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泥団子と公爵様  作者: 狐火
23/28

23 世界遺産の旅的な

見習い社員につき忙殺中。更新の間が空かないようにしたいと思いますが、先に謝罪をしておこう‼

ご免なさい。



◇◇


「え、?」


一夜城ならぬ一夜壁?

………… ぬぬぬ。まぁ、そんなことは良い。

ぇー、わたしは今 一夜にして出来た城壁の上に立っています(お天気お姉さん風)。下を覗くと領主様が口許に手を当てて見上げていますよ。うん、目を細めていますね。いいえ、睨んでいる訳じゃないと思います。丁度わたしの背中側、森側からお日様が登って木々がキラキラして眩しいのですよ。そしてここからぐるーっと、アマオニーの領地を囲んでいる壁の上から見る景色は、ヨーロッパの古い古い町並みのようで素晴らしいです。あ、第一村人はっけーん! くすんだオレンジ色の屋根のお家からスカーフを頭に巻いた女の子が出てきました。早朝からお仕事なのですね。っと、ここで城壁の存在を知ったようですね。水桶を落として大慌てな様子でお家へ戻ってしまいました。おおーっと遠くの女の子に気を取られていて足元に気が付きませんでした。むら…………領民たちが此方へやって来ます。うん、アマオニーの所に連れてこられてから、彼女の傍に居たのはメイドさん一人だけだったからね。領民も虐殺されちゃったのかと心配したけど大丈夫だったんだね。良かった。


「アマオニー、領民の皆さんが来ましたよー。」


リンバニアースの兵士に襲撃される前は大きなお屋敷があったらしいけど、今は使用人が生活するための別館としてあったものがアマオニーのお家になっているのです。日本うさちゃん小屋民族のわたしからしたら十分ご立派ですがね。その戸口でさっきからしゃがみ込んでるアマオニー、そろそろ目を覚まして欲しいものです。う~ん、それにしても城壁凄いです。シロチャンの言った通りでしたね。





「これはどういうことなんだ?」


焼きたてのパンは何日ぶりでしょう。此処に来てから茶色の硬いパンばかりで、オギャーと産まれ出たときから口にするものに蘊蓄並べる文化の中で育った身としましては……しんどいものがあるんですよ。顎とか、顎とか、顎とか。

焼きたてよりちょっと置いたほうが甘味が出るんだよって分かっているけど、リサとカチィーナが作ってくれたいつぶりかの軟らかいパンです。

「いただきまーす」。はい。当たり前のように領主様のお膝で。昨日はあんなに距離をとっていたのにね。まぁ、目が覚めたら隣で眠っていたけど。んで、わたしが女子だということもばれちゃったみたいだけど、セハスやリサが心配していたようなこともなかったし……実は領主様、お屋敷の人たちに誤解されているのかな?


「………… ハル。教えて欲しいのだが」


あ、パンが…………。


「まぁ、ハル様。そんな悲しそうなお顔をしなくてもパンは逃げませんから」


「ん、な。…………………… すまん」


そうです。食は大事です。美味しい食事は心を優しくしてくれるのです。決してそれを奪ってはいけないのです‼ 決して!!!


「(^O^)あーん」ほぉー 安定の美味しさです‼

「おいひぃでふ。ひあわへでふぅ~」


「それはよぉ御座いました。再びハル様のお世話ができてリサも幸せに思いま」


「さぁ、こちらは領地から持って参りました野菜と……シロチャン様が朝摘みしてくださいました鶏?のスープですわ」


ん? カチィーナ 今リサの話しぶった切ったよね。それでシロチャンの朝摘みってなんだろ? スープの具材に疑問符付ける意味がわからないんだけど。………… わたし少し神経質になっているかな? あまり細かいこと言って朝の清々しい空気を壊すのは良くないよね。うん、次長課長……自重。


朝はまだ少し冷えるのです。足元からこう~すーっとね。だから温かいスープは嬉しいですよ。その具材に疑問符が付いていようが、仕入担当がシロチャンであったとしても、美味しいものは美味しい。身体 温まります。


アマオニー?

アア…………。お外で領民の方たちに囲れて難しいお顔をしています。あれですかね。御身内の方たちがみんなこの国の王族に殺されちゃったっていってたけど、そしたら領地も召し上げられちゃうとかなるのかな? んな、理不尽な!


「ハル、そんなことにはならないぞ。そもそもヘィリアースはまだリンバニアースのものとして近隣諸国に認められてもいない。承認もされていないものを自国の領地として搾取していたことが公になれば国家として信用を無くしてしまう。まぁ、遅かれ早かれここ数日で大騒ぎになるだろうがな」


あれ? 心の声になんで領主様が応えるですか?。


「ん、みんな口から出ていたな。それよりも、静かすぎるのが気になる」


おおぅふ! なんてこと! 独り言の多い時間を長く過ごすとこんなんなってしまうのね。気を付けなくっちゃ。


わん! それより気になることは、そう、静かすぎること。平時であればこの静けさは望ましいものであるけど、敵を迎え撃つ側にいる立場では動きの無い長期戦は不利だ。待つ緊張に疲弊してしまい、内側から崩れてしまうのだ。


「せめて、領民の方をまとめて避難させられる領主館でもあったら良かったのに」とは思うけど、無いものは仕方がない。


「この城壁は領地を囲う形でたっているのだろうか?」


「え? 城壁はそんなものだと思いましたが、この世界では違うのですか?」


わたしの拙い知識(厨二病的な)では、このすばの幾何学模様も美しいと思う。でもこの領地の可愛らしい建物には世界遺産のドゥブロブニクがイメージ容易すかったかな。城壁の上の散歩とかそのうちできたら良いな。


「国ごと囲むというのは聞いたことがない。サラン王国の王都でも幾つかの城壁はあるが、一の城壁等は越えようと思えば出来なくはないぞ。流石に三の城壁は王族と王宮の者を守る要塞としてはあるが、これ程の広さはないな……ん、無いな。」


国民、領民のための城壁じゃないんだ。


「そうがっかりするな。城壁を造るのは何代にも渡る大仕事なんだぞ。…………アア……大仕事の、はずなんだが…………。うん、それは措いて置いてだ。カーネル子爵の領地で待機させている兵を至急呼び寄せることにしよう。」


「そうですね。あの城壁は使えます。弓の得意なものを配置して、そこから攻撃されれば敵も堪ったモノではありませんな。」


セハスはどうしてニヤニヤしてますか。凄く悪い顔です。よーし、わたしも負けませんよ。


「兵法に投石攻撃ありますか? アレならわたしも出来ます。あ、投石機作れるかも」


「「「ハル(様)にそんな事はさせられない(ません!)。」」」


速効で却下されました。





『女神さまが 泣いた』


『ヘィリアースの悲劇に泣いた』


『女神さまが 泣いた』


『第二王妃の死に泣いた』


『女神さまを泣かせたのは 誰だ!』


『女神さまの愁いは 我らの苦しみ』


『ごうごうと吹きすさむ無念の叫びを 体現せよ!』


『ごうごうと焼け付く悲憤の涙を 体現せよ!』


『『 醜く 浅ましい者共


我が女神さまの悲しみを 体現せよ‼ 』』




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