16話 解決……策?
まず最初に思い付いた解決策。
直接綾波に手を下させない。つまり、他の男子生徒が綾波に告白し、現時点で交際は考えていないと言う。だがそんな振られるために告白する男子生徒はいないだろう。(変態は除く)
二つ目。一ノ瀬がほかの人に惚れるようになるように仕向ける。だが、これは今日という時間的制約が厳しく、またほかの人を見つけるのが難し・・・ん?御堂でいいのでは?あいつは学校では完璧美少女だし、男子ならすぐ惚れそう。
だが、一ノ瀬はすぐにほかの女子を好きになるのであろうか。
または3つ目。漫画や小説でよくある、ごめんなさい私ほかの人と付き合っているので!パターン。
どれにせよ他人をうまく動かす必要がある。
さてどうしようか。
「犠牲者は出てもいいのか」
「んー、あんまり出したくないかな」
「そうか」
どうやら他人を動かすのは無理ならしい。お人好しだな。
「アニメとかでよくあるさ、『ごめんなさい、私ほかの人と付き合っているので』ってやつ、どうかな?」
「はあ・・・」
どうって言われても、君さっき犠牲者出したくないって言ってなかった?それ絶対彼氏役の人、犠牲になるよな。いや、学園トップレベルの美少女と少しの間でも付き合えたら、トータルではプラスに作用するのか・・・?
「ちなみに彼氏とかはいるのか?」
一番重要な部分である。別に俺が綾波のことを好きとかそういうんじゃなくて。
「いないから困ってるんでしょっ!居たらそれこそ『彼氏いるので』で片づけてるよ」
言われてみればそうだわ。
「じゃあ誰を?」
「んー、そうだな...もういっそのこと稲庭君どう?」
「ぶふっ!?・・・げほっげほっ」
「だ、大丈夫?」
「だいじょうぶに見えるなら言うな。あのなあ、お前今なんて言ったかわかってる?」
「稲庭君、私の彼氏にならない?」
「うん。それ」
「え?」
俺の言葉の意味を理解できず、頭をコテンと傾ける綾波。可愛いなチクショウ。ってそうじゃなくて。
「『え?』じゃねーよ。あのさ、君みたいな可愛い子が容易くそういうこと言ったら男子殺しちゃうからね?」
「———!?わ、私可愛いのっ?!」
自分の朱色の顔を手で覆う綾波。あわわわってなっている。
この無自覚め。
って俺朝からクラスメートに何言ってんだろ。
「と・も・か・く。どうするんだ?俺は協力しないけど、話くらいは聞いてやる」
「辛辣冷酷冷厳痛烈・・・あとは...あっ残忍!」
語彙力で俺をねじ伏せようとするのなんなの?まあ、語彙力あるのは尊敬するけどさ。
「俺をボキャで叩くのやめれ」
「へへっごめんごめん。でもどうしよう。今日の放課後だよ?」
「そうだな、それは———」
「話は聞かせてもらいました。私も協力しますよ、紫葵ちゃん」
後ろを振り返る。
赤の混じった黒髪のセミロング。笑顔を絶やさない表情。この人を見ると完璧という文字が思い浮かぶ。
俺たちの背後には御堂小春が立っていた。




