやつ・・・】
【よく覚えていますね】
【あれ冗談じゃなかったの・・・】
【私は有言実行するタイプの人間なので。一度言ったことは取り消さない人なのです】
どうやら冗談だと思ってた約束は、履行されるようだ。
【ってことで今日の分はあるので、知人に見られないように8時半くらいに最寄りのスーパー集合でいいですか。費用はもちろん割り勘ですよ】
ああそこはしっかり割り勘なのね。てっきり払わせられるのかと思ってた。
展開がご都合主義すぎるッ!フィクションかよッ…!
(※フィクションです)
【多分、先にお店に入って野菜コーナーでも漁っているので、適当に探してください】
【はいよ】
時刻を見ると、現在の時刻は18:21。
「んじゃあまた後で」と打ち、送信しようとしたところで何やらメッセージが届く。
【待ってください。気づきませんか】
【?】
何言ってるんだろう?あと2時間適当に暇つぶして、食材買いに行くんじゃないの?
【ってことで今日の分はあるので、知人に見られないように8時半くらいに最寄りのスーパー集合でいいですか。費用はもちろん割り勘ですよ】
清々しいほどのコピー&ペースト。もはやコピペ。
御堂の暗示している内容がよくわからないので、声に出して読み上げる。
「今日の分はあるので、知人に知られないよう・・・」
「今日の分はある・・・ので・・・」
「今日の分は・・・ある・・?」
【あ】
気づいてしまった。つまり今日入れて一週間ってことだよね。
【い?】
そうじゃないんだよ。どこまで続けますか?違うんだよッ。
※返信が間違ってることだけはよくわかった。
まあそんな罠に俺は引っかかるんだけど。いや俺自ら引っかかりに行っていると言っても良い。
【う?】
さぁどこまで続けるッ!
【そういうことです。ってことで丁度できたので、今からこちらにきてください】
「え」という文字はどこへ・・・




