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六十五話

 レオン達はメアラメラ城の貴賓室に通された。


 シャアク王と妃であり神子でもあるアイシャと机を囲み、メアラメラで起こっている出来事についての話を聞くと同時に、レオンが魔族ベルティラから聞いた話を王達に伝えた。


「なるほど、人魚の歌声が洗脳に使われたってのか」


 シャアクは複雑そうな表情でレオンの話を聞いていた。国を滅茶苦茶にしたのも魔族だが、国を救おうと考えたのも魔族であった。しかしその結果が国家崩壊の危機であれば、シャアクとしてもどう考えていいか分からなかった。


「一先ずベルティラの話は置いておきましょう、現在我が国で洗脳の影響から逃れているのは、王と私、そして城にいた一部の者達だけです」


 アイシャに教えられてようやくレオン達は洗脳の影響下の範囲を知ることが出来た。


「どうして城は被害を免れたのですか?」


 クライヴの問にアイシャが答える。


「占術と水神様からのお告げにより、私は城に結界を張り巡らせました。城にいる者達は洗脳されなかった」

「洗脳というよりも、レオンの話を聞く所によると改変って感じだな。心から猜疑心を取り除き幸福に生きる事を強制させるか…」


 考え込む二人にレオンは言った。


「でもそれは人間として生きる事が欠如していると思います。その綻びが出始めているのでは?」


 レオンの指摘にシャアクが頷いた。


「その通りだよ、それがこの国で起きている問題だ。そうだな、仮に洗脳された国民を改変者と呼ぼう。その改変者達はごく普通に生活を送るが、それは強制された幸福をなぞらえるだけだ」

「その中には人の意思が介在しないの、だから水神様への信仰心がなくなり、国力が大幅に弱体化している」


 シャアクとアイシャの話を聞いてソフィアが聞く。


「だけどそれが何故滅亡に繋がるんですか?」


 ソフィアの問にはアイシャが答えた。


「この国が海の上に建っていられるのは水神様のご加護のお陰よ、この状況が続けばメアラメラは海に沈むわ」


 想像以上の大事にレオン達は驚いた。


「それは猶予はどれ程ですか?」


 クライヴが聞いた。


「まだ私達がいるからすぐって事は無いわ、だけどそんなに時間があるとも言い切れない」


 アイシャはうつむきがちに答えた。心配する気持ちが隠しきれないでいた。


「しかし改変者の心を元に戻すなんて、一体どうすれば…」


 レオンは検討もつかなかったが、シャアクはそれに答えた。


「それについてはアテがある、レオン達が来てくれたお陰で希望が見えてきたんだ」

「どうすればいいんですか?」

「人魚王国へ向かうぞ、人魚達の洗脳を解いて歌の力を取り戻す。水神様の加護を乗せた歌声を届ければ改変者達を元に戻すことが出来るらしい」


 お告げと占術によって手に入れた情報で、目処は立っていた。その為に必要な人がレオンとソフィアであった。




 レオンとクライヴはシャアクに連れられて宝物庫に向かっていた。


 この作戦で必要なのはメアラメラに伝わる神器「水神の盾」であった。それをエクスソードを持つレオンが受け取る事が重要だった。


 ソフィアは別行動でアイシャについて行き水神の加護を授かりに向かっていた。その加護の力を最大限に発揮する為に、レオンとエクスソードの力が必要であった。


「ここだ」


 シャアクは宝物庫にかけられた厳重な鍵を開けて扉を開く、きらびやかな財宝が目を引いたが、その中でも異質な空気を纏っている物があった。


 深い群青色の金属で作られた美しい盾で、黒い縁取りがなされていて、中央部には水神の紋章が刻まれたヒーターシールドの形をしている。


 飾られたそれをシャアクは手に取ると、それをレオンに手渡した。


「この国に伝わる国宝だ、かつてのオールツェル王の為にメアラメラと人魚王国、そして水神様の力を結集して作られた王の為の装備」


 レオンは受け取った水神の盾を装備した。これでレオンの元にすべての神器が揃う事になった。


 森羅の冠、火王の鎧、大地のグリーブ、オリハルコンのガントレット、水神の盾、そしてエクスソードを手にしたレオンは、伝説の初代オールツェル王と同じ力を身に着けた。




 ソフィアとアイシャは祈りの場で神域に到達していた。


 対峙した水神は、逆巻く水流を体中に纏い逞しい男の姿をしていた。


「星の神子ソフィア、よくぞ神々の加護を集めここまでたどり着いた。困難な道程を越えてきた事を喜ばしく思うぞ」

「ありがとうございます水神様、だけどこの旅路は一人では成しえませんでした。人々との出会いが今の私を作ったのです」


 ソフィアの言を聞き、水神は嬉しそうに微笑んだ。


「素晴らしい出会いに恵まれたなソフィア、磨き上げられた輝きは星に等しい、お前は星の神子に相応しく成長した」


「今お前に最後の加護を授けよう」


 水神はソフィアに手をかざす。神授の杖の宝玉が群青に輝き、右手の甲に水神を表す紋様が刻まれた。


 加護が体に馴染み光が収まると、右手の甲の神々の紋様に変化が現れた。


 刻まれた紋様が互いを繋ぎ合うように線が引かれて輪を描く、さらに現れた線が紋様を繋ぎ、星を描いた。


「これは…」

「その証は我々神々を繋ぐ星の証、すべての加護を受けた星の神子の紋様である。水の加護は癒やしの力を授け、水を操る魔法を扱えるようになる。星の神子として完成された今、我々と同等の力をお前は使えるようになった」


 ソフィアは万感の思いで刻まれた紋様を見つめる。ついにここまで来たと拳を握りしめた。


「アイシャよ、伝えた通りソフィアは今の俺より遥かに強い力を使える。前に話した神器との力が合わされば人魚達の心を取り戻す事が出来るだろう」

「分かりました。これからシャアクと合流して人魚王国に向かいます」

「うむ、十分気をつけていけ」


 五神の加護を手に入れたソフィアは、星の神子としての使命を乗り越え完成された。ついにレオンとソフィアは旅の目的の一つを果たす事が出来たのであった。


 そしてメアラメラを救う為に、一行は人魚王国へと向かう事になるのであった。

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