表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「暮らし」など

Dawn

作者: 維酉

はじまりはいつも白紙で

ときが経てば朝焼けのいろに染まる

だいだい というか

オレンジ のような

ほのおに灼かれたあたらしい

まさしく朝焼けのいろに染まる

そのいろどりの第一筆について

わたしはふと

おもいをめぐらしたけれど

つねにあいまいな――ただ夜明け前の……

ーーうす紫でゆらいでく空の……――

星がきえ

やみがうすまり

なにかたちどころにかわっていきそうな予感を孕んだ

夜明け前の空がみえる

じゃっかんのねむけにねこはのびをして

カーテンのうちがわにすべりこむ

八分二十秒の旅を終えたひかりは

こがねいろの毛並みを照らしている

ひげがくいっとうごき

やわらかい声で「ーー」と鳴く

きづけばわたしは目をさましている

しずむようなけだるさがある

そしてそのまま 原子的なレベルで

わたしが分解されていき そのまま宇宙へ放射され

ふかくまどろむ神様の

すずしい寝床にながれつき

体系化された神話のはしくれをおもいながら

神様のとなりでねこを抱き

いちまんねんまえの胡蝶になる

かしか にれか しらないけれど

とりあえずな森林をゆけば

いずれリンボクとか フウインボクとか

古生代までさかのぼれる

わたしはパンゲアをとびまわり

やがて原始海洋のうえをひらひらする

いつからか海はマグマになりはて

どころか地球は微惑星に

宇宙が熱を帯び

灼けないようにひらひらし

宇宙の晴れ上がりをついに逆行し

わたしは原子ですらなくなる

また目をさます

わたしはわたしとして

寝具によこたわっている

はじまりはいつも白紙である

ねこが鳴いて

コーヒーをいれようとおもう

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ