Episode1ーⅰ
「あーぁ…。」
「何なの脳筋?」
「うっせぇよ、シェパード。」
竜崎と虎西の復活コンビは今日が初任務だった。最後に組んだのは2年前、25歳くらいの頃だ。
「東京の見回りが仕事。暇だぜ。しかも相棒はシェパードだ。」
「あら、可哀想。でもシェパードなら駄犬を連れさせられてる私よりずっとマシ。」
竜崎の嫌味に虎西が上手く返す。
「口だけは達者だな、ハル。」
「懐かしい呼び方…、純。」
感動的な台詞にもなり得るかもしれないが、2人の歪んだ関係性と仲を考えると、それはあり得なかった。
それに、名前を簡略することで任務を少しでもスピーディーに進める事が目的で付いた呼び方なので、むしろこの呼び名は色々な危険な記憶を呼び起こす物だった。
東京は首都としての機能を失ったとはいえ、栄えている。それ故に、危険な連中が集まるようになったのだ。人身売買や違法薬物の取引、その他違法行為は日に日に増えている。
「おい、あの連中、怪しいぞ。」
少し動きの怪しい数人の男達を見ながら、虎西が言う。彼女のクールな話し方は、竜崎も嫌いじゃない。
「追うか。」
「あぁ。行くぞ、純。」
「了解っと。」
そして2人は尾行を始める。やはり、男達は怪しかった。明らかに尾行を警戒している。ただ、虎西と竜崎には気付かない。
そして遂に一軒の酒屋に入っていった。
「ハル、入ろうぜ。」
「もちろん。」
こうして、2人は潜入捜査を始めた。