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キラーマシンは今日もクズ勇者を殺せない

キラ達と勇者達の戦闘が始まり、 7分が経過しようとしていた。


「……はぁ…… ……はぁ……」


「ゆ、 勇者達が~ こんなに強くなっていたなんて~」


「計算外ですよ……」


満身創痍のキラ達の目の前にほぼ無傷の勇者一行が立ち塞がる。


「どうした? もう終わりか?」


勇者はニヤニヤしながらキラ達に言う。


「……残された時間は…… 後…… 2分弱……」


「まだ…… イケるですよ! お姉ちゃん!!」


「最後まで~ 諦めたら~ ダメですよねぇ~」


キラ達は互いに眼を合わせて頷く。


「……勇者…… これから…… 見せるの技が…… 最後の一撃……」


「喰らうですよ!!」


「私達~ キラーマシンの~ 合体技ですよぉ~」


キラを中心に、 左右でニコとサンが手を繋ぐ。


「「「トライアングルバースト!!」」」


キラ達が叫ぶと、 キラ達を中心に眩い光が膨れ上がって行く。


そして、 その光は勇者達をも飲み込んでいった。


……。


…………。


………………。


「……ここは……」


キラは眼を開けると、 そこには青い空がすみわたる。


「お姉ちゃん! 目が覚めたですか?」


「……ニコ……」


キラが声のした方を見るとニコも横たわっていた。


「私も~ いますよ~」


「……サン……」


キラの反対側からサンの声もする。


「……勇者は…… 倒せたの……?」


「大丈夫ですよ! あの威力です!」


「今頃~ 原子まで~ 破壊されてますよ~」


キラ達は最後の技で勇者を倒したと思っていた。


しかし。


「お前達! 勝手にオレ様を殺すなよな!」


「!?」


勇者の声がし、 キラ達は上体を起こす。


「な、 なんでですかぁ!?」


「私達のぉ~ 決死の技がぁ~」


「……理解不能……」


キラ達の呆気に取られた顔を見ながら勇者は口を開く。


「フン!! お前達はさっきのヤツを撃ってる途中で勝手に力尽きたんだよ!!」


「……そんな……」


勇者の言葉を聞きキラ達はその場に倒れこむ。


「ん? どうした? もう、 諦めるのか?」


勇者はニヤニヤしながらキラ達に聞く。


「もぅ~ 指1つ動かす力もありません~」


「くっ……! 殺せです!!」


「……勇者を殺す為に産みだれた私達が…… 勇者に殺されるなら…… 本望よ……」


キラ達は諦めた表情で勇者を睨み付けながら言う。


「いや…… その事なんだが……」


「?」


勇者は頬をかきながら困った顔をしながら言う。


「お前達はこのままオレ様達と一緒に旅を続けてもらう事にする!!」


「「「はぁ?」」」


「ほら、 あれだ、 なんだ? キラがいねぇとうちのパーティー無駄遣いばかりするし(主にオレ様) 食事もロクな物が出てこないからな…… まぁ…… そんな訳でお前達を倒すのは無しって事になったんだ!!」


「……これから…… 魔王様を倒しに行くのに…… これから…… なんてあるの?」


「そ、 そうですよ!! 魔王様を倒したら私達も活動停止するです!!」


「って言うかぁ~ キラ姉さんだけ必要とされてる感じがぁするのですがぁ~?」


キラ達が勇者に聞くと、 勇者はあっけらかんと答える。


「いや! 魔王は倒さないからこのまま違う場所を目指して旅を続けるぞ?」


「「「はぁぁ?」」」


「だいたいよく考えてみろ? オレ様は勇者だ!」


「そうですね?」


「勇者が魔王を倒すとどうなる?」


「それはぁ~ 世界が平和になると思われていますねぇ~」


「すると、 勇者はどうなる?」


「……まぁ…… 要らなくは…… なる……」


「そうだ!! オレ様が勇者でなくなったら! まだ見ぬ世界の美女達と楽しい事ができぬではないかぁぁぁ!!」


「「「はぁ!?」」」


キラ達は勇者の言葉に言葉を失う。


「さぁ! 行くぞ!! まだ見ぬ世界の美女達に会いに!!」


「本当にぃ~ クズですねぇ~」


「クズ以外何者でもないです!!」


勇者は魔王城とは真逆の方角を指差して叫ぶ勇者にサンとニコは呆れ返る。


「……勇者…… 私達を生かしておくなら…… 常に命を狙われると…… 思いなさい……」


キラか勇者に言うと、 勇者はニヤリと笑う。


「あぁ!! いつでもかかってかきな!! 返り討ちにしてやんよ!!」


「……ふふっ……」


勇者の言葉にキラは軽く微笑む。


こうして…… 勇者の命を狙うキラーマシンと、 命を狙われる勇者の奇妙な旅は続くのであった。


しかし、 勇者は殺される事なく生き続けている。


キラーマシンは今日もクズ勇者を殺せない。

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