7.決心。
「えっと、あのね乃維? それは違うの」
「違う? 何が? なんの事かな?」
「それは、その……」
咲良は口篭る。
反応は──悪くない。
だったらそれでいいやって思う。
今はそれで。
私は陽の光に向かって手を差し伸べた。
真っ青な空に、眩しい程の太陽。
溶けてしまいそうだった日差しだけど、今の私は
太陽にも、勝ってしまうんじゃないかって思うほどに
心が晴れ晴れとしてる。
はぁ。外の空気って、こんなにも美味しかったっけ?
妙なところで感動する。
「宝物、見つかって良かったぁ」
咲良より早く見つけれて、良かった。
もし咲良が先に見つけていたら、どうなっていた事か。
きっと握り潰していたかもしれない。
どうしてかな?
私が──女の子だから?
「……」
それが少し、気にかかる。
どう考えてみても、この恋は報われない。
絶対どこかで弊害が出る。
でも──。
私は咲良を振り返る。
咲良は──泣きそうな顔をしていた。
困っている、顔。
不安、なんだろな。
そうだよね、不安だよね。
でも、私は微笑む。
純粋にホッとした。
ずっと悩んでた。
咲良の想いと私の想いは違うかもって。
ふわっ──、
風が舞った。
少し冷たい強い風。
けれど心地いい。
ふわりとなびいたスカートを押さえて、私は振り返る。
不安そうな咲良。
変なの。
前はあんなに自信満々だったのに。
仕方ないな、私が引っ張って行ってあげよう。
そう、思った。




