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さくらのさくら  作者: YUQARI
第8章 ワタシのオモイ。
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7.決心。

「えっと、あのね乃維(のい)? それは違うの」

「違う? 何が? なんの事かな?」

「それは、その……」

 咲良(さくら)は口篭る。

 

 反応は──悪くない。

 だったらそれでいいやって思う。

 今はそれで。

 

 私は陽の光に向かって手を差し伸べた。

 真っ青な空に、眩しい程の太陽。

 溶けてしまいそうだった日差しだけど、今の私は

 太陽にも、勝ってしまうんじゃないかって思うほどに

 心が晴れ晴れとしてる。

 はぁ。外の空気って、こんなにも美味しかったっけ?

 妙なところで感動する。

 

「宝物、見つかって良かったぁ」

 咲良より早く見つけれて、良かった。

 

 もし咲良が先に見つけていたら、どうなっていた事か。

 きっと握り潰していたかもしれない。

 どうしてかな?

 私が──女の子だから?

 

「……」

 それが少し、気にかかる。

 どう考えてみても、この恋は報われない。

 絶対どこかで弊害が出る。

 でも──。

 

 私は咲良を振り返る。

 咲良は──泣きそうな顔をしていた。

 困っている、顔。

 不安、なんだろな。

 そうだよね、不安だよね。

 

 でも、私は微笑む。

 純粋にホッとした。

 ずっと悩んでた。

 咲良の想いと私の想いは違うかもって。

 

 

 

 ふわっ──、

 

 

 

 風が舞った。

 少し冷たい強い風。

 けれど心地いい。

 ふわりとなびいたスカートを押さえて、私は振り返る。

 不安そうな咲良。

 変なの。

 前はあんなに自信満々だったのに。

 仕方ないな、私が引っ張って行ってあげよう。

 そう、思った。



 

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