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偽・神書『ユートピア』  作者: 琉喜
1章 壊れ始める世界
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Page.06

そう言えば、サブタイがPage.XXだけなのは、ちゃんとしたサブタイが思いつかないだけです。思いつき次第、付けていくと思います。多分...

 「盾ってどうやって作ればいいんだよ。」


 「本の持ち主なんだから出来るでしょう。」


 「フハハハハ、もう爆発するぞ~、ほれサッサっと神にでも祈れ。どうか私だけでも助けって下さいってな。ハハハハハ。」


 と、目が明後日の方向に向き、穴という穴から血を流しだしながら言っている。


 神...神。あっ!そうだオリュンポス十二神で伝説の盾があったじゃないか。


 と、俺が思いついたのと同時に『ユートピア』のページがバラバラと捲り上がりオリュンポス十二神の絵が描かれたページになった。そこからは、何故かすべきことが分かった。


 「来たれ、戦いの女神アテネが持ちし盾、オリュンポス十二神から顕在せよ!」


 『アイギスの盾』


 俺の目の前に出てきた面が鏡のようになっている盾は今にも爆発しそうなトランプ兵を瞬時に石化させた。


 「えっ!」


 「おお、すごい。やっぱり神が作った神具は強いな~。」


 と、マオは目の前で起きた事に困惑し、俺は興奮したのであった。


 「ちょ!ホンダどういう事ニャ。普通盾っていうのは防ぐものに使うニャ。なのに、なんでこのトランプ兵が石になってるニャ?」


 マオは石化したトランプ兵をコンっと叩いた。すると、バキンッといい音を立ててトランプ兵が崩れて行った。


 「ウニャ!!」


 マオは叩いただけで崩れたトランプ兵に尻尾の毛と猫耳の毛を逆立て驚いた。


 「これちょっと触っただけで崩れたニャ。」


 「ああ、そりゃそうだ。アイギスの盾はメデゥーサの頭が取り入れられて、メデゥーサの石化の眼の力が備わっているんだよ。だから、攻撃させず無力化するには一番いいと思うし、魔よけの効果があって何かと縁起がいいしな。それに何と言っても不壊の盾でもあるんだよ。」


 俺は『アイギスの盾』が本に戻るのを見つめながら言った。


 「ふむ、顕在時間は30秒ほどかな。」


 俺はそんな事を言っていると、耳をグイッと引っ張られた。


 「ちょっと待つニャ、ホンダ。もしかして、オリュンポス十二神での最強の盾を最大限強化されたものを顕在させたのかニャ?」


 と、マオは驚いた顔をしながら俺の顔を見てきた。えっ、なんか俺凄いことした?ただ単にオリュンポス十二神のアイギスの盾を想像しただけなんですけど。


 「ああ、そうだよ。アイギスの盾は初めから傷つくことのない盾だけど、それだと守れる範囲が少ないだろ、だったら、最終形態の石化が使えれば強くなるしね。」


 俺は何事でもない様に言ったら、マオに肩をガシイッと掴まれグワングワンと揺さぶってきた。


 「ホンダ、あなた凄い事ニャ。サーシャちゃんでさえ2,3年駆けてやっとこさできたのが最終形態で5秒召喚なんだよ。」


 「ただ、単に、俺にその才が、あっただけ、なんじゃないくあ。ひって~、ひた噛んだ。」


 揺らされながら言葉を吐くもんじゃないな。


 「いや、才だけで済まされるようなものじゃないニャ!だって普通に考えて見てニャ!少し前に本の持ち主になっただけで、練習もなしにこんなことは出来ないニャ。」


 「いや、出来たもんは出来たんだ。まあ、皆助かったんだし良しとしないじゃないか。それに、マオお前尻尾とかしまわなくていいのか。」


 「はっ、そうだったニャ。」


 と、マオは慌てた様子で尻尾をなくし、耳を猫の顔をデフォルメされたアクセサリーに変えた。ほんとどうなってるのだか。


 「ホンダさっさと退散するニャ。」


 と、マオは俺を引っ張りながら半壊したカフェテリアから出て行くのであった。


 後日、そのカフェテリアで起きた事件は、死傷者が1000人にのぼり目撃者が多数いたにも関わらず犯人は分からずじまいで未解決事件となった。また、今回の事件では、政府が肩入れをし政府極秘調査団が導入されたことは誰も知らない。


~~~~~~


 カフェテリア事件の2日後、廃図書館の庭園にて


 「ホンダ、構えがおかしいニャ!こうでこうニャ。」


 「えっ...こう?」


 「違うニャ~。だから、手の形が違うニャ。手の形はこうニャ!」


 「こうか。」


 「そうニャ。そして、その形で放つ。ニャ!」


 「セイ!」


 俺は今マオ主導のもと、猫拳法を極めようとしていた。いや、極めようなんておこがましい。猫拳法に触れて見て分かってきたけど、俺も一応少林寺拳法とかもやっていたけどマオと手合わせで一度もこっちの技が通ってなかったのだ。逆にマオの攻撃は単調ように見えて多様で侮ることなかれ、っていうわけだ。その言葉の通り、俺はマオに一方的に叩きのめされた。


 「まだダメニャ!これじゃ、相手に骨の髄までに痛みを与えられないニャ。」


 「いや、骨の髄までって...」


 「つべこべ言ってないでやるニャー!!」


 「は、はい。」


 見て分かる通り、マオの指導はスパルタだ。この構えと手の使い方を彼此4時間やっている。まあ、俺が前回の事件で守られるだけだったから、マオに猫拳法を教えてくれって頼んだらこうなったから、文句は言えないけど。でもさ、休憩なしって酷くないか。


 そこからまた2時間後・・・


 「ニャ~、まだ基礎が出来てないニャ。でも、一回休憩ニャ。」


 「は、はひ。」


 俺は真っ白に燃え尽きかけた。


 「キラ様お疲れ様です。休憩に合いそうなお菓子を持ってきましたよ。あと、シナモンティーも持ってきました。」


 と、俺の横にいつの間にかに現れた腰辺りまで伸びている黒い髪をしたメイド姿の女の子がいた。


 「マオ様、温めの牛乳と煮干しをご用意いたしました。」


マオの方では、肩ぐらいまでの長さがある白銀の髪の同じくメイド姿の女の子がマオの好物を用意していた。


 「おっ、サミア、ありがとうニャ。」


 「いえ、私はメイドとしての職務を全うしたまでです。」


 この2人は『上級メイドになるためには 上・下』から出てきた本の住民である。この2人は、俺たちが廃図書館に来た時に「「ご主人様お帰りなさいませ。」」と出迎えてくれたのである。そして、俺たちが開けた一日足らずで本を整理しすべての本が本棚に収まっているのを目の当たりにした。


 「ミレナ、ゆっくりでいいからな。」


 「分かってますよ。もう大丈夫です、って、わああ。」


 黒髪メイドはふらつきながら、俺の近くにあるミニテーブルにシナモンティーを置こうとして、片手で支えていた盆の上にあった、ガトーショコラを落としてしまった。で、その落ちたガトーショコラを取ろうとして屈んだらそのまま顔面をガトーショコラに打ち付けて倒れてしまった。


 「はあ~。また、か。大丈夫か?ミレナ。」


 「はい、ちょっと顔を打っただけですから大丈夫です。」


 と、ミレナは笑顔で顔を上げたと思う。なぜ思うかだって、顔がガトーショコラで見えないんだもん。


 「顔がガトーショコラで見えなくなってるぞ。」


 「お見苦しいものをお見せました。あれっ?ハンカチ何処に仕舞ったっけ。」


 「はあ~、これ、俺のを使え。」


 「あ、ありがとうございます。」


 と、ミレナは俺のハンカチで顔を拭いた。


 「洗ってあとでお返ししますね。」


 ミレナはそう言って、ガトーショコラがべったりと付いてる方を表にしてポケットに入れた。


 「なあ、ミレナ。」


 これは教えてやらなくてはと思い俺はミレナに声を掛けた。


 「はい!何でしょうか。」


 そんな目を輝かせなくていいからね。今から君は絶望の顔をすると思うから。


 「ガトーショコラを表にしてポケットに入れたらポケットの中が汚れちまうのにいいのか。」


 「えっ・・・」


 ミレナは一瞬フリーズした後、慌てたようにポケットからガトーショコラが表になっているハンカチをポケットから取り出した。


 「う、うううう...。また、洗濯しないと...。」


 うん、まあ、予想通りかな。いや、予想よりはまだいいのではないか。


 「まあ、すぐに洗えば大丈夫だと思うから、洗ってきなよ。」


 「い、いえ、まだ、キラ様にちゃんとしたお勤めが出来てません。」


 「いや、ちゃんとしてくれてるから大丈夫だよ。シナモンティーだって飲んでるんだし。」


 と、俺はミニテーブルに置かれていたシナモンティーを口に運んだ。うまい、うますぎる。腕はすごくいいのに、何でこうも残念にしか見えないんだろうか。そうだよな、出会ったときも何もない所でこけて本棚に顔をぶつけたり、


 「ホンダ、再開するニャ。」


 「了解っと。」


 俺はまた、マオに猫拳法の訓練を受け始めた。


 また、2時間半後今度は俺が音をあげる前に、廃図書館からミレナの叫び声が聞こえた。


 「はあ~、また何か起きたな。」


 「ニャ~。あの子って駄メイド過ぎない。」


 「いや、腕は良いと思うけど、どこかが抜けてるって言うか、注意散漫というか、何と言うか。今日会ったばかりだから何とも言えないが答えかな。」


 うん、今日会ったばかりで駄メイドって決めつけるわけにはいかないな。


 と、思いながら猫拳法の練習を再開した。が、再開した後すぐにサミアに背中を撫でられながらミレナが泣きながら来た。何かあったみたいだな。


 「キラ様~、申し訳ありません。」


 「ん?どうした。もしかして、洗剤でも間違えて服が縮んじゃったのか。それとも、洗濯機のドアが外れたのか。・・・・っ!まだ、痛みが走るな。」


 俺はマオに教わった殴りで的を殴りながら、ミレナが起こしそうな問題をあげてみた。


 「いえ、違います。洗剤の量を間違えて洗濯室が泡まみれになっちゃたんです~~~~。」


 「へ~~、泡まみれね、泡まみ...れ、・・・泡まみれにだって!!」


 俺は的を勢いよく殴ってしまったと思うが、痛みを感じなかった。

って、そんな事より、このメイド何をどおしたら洗濯室を泡まみれにできるんだよ。


 「はい、どういうわけか、ミレナが入れた洗剤が化学反応を起こし、泡が際限なく吹き出してしまっていたのです。でも、ご安心をすでに処理を完了しています。あとは、隙間に詰まり、固まってしまった泡を取り除くだけですから。」


 うわ~、これじゃあ、完全に優メイドと駄メイドに分かれたな。


 「そ、そうか。じゃあ、大丈夫だな。」


 「では、ご報告も済みましたので、私たちは引き続き処理をしてまいります。お呼びの場合は呼んで下されば飛んで行きますので。行くよ、ミレナ。」


 「分かった、サミア。では、キラ様また後ほど。」


 「ああ。」


 「ホンダ、的が拉げてるニャ。」


「えっ?」


 マオが俺の的が拉げているっと、言ったので見て見ると、いつの間にか俺が殴った部分が綺麗に拉げていた。これって、マオが手本で見せてくれた時と似てるな。でも、マオの場合は殴った部分だけでなく全体が拉げてたけどな。


「この短期間で猫拳法の極致にいたったのかニャ。それは凄いニャ!これは...」


 マオはなにか興奮した様に俺が拉げさせた的を見ながらブツブツ言っている。


 「よし、決めたニャ!!」


 「な、何を?!」


 急に大声を出したマオに驚きながら聞いた。


 「明日から、練習量を倍に増やすニャ!そして、ホンダにはいち早く猫拳法免許皆伝してもらうニャ!」


 こうして、俺は明日からの猫拳法の訓練がより、スパルタになったのは言うまでもない。


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